まいど、俺や。41歳無職、滋賀大卒。
この前、姪にランドセル買って、心も財布もスッカラカンになったばっかりやのに――
またもや、奴がやってきた。
開口一番、こう言いよった。
「ねぇ、おじちゃん! 一緒にケーキ食べに行こっ!」
……あの笑顔。
前回のランドセル事件で学習したはずやのに、
また心が“無条件降伏”した。
行き先は、百貨店より高級なスイーツ店
姪のママ(つまり俺の妹)が言うには、
「SNSで人気のとこらしいで〜」とのこと。
“無職の場違いアラーム”がフル発動。
店員さんが「こちら本日のおすすめは季節のモンブランでございます」言うてくれたけど、
値札見て目ん玉飛び出た。
一個 2,200円。
え? これ金粉でも入っとる?
姪、迷わず「それ2つ!」
まるで王侯貴族の発注やった。
隣で妹が「まぁ、今日だけやで〜」って笑ってたけど、
俺の頭の中では「ランドセルのローン残ってるんやぞ!」がリフレインしてた。
でも、もう引き返せん。
あの笑顔は魔法や。
ケーキ登場、もう芸術品やった
銀の皿にちょこんと乗って出てきたモンブラン。
山の形も美しいし、
上には栗のグラッセがきらめいとる。
姪がフォーク入れながら「わ〜、中までクリームや〜!」ってはしゃぐ。
その瞬間、
「まぁ……これくらいの幸せはええか」と思ってもうた。
味?
泣くほどうまかった。
口に入れた瞬間、
「破産の味」やったけどな。
妹のセリフがまた刺さる
「お兄ちゃんも、昔おじいちゃんにアイス買ってもろてたやん?」
あぁ、そうやったな。
あの時も俺、
「もう一個!」言うてねだって、
じいちゃん苦笑いしてたっけ。
……巡るなぁ、人生って。
親父の名言がまた蘇る
防大卒の元鬼軍曹の親父が昔言うてた。
「金は出ていくもんや。けど、笑顔に変わる金はええ金や。」
たぶん、あの人、俺のこういう日を想定してたんかもしれん。
財布のダメージはデカいけど、
姪の笑顔見てたら、ほんまそれやと思った。
帰り道、姪が手をつないで言うた
「おじちゃん、また来ようね!」
うん……また来よう。
(来月のカード引き落とし終わったらな。)
おかんのオチで現実に帰る
家帰ったらおかんが笑いながら、
「アンタ、ケーキより安い昼ごはん食べてるやろ」って言うてきた。
……正論すぎて湯気出た。
まとめ
ランドセルに続いて高級スイーツ。
完全に“姪経済圏”に飲み込まれとる。
けど、まぁええ。
あの子の記憶に「おじちゃんと食べたケーキ」って残るなら、
もうそれで十分元取れてるわ。
人生って、結局そういう“もったいない贅沢”が彩りになるんや。
俳句で締め
甘き香
財布の痛みも
やわらぎぬ
Gショックってええな 2025.10.13
松尾芭蕉の命日に芭蕉を語ってみる 2025.10.12
ワンポンドステーキ食って、スタミナつけ… 2025.10.11