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アリアン内の北部、そこには商売で成功した大富豪達の家々が所狭しと並んでいる。そこの一角に一人の追放天使が舞い降りた。
ボビ:「そぉぉぉぉぉい!!」
そう心で叫ぶと同時に左手を腰に、右手を天高く突き上げる。すると両隣にラウドとウィンが現れた。
ラウド:「何回もすまないな、礼を言う。」
うまく着地できずに地面に転がっているウィンは、
ウィン:「ボビ、あとで覚えてろよ!」
ボビ:「ボビではありません、ヴォヴィと発音お願いします。」
二人が会話してる間も警戒しつつ建物の影から辺りを見回していたラウドがボビに聞く。
ラウド:「ボビ、その会議はどこで行われていたんだ?」
ボビがラウドの隣に行き答える、
ボビ:「あそこの一番大きな家で行われていたみたいですが、行きますか??幸い周りには誰もいないみたいですし。」
大富豪達の家の中でも一際大きい、家というより宮殿と言ったほうが当てはまるような建物、その建物の前には門兵が二人いる。
ラウド:「くそ、倒すのは簡単だが騒がれると面倒だな。」
すると、ボビが隠れていた建物の影から出る。
ウィン:「おいおい、大丈夫かよ。」
ボビ:「おまかせ下さい!策がありますから!」
と言うとボビはお構いなしに門兵に近づく、
門兵A:「貴様!さっきのビショップ!さっき言ったとおり今は僧といえども屋敷に入れることはできん!」
ボビ:「いえいえ、今度は布教ではなく門兵さんのお二人に見せたいものが・・・」
ボビが門兵二人に近づき耳元で何かを囁く、
門兵A:「な!なんだって!!そういうことなら通してやろう!!」
ボビ:「連れが二人いるのですがいいですか??」
門兵は顔を見合わせたあと、
門兵B:「いいだろう!いけ!」
ラウド達が驚きながら見ているとボビが手招きをしている。
ラウド:「どうやって門兵の許可を得たんだ?」
ラウドの横でウィンが眉を寄せて言う、
ウィン:「あいつの囁いた言葉の意味、一体なんなんだ?」
驚いた顔でラウドがウィンに聞く、
ラウド:「お前、あいつの声が聞こえたのか?」
ウィン:「あぁ、風が教えてくれるんだよ、たしかボビが言ったのは・・・」
ウィンが言いかけると屋敷内にコールされた、
ボビ:「二人とも何してるんですか!時間は限られてます!行きましょう!」
またこけているウィンの手を持ちながらボビが言う。
周りをみると屋敷の玄関のところにいるみたいだ。前には大きな階段が見える。その階段から一人の大富豪らしき男が降りてきた。
大富豪:「いやいや、これは珍しいお客さんですね。初めまして、私はミゲルといいます。」
次にラウドの怒声が屋敷に響く、
ラウド:「貴様!!貴様があの第二都市条約の手紙を送りつけてきたミゲルか!!罪もない人を何故傷つけた!!」
ミゲルは口を歪ませ、不気味に笑いながら答える。
ミゲル:「本当に、アリアンの者がやったと思ってるのか?」
ミゲルの不気味な笑いに押されつつもラウドは威勢良く答えようとする、
ラウド:「何を言っている!?こちらのしてもいない事をでっちあげられて!どういうつもりだ!何が起きている!?」
笑みを崩さずにミゲルは、
ミゲル:「あ~、アリアンの入り口を守るクロマティーガードの話ですか・・・・・・」
ミゲル:「あなた達がやっていないという事は知っていますよ。」
ラウド:「!!!!」
突然の言葉にラウドは驚きを隠せなかった。
ラウド:「ならなぜ!!戦争は止められるだろう!!」
ミゲル:「戦争を止める?戦争を起こそうとしてやっと起きるのに・・・」
ウィンが剣に手をかけながら言う、
ウィン:「おい、ラウド・・・あいつ、ただの大富豪じゃないぞ。しかも姿は見えないがかなりの数の殺気を感じる、一回退かないか?」
ウィンの言葉が聞こえていないのか、ラウドは一歩前へ出る、
ラウド:「何が望みだ!リンケンか?富か?名声か?」
