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April 30, 2004
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カテゴリ: 作品
第五話「秘密」

 あれから私は放課後になるとピアノのそばのソファーに寝そべって過ごす事が多くなった。
其れと言うのも先輩が「君なら歓迎するよ妹何だから」と言ってくれたものだから「すっかり甘えちゃって」と言う都の声も気になりません。
最も妹と言う事は私と先輩の秘密です、と瞬君も知ってるか!
それと、桜子さんが寮長を辞めてしまい、その代わりに来たのがお母さんだったんですもうビックリです。桜子さんが最も信頼する人として紹介したのだそうです。其れとまだ有るんですよ変わった事が私に妹が出来ました。「後輩でしょ」都が横で突っ込んだ。「何一人で解説者してるの」梅酒片手に騒いでいます。あれから夢も見ない。
桜が散り始めた頃退院祝いとお別れ会を兼ね学園の花見をしていた時の事です。

 その事はもう前から決めていた事だったらしいです、桜子さんはもうそこには居ませんでした。あの日を境に「あの日本当は僕も行く予定でした、詳しい説明をしている暇が無くてすみません。だからこそ君に来て欲しかった。どうか彼女を攻めないで下さい、本当はこれも話してはいけない事ですが詳しくはあの人に後で聞いて下さい」うな垂れて悲しそうな眼をした彼を私は抱きしめて
「最後にお花見しましょう」
こうして決まったお花見


彼は一本の桜の木を指差して言った、少し開けた場所にその桜は有った。ちょうど私の部屋のまん前に当たる、あの日瞬君が立っていた場所だった。
「じゃああの夢は本当にあった事で桜姫は居た」
「いやちがう、あれと同じ事を過去に桜子は体験していた自分の記憶の中で・・・其れもあって鬼に対して異常な反応をしていたんだ。まだ真相ははっきりしないけれど過去に何かあった事だけは確かだ今後君達に危険が無いかどうかは分からないがあの人が居れば大丈夫だよ」
「どうしてあの人なの?私のお母さんは」彼は困った顔をしてあの時と同じ様に私に背を向けて去って行った裏庭でお母さんと話しをしていた時と同じ様にもう二度と振り返らない。
一人取り残され改めてその桜を見た傷は私のちょうど胸辺りでも私にも桜子さんにも傷は無い。
「何されたの」慌てて都が駆けつけた。
「あっ花見」とごまかして胸を隠した。
「なーんだ告白かと思ったのに」事情を知らない彼女は続けた。
「みんな勝手よね。だけど寂しくなる、なでも千草のお母さん面白い。筆記用具を借りに行ったらシャペンと鉛筆どちらがいいですかて聞くのよもう可笑しくて」遠慮なくげらげら笑っている。
「あっ」
音楽室の前で女の子が佇んでいた。

「今日は居ないよ」私はその子に話しかけた、後から都が駆けつける。
「千草足はやい」
「えっあっ」少女は言葉にならない音を発した。
「明日の放課後なら居るよあなたお名前は私は・・・」
「しししっ知ってますひひひひひっめ・・・わたし梢と日暮梢一年です失礼します。」

「梢ちゃん可愛い」
「良かったね、ライバル出現だね」「まああいつに二人も」最初の言葉を私に言った後でそう続けた。
「ねえ都時々思うんだけど私、時々見られてる気がする」
「気のせいじゃないよ、見られてるの千草有名人だから」
「そうなの」
「そうよ普通姫だなんて呼ばないよ千草は特別だから」
「特別」何だか褒められた様な気がして嬉しくなった。

