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どんな領域のことであれ、技術には無限の段階があり、完璧な技術というものに人間は達することができない。
工芸や美術や演芸の人間国宝のような人々も、スポーツの第一人者も、そんな当たり前のことは当然のこととして、他人から見れば雲の上の至高の地点に達していても、常に上を目指して精進しています。
どのような道でも「この道は甘く見ちゃっだめだよ」ということを理解しないで、なめた態度で取り組めば、当然のごとく痛い目に遭うことになるでしょう。
株式市場というのは人間の欲望を変数として機能している制度なので、わずかな入力の変化が劇的な出力の変化を生み出します。だから『予測不能』であると言って間違いではないと思います。
車の運転では免許という安全に車を運転するための最低の技術を取得しないと公道を走ることは出来ませんが、免許を得たからといって自分の技術は最高で絶対事故を起こさないという、馬鹿げたうぬぼれを持つ人間はほとんどいないと思います。
ところが株式投資においては、最低の安全確保のための技術すら学んでいないのに公道に出撃できて、百戦錬磨のプロに勝ってしまうことも出来るので、勘違いしてしまう人間も大量に出てきます。
しかも書店で売られているような株式投資のための技術の本は、どうでもよいような枝葉末節の役に立たないテクニカル技術の本がほとんどです。
まあ高度な自動売買いのノウハウを身に着けるための本物のノウハウをかいた本があるならば、価値が高いかもしれませんが、たいていの購読者には、その本が本物かどうかは分からないし、本物だったとしても、自分が身につけられるかどうかは、もっと分かりません。予想するに本物の自動売買の本も1000に3つも本物があるかどおうか疑わしいので、ろくでもないインチキを掴んで投資に臨めば、とんでもない損をしてしまう結論が目に見えるようです(苦笑)
バリュー投資関連の本は、一応は株式市場で最低限の安全運転の技術が書いてあるものが多いです。バリュー投資において問題なのは『バリュー投資をしていれば絶対に事故に遭わない』という愚かな妄想を持ってしまう読者のほうにあることが多いです(苦笑)
バリュー株には、開示情報が嘘でなければ、市場でついている株価より、実際には価値が高いことが多いです。
最近で増えている親会社の子会社の完全子会社化でのTOBにおいて市場価格より高い値段で買い取られる子会社の株価を見れば分かります。
そんな例を上げなくても、バランス・シートに載っている現・預金や投資有価証券。今年に入ってから開示されるようになった賃貸不動産の時価などの市場価値から判断し、時価総額が三分の一とか、四分の一になっている企業は間違いなくすでに持っている資産価値だけから評価しても、安い。すなわち株価は企業の本当の価値と比較して安いのだということに異議を唱えることは出来ないと思います。ただ株価をコントロールするのは「市場に参加している欲と恐怖に目が眩んだおかしな連中の総意」なので、株価が企業の資産価値から比べて安いままで、更に安くなる可能性もある。
ただ、こんな基本的なことが書いてあるバリュー投資の本もあまり見たことがありません。あまりにも当然なことなので、書いていないのも当然のような気もします。またどうせ書いてあっても記憶にとどめる読者もいない可能性が高いのかもしれません。(私が忘れてしまっているのかもしれませんし 苦笑)
資産価値ばかりではなく過去8年とか15年とか、常に経常利益と純利益を黒字で確保してきた企業価値が高くて、すでにバランス・シートに蓄えられた資産価値だけもで時価総額の数倍もあると会計のプロである公認会計士がお墨付きをつけている株を、いまの株価で買うことが出来るかどうか。
ろくでもない欲と恐怖に目の眩んだいかれたマーケットの総意に従うか、客観的な開示情報に従うか(爆笑)。バリュー投資家としての安全運転のための免許証を発行してくれる認定機関はありませんが、自分が最低でも株式市場で安全運転できる技術を習得できているかどうかの自己判断を行うには、上記のような問いかけをしてみると良いかもしれません^^;
欲と恐怖にかすんだ頭をクリアーにして、株式投資は甘く見ると痛い目に遭うのは当たり前のことだと確認したうえで、バリュー投資について整理してみるためにも良い季節だと感じます。