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maroninsky @ Re[1]:感想『風の歌を聴け』(12/22) Dance in the Skyさんコメントありがとう…
Dance in the Sky @ Re:感想『風の歌を聴け』(12/22) 羊をめぐるの方はTarshaさんも以前読んで…
maroninsky @ Re:決して取り乱さないヒトでぇ~す!(07/05) Dance in the Skyさんコメントありがとう…
maroninsky @ Re:堂々巡りになっちゃうけど(07/05) Dance in the Skyさんコメントありがとう…
maroninsky @ まあ コメントありがとうございます。 大切…

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カテゴリ: 書評、感想
 太宰治著『斜陽』を読んだ。何を今更という感じだが機会があったので手に取った。

 この本を不要図書に出した人はおそらく日本文学の研究者なのだろうか。その本の周辺にはその関連書が多かった。中身は線引きで一杯だった。特に解説の部分に一番線引きがなされていた。
本編部分の線引き箇所は物語の内容で中心といえる部分になされていた。ここからみるに所有者は言語学者ではなく文学者であったと推測される。


 前置きが長くなった。あらすじを記したい。
 流れとしては没落貴族である母子二人が東京で暮らしている。しかし終戦を迎え一家の主が亡くなっていることから生活が立ち行かなくなり、伊豆の方に引っ越す。そこに弟が帰還してくる。その後、母は結核で亡くなり、子、かず子は妄想の恋に終止符を打ち、弟は自殺し、かず子の恋の相手、上原は絶望からくる破滅への茶番劇を続けているところで終了。
 主軸四人の絶望に直面した時の四者四様による対処の仕方を描いた物語。
主人公のかず子は貴族生活からの転落、死にゆく母、何の技術や長所を持たない彼女は現代の社会では生きていけない。そのことの絶望が倫理の破壊(本文中では「革命」といっているが少し大げさすぎる。現代の言葉で置き換えるとこれがふさわしいように思える。)、と恋に向かわせる。一度、酒を酌み交わしただけの関係である弟の友人であり放蕩作家である上原が恋の相手。札付きの悪徳者という部分に惹かれ、頭の中で理想化していく。六年後に出会い、ただの遊び好きであることに気づき、恋が冷める。しかし目的、自分の子が欲しいというのは叶い、最後に上原に手紙を送り、生き続ける。
かず子の母(お母様)は貴婦人であり続ける事を通して最後は病気で亡くなる。

 放蕩作家、上原はとにかく世の中を嫌い、全てを軽蔑し生きる。世の中が嫌いな為に酒を飲んで酔ってないと生きられない。とにかく浴びるほど飲んで放蕩の典型となって死んでゆこうとする。
 以上四人の生き様を描いたもの。


 太宰治氏は悲しい人だ。今回読んでそう感じた。
 今まで『人間失格』や『走れメロス』、『惜別』などの短編を読んだことがある。『人間失格』を読んだのは19の時。いろいろな絶望をしている時にこれを読んだので落ちた。しばらく起き上がれなかったのを覚えている。
 それ以来、彼の作品は敬遠した。落ちたくなかったから。
 しかし、先生に勧められ『惜別』等の短編を読んでみた。そちらでは主に描写に凝っていて、『人間失格』とは作風が全く違った。どちらかというと芸術系の作品であった気がする。
 今までの太宰氏にはこのような印象がある。
 今回、悲しい人、憐れな人と感じた。特にその上原の人物描写は己の生活への痛烈な皮肉であろう。ここまで自分を否定しなくても…という感じがした。
 この時代の絶望はそこまで深刻なものだったのだろうか。現代に生きる自分はなぜ絶望から希望を見出せなかったのだろうかと思う。どうして皆、自棄(やけ)になってしまうのだろうと感じる。
 当時の日本人精神なのだろう。「希望は最後に死ぬものだ」というのを信じている自分にとって奇異に感じる。しかしどうしようもない八方塞の絶望に直面した時こう言い切れるだろうか。まだ見えない。

 そんなことを感じた。





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Last updated  2006/06/30 10:01:22 PM
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