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あの雨の日から約3ヶ月
増築成った「作治さんときくさん」の部屋に真新しい青々とした畳がしかれ、その上にこれまた木の香も芳しい婚礼家具が収められた。
それらの家具は、当時の小作農家には(明治初期)とても手の届かない高価なものであったため、村中の評判となり、
ささやかな祝いの品を持参してはきくさんの婚礼道具を、目を丸くして眺め、
出されたお茶のおかわりを二度も三度も重ねてから帰ってゆく者が大勢いたそうな。
米の収穫を終え、農閑期に入ったせいもあるだろうが、
接客に忙しい作治さん一家に代わって、婚礼家具や真新しい畳を汚されないようにと
マツさんは旧家屋と増築された部屋の境である敷居の脇に座り、来客の誰彼を問わず、部屋の内側には一歩たりとも入れなかった。
それは二人の婚礼をあと一週間後にひかえた頃のことでした。
もうひとつのラスト