ミゲル:「・・・・・勇者の丘をご存知ですか??あそこに潜むスターヒール盗賊団、私はそこの頭領です。」
ラウド:「なんだって・・・・」
ラウドの頭が整理される前にミゲルがどんどん喋っていく、
ミゲル:「リンケンのキャラバンを襲ったのも我々、クロマティーガードを殺したのも我々、そして今日の夕刻にクロマティーガードを騙し、リンケンに襲わせるのも我々だ・・・」
ミゲルの高笑いが屋敷に響く、
ミゲル:「ハハハ!!我々スターヒール盗賊団はエリプト時代の王族の生き残り!!貴様らシャンデリに辺境に追いやられ!!水もなく、食べるものもなく!そんな屈辱を受けたことがあるか!?エリプト時代の恨み!晴らさせてもらう!!もうクロマティガードもアリアンを出た頃だろう。もう止められんぞ!!」
ラウドが気力を失ったのか地面に座り込む、
ウィン:「何やってるんだラウド!!時間がない!!急いで戻るぞ!!」
ミゲル:「おや、どうしたんですか?ウィン君、うまくいったじゃないですか。ラウドをここまで連れてきてくれてありがとう。」
ウィン:「はぁ?何を言ってるんだお前?」
ミゲル:「報酬はあとで渡しますよ、それともその感じだとラウドさんに情が移りましたか??」
ラウドが振り返り、うつろな目でウィンを見る、
ラウド:「ウィン、お前も私を騙していたのか?私をリンケンから離れさせるためにここに来たのか・・・?」
力のない声がウィンに問いかけられる、
ウィン:「何を言っているんだ!!しっかりしろよ!!そんなはずはないだろう!!」
するとミゲルがウィンの手の甲を指し言う、
ミゲル:「じゃあその手の甲にある星の紋章はなんですか?れっきとしたスターヒールの紋章じゃないですか。」
ウィンが急いで手を見ると確かに星の紋章があった、
ウィン:「なんだよこれ!!こんなの知らないぞ!!」
ミゲル:「勇者の丘からリンケンに行くまでに記憶がゴチャゴチャになったようですね。それでも任務を遂行するとは、あなたを選んでよかったです。」
たしかにウィンはあの暑さの砂漠で意識が朦朧としてからラウドに出会うまでの記憶は曖昧であるが、確実に古都から冒険をしにきたのは確かだし、スターヒールなんて名前も聞いたこともなかった。しかし、ミゲルの問いかけによって心が動揺した一瞬がダメだった。その一瞬が、心がボロボロになったラウドの信用というものをかき消してしまった。
ラウド:「ボビ・・・タウンポータルはできるか?」
ボビはすぐさま追放天使に変わり、
ボビ:「いけます!」
ボビの前に渦のようなものが現れた、
ウィン:「ラウド・・・・よく考えろ!!ありえないことだろう!!俺は何もしていない!!」
ラウドはスタスタと渦の前に歩いていく、
ラウド:「・・・・・・・・もう誰も信用しない。戦いを止めないと・・・」
そういうとラウドは渦の中に消えていった。それに続いてボビも渦の中に消えていく、そして渦はスーッと小さくなり姿を消した。
ウィン:「きさまぁぁぁぁ!!!」
ウィンが剣を抜きミゲルに襲いかかろうとするとどこに隠れていたのか数十人の忍者のような姿をした者が現れウィンを押さえる。
ミゲル:「フフフ。ここまでうまくいくとはな、ありがとう、どこから来たかは知らない旅人よ。これでリンケンも、過去の栄光も、そして枯れないオアシスに眠る赤い宝石も我々の物だ!!そいつはこの屋敷の地下にでも放り込んでおけ!!」
男達がウィンの剣などを奪い、鎖で巻き、屋敷の奥へと連れて行く、
ウィン:「お前!!なんで俺の名前を知っていた!!いつこの変な紋章を付けた!!くそ・・・」
屋敷の奥へと消えていくウィンの声、全てに裏切られリンケンに戻ったラウドとボビ、戦争は止められず加速していく。
また歴史は繰り返されるのか・・・
続く・・・・・
イヤン♪急展開♪
急展開過ぎてついてけないかもだけど、ボケーっと見ててくださいwちゃんと終わらせますから!まぁかなりまとめるの苦労したんですけどね・・・
あと2~3章で完結です!!お楽しみに!!
(* ^ー゚)ノバイバイ