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April 10, 2004
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カテゴリ: 作品
第四話「面影」
トクン
桜の花が散っている
トクン
このときめきは・・・お母さんと誰かが寄添って歩いている
トクン
・・・・・・
トクン
私の期待した

なんだかとっても楽しい夢、心が溶け出しそうな
とても甘ずっぱい・・・
トクン
私はあまりの衝撃に目を覚ました。
見るとベットから落ちていた。
そこは懐かしい自分達の部屋だった。
「そうだ昨日帰ってきたんだ」
桜子さんがもうしばらく様子を見た方がいいと言うのを都が大丈夫だと言い張って私を連れ戻したのだ。確かに桜子さんの心配のし過ぎの様な気がする。
時計を見ると八時を過ぎていた、休みとは言えこれは寝坊かな都はまだ起きる気配がない。出かけるのが、九時の予定だからそろそろ起こさないと・・・
そう思い都のベットにそっと近づき私が起きない時に都がする起こす方法をする事にした。
ペーパーナイフの先に付いた羽で鼻の辺りをコショコショと撫でるあのやり方は一度やって見たかった方法の一つだったの。

「あっちちっ千草」ビックリして都が飛び起きた拍子に「あっやっと起きた」と誤魔化した。
都はそれで納得したのか何も言わず恥ずかしそうに御免と言った。
 寮の入口では数人の女子と話していた瞬君がこちらに気付いて手を振った。それを合図に女の子達は散って行った。
「相変わらず人気者」と都が言うと
「お褒めに預かり光栄です」と瞬君は言った。その後に

「はい」私達は駐車上まで歩きながら話しをしていた。
その先では待ちくたびれた赤いジャガーのオープンカーがクラクショクンを鳴らした。
その車にチャイナ服で乗り込む桜子のセンスに都は頭を抱え
「今日も決まってます」と瞬君ははやした。
私は意味が分からず、ただ開いたドアから私達専用の様な座席に滑り込むしかなかった。
「屋根は無いの」と私が言うと助手席に座った瞬君が甘い顔立ちを向けて
「そういう車なんです」と教えてくれた。その指先はナビのタッチパネルを器用に操作している。
グククウーと返事の代りにお腹が鳴った。その途端、座席の真中からお菓子が現れ。
「飛ばされないようにね」出発前に桜子さんがそう付け加えた、その理由が直ぐ分かった。
その走りの素晴らしさ風の如く周りの風景をすり交わし視界の彼方へと追いやってしまう。
はじめこそ初めての体験にはしゃいでいたがある事に気付いた。
「桜子さん髪結ったんだ」私は自分の髪が風になびくのに彼女の髪がなびかないのに気付いた。
「何所まで行くんですか」都が言った。
「覚悟して今夜は帰さないから」真面目な声で桜子さんが言う
「あそこです」手前のデパートを瞬君が指差した。
 私が駆けつけると瞬君の周りには女の子達が群がっていた。
「相変わらずね」都のマネをして言った。途端に周りの子達が、そこそこに挨拶をして去って行った。
「楊貴妃が出て来たのかと思いましたよ」車のボンネットに腰掛けて彼は笑った。
「あれから如何しました」
あれからとは、私がこの屋上の駐車場から二人に拉致されて売り場に連れて行かれてからの事に違いない。
売り場に着くと二人は商品を手に取り私をボックスに押し込んで着替えさせた、最初は付け方を教えてくれながらサイズを測ったりととっかえひっかえていたのだがその内に都の手は胸の辺りを揉みだしたので一人で出来るからと言って二人を追い出し逃げてきたわけだった。
私がなかなか答えないで居ると
「だいたいは想像できますが」と溜息を付いた。
「えっ」
「二人とは昔の知り合いなんです都は同郷だし桜子は同じ病院で一緒でしたから」
「病院、桜子さんの恋人って瞬君なの」私が興奮して聞くと
「相棒かな鬼から君を護る為の」彼はそう冷たく冷めた声で答えた。
「鬼、桜姫の事なの悪い人なの」
「僕達が知る鬼は人の血を吸う悪魔です最も桜姫が何者かは知りませんから鬼と決め付けるのは危険な判断でしょう。姫あなたが気に病む事はありません」
「あっ瞬君?病人は何所だ」
 私の心の声
えっこの声
「千ちゃん」続いて声は私に向けられた。私が不思議そうに見ると若作りの中年男性は(後で都が言った)
「いや失礼した知ってる人に似てたものだから君のような若い子と見違うとはどうかしている、ああそうだ患者は・・・」
「先生遅い」声の主は屋上の入り口に立つ髪の長い楊貴妃だった(あとで瞬君が小声で言った)
それは都を小脇に抱えた桜子さんでした。
「君は」
 また私の声
あれまた
声は軽自動車からだった。白いワゴン車の運転席にはあの声の主が座っていた。
「先輩・・・」私はそれ以上言えなかった、血管が喉を圧迫して声が出せない。
「良かった」
「えっ」
「盲腸だな君は千ちゃんいや千夜さんの娘さんか似てるわけだ、お母さんによろしくね」
「都ちゃんのこと心配だろうけど大丈夫あの先生なら一週間で帰ってくるから」
「私、都と一緒に行きます」私は慌てて桜子さんに訴えた、その横で
「千夜て千一夜千夜さん」重苦しそうに瞬君がゆっくりと呟いた。
「そうお母さん」私は頷いて答えた。
「瞬」怖い顔で桜子さんは瞬君を睨んだ
「分かってます約束ですから」彼は渋々答えた。
「千草ちゃん今日は大事な用なの」桜子さんは私に向き直ると優しい声で囁いた。
「私、都と行きます大事な大事な友達なんです」私も引けない、都を置いてどんな大事な用でも行くことは出来なかった。
「桜子、我々だけで行こう」瞬君は何時もの優しい笑顔の瞬君ではなく大人の顔をした瞬君だった。
「分かったわ気を付けるのよ」桜子さんも何時もの優しい笑顔ではなく真面目な瞳で私を見詰た。
「はい」二人の言葉の意味は知らなかったが、何か重大な事だけは私にも何となく分かったので私も真面目な口調で答えた。
「話しは決まった様だな、さあ乗りなさい」
待ちかねたように中年男性は都の脈をとりながら言った。その間先輩は私が座りやすい様に備え付けの椅子を用意していてくれた。
それと同時にジャガーのエンジンが吠えた。桜子さんの顔には笑顔は無かった、ただ無表情に前方を見据えるだけだった。
そして先輩もエンジンを噴かした。
乗り込みかけた瞬君が走ってきた。
「僕も行くよ姫が狼に食べられると学園の皆が悲しむから」
と囁いたその仕草を見て先輩がアクセルを勢いよく踏み込んだ。
軽ワゴンはいきなり飛び出し前の車にぶつかりそうになった。
「何やってるんだ」先輩がお父さんに怒られた。(後で先輩が教えてくれた、家が病院なので休みの日は手伝っているだそうです)
 私の心の中
「本当に気をつけてね」心配そうな桜子さんの心が語り掛けてきた。その一方で「瞬ありがとう、だけどこれ使い方分からないよ」と心配げな心が微かに響いた。
 その夜、私達は桜庭家にお世話になった。日本庭園の中庭のある広い家に父子二人で暮らしているそうです。家の事は警備会社に任せきりで父親は医療に没頭し息子は学園で音楽にのめり込んでいる。
四人でインスタントカレーを食べ先輩のパソコンでゲームなどをして遊んだ。
都の方は順調で明日にも一般病棟に移れる程だと先輩のお父さんの徹さんが教えてくれた。
その後徹さんはお酒を私に勧めながらお母さんの事を聞いてきた。お母さんとは高校まで一緒だった・とても綺麗で人気者だった・お母さんの家は資産家だった事を聞かせてくれた。
「今はアパートで一人で暮らしています」
「そうか大変だね、いっそワシの所に来ないかい」
「父さん飲み過ぎだよ」
しまいには酔い潰れて寝てしまった。
「よっぽど嬉しかったんだこんなに飲むなんて久しぶりだよ」
先輩は嬉しそうに言って毛布を掛け私の横に座った。
あれ先輩の顔がまじかに感じられた。あれお酒のせいかな頭かがボーとしてる、これってもしかしてkiss・・・先輩なら
「まさか君は妹なのか別れた母さんの・・・」
「えっ」
先輩の予期しない問いに私の思考回路は停止した。
その後のことは良く憶えていないけど
「まったく姫は暢気だね」と言う瞬君の困り果てた声を聞いた気がする。

 翌朝目覚めるとなぜか私は瞬君と先輩の間に寝ていた。





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Last updated  April 22, 2005 04:24:02 PM
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