 翌日先輩のピアノを聴きに来ると、梢ちゃんが入り口に立っていた。
「ひひひひっめ」彼女は深々と頭を下げて挨拶した、その時複数の視線がこちらを見ていた。
「あっ梢ちゃん千草で良いよ」
「いいえ、それでは失礼です・・か・・ら・・」何かもどかしそうに考えているので
「じゃあ先輩わどうかな私も桜庭先輩をそう呼んでるから」
「はい先輩」嬉しそうに笑った。
その翌日には寂しげな彼女の姿が有った。
訳を聴くと私を姫と呼ばない為に仲間外れにされたらしいのです。
「じゃあ私が言ってあげるから」と言うと頭を振て反論した。
「自分の問題ですから大丈夫です」と言って私の提案を跳ね除けてしまった。
それでお母さんに相談したら
「千草、その梢と言う子を良く見ていなさい」とだけ言って何も言わなかった。
其れは何日も続いていた様ですが梢ちゃんは負けませんでした、その内に根負けしたのか嫌がらせは少なくなったそうで今では話し掛けてくれる友達も出来たとか言ってます。
私は相変わらすソファーで先輩のピアノを聞き眠ってしまうと梢ちゃんが毛布を掛けてくれます。
私が梢ちゃん可愛いと言うと先輩は笑います梢ちゃんは困った顔をします。
この頃は視線の数も増え絶えず見られている気がします、それにお母さんも用の無い時は来ない様にと言って私を退けます。都に相談すると
「当然でしょう、ここでは寮長と寮生の関係なの私だって気軽に会いに来るなと言われているのよ」
「そうか桜子さんの仕事聞きたかったのに話してくれないのよね」
「ああそれか、こっちもよ」
桜はもう殆ど散り掛かった桜の木を眺めて私達は今日も授業をサボリ部屋で騒いでいます。
「ねえお母さん美人だね、だから私も美人なんだ」
「そうね・・・こら千草わざと言ったね」
この頃は、都とこんな駆け引きをする様にもなり以前ほど動く事も苦にならなくなり。
部屋の中をぐるぐると逃げ回り廊下に逃げた所で捕まった、と言うのも・・・
「あなた達、元気そうね具合悪くて授業外れた筈だけど違ったかしら」
そこには、おかあ・・・鬼が笑ったらこんな顔かと思える様な寮長の姿があった。
「あなた達は明日から授業に出なさい、其れと千草は寮長室に都さんは学園長がお呼びです」
渋々後に付いて寮長室に向かった。こんな怖い母を見たのは初めてだった、最も見えなかったのだから仕方が無いがこれ程怒られた事も無かった。私は自分の悪さを知っていたのでまともに顔を見る事が出来ないで居ると
「わかってる様ね自分のしていた事が」
声のトーンは変わらない。「はい」私は短く答えた。具合が悪いと嘘を言ったりした事が悪いと言う意味を今の私は知っている。以前の私なら知らなかった事もここに来て色々な事を知った。
「変わったわね来る前と今では良くも悪くも仮病はいけませんが友達を思う気持ちは良い事です」
「えっ」てっきり怒られると思っていたお母さんの顔は優しい顔に変わっていた。
彼女は桜の見える窓辺に座り私を手招いて抱き締めると静かに語りだした。
「千草は生まれた時から眼が見えなかったから少し甘やかして育てたと思っていたわ、其れが自分から学校に行ったり友達を作ったり悪さを覚えたりお母さん嬉しくなっちゃった」
「あの怒らないの」
「怒ったでしょう、さっき。だからその話しはお終い、それにむしろ嬉しかった千草がそうして積極的に行動してくれる事が昔は良く返事をする素直な娘だったけど今は悪戯もする普通の娘に代わった事が何よりも嬉しいの桜子に感謝しないといけないわね」
「うん」
「でもねこれは桜子にとって大変な事だったの自分の命を削って与えた物だから下手をしたら死ぬかもしれない危険な業なの・・・」
「危険な業?」
話は続いた。手に力が篭る、唇をかみ締めて吐き捨てる様に
「そう母親の私ですら・・・躊躇った事をあの子はしてくれたの・・・だから千草も感謝しなさい命を粗末にしないでね」温かな胸の中で眠りかけた私の意識が、蘇った。
「お母さんも、霊媒師なの?」
「そうよ、小夜姉さん知ってるわね」
懐かしい名を耳にした、小夜姉さんとは以前何処かのお邸で会った伯母さんの事だと思う。
私が頷くと続けた。
「千一夜家は代々天皇家の護人として仕えて来ました」
「天皇家の護人?」聴き慣れない言葉が耳を突き私は寝そべった状態で母の眼を覗き込んだ。
その眼を真直ぐに見返して頷くと続けた。
「今まで小夜は一人でその役目を務めていた、その小夜が亡くなったのその為に桜子は小夜の義理の娘だから代りに・・・本来なら私が行く筈の場所にあの子はあなたの為に残れと言ってくれたの」
お母さんは外の桜を見ながら何処か遠い眼をしていた。
「初めて会うのに懐かしい気がした、以前に何処かで会った様なそんな気がする子ね」
「都も私と桜子さんは桜姫に似ているって言ってた」
「痛い」お母さんが急に腕に力を込めたので私は痛みを訴えた。
「あっ・・・御免ね今桜姫と言った?」
頷くと「桜子も知っているの」と続けたのでまた頷いた。
「そう」其れは長い沈黙の後の返事だった、桜の花弁が枝を離れ地面に落ちると思われる程の長い時間。
「どう思った?」
「桜姫がかわいそう」
「桜子が千一夜を名乗らない理由は知っている」
私が首を振るとため息を付いてまた遠い目で桜を眺めて居たが其れも長くは続かなかった。
昼の休憩を告げるチャイムがうるさく鳴り響き中断された。
「さて午後に備えてお昼にしましょうね今日のおかず何かな」
と私と眼を合わせて言った後に恐ろしい言葉を加えた。
「千一夜さん寮のトイレ掃除宜しく、午後からでいいから」
「へっ」
「足りないか?」
「いいえ十分です・・・鬼」
お母さんはさっさと食堂に向かった。授業に出るのは明日からの理由はそこに有ったらしい、放課後へとへとで部屋に帰ると都も校舎のトイレ掃除を言い付かったそうだ、最も他にもサボリが居てそのメンバーと一緒だったらしい。
「これからは当番制やめてサボリが掃除にしましょうかだって」
夕日に染まる桜を見詰めため息を付いた。





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Last updated  April 22, 2005 04:15:57 PM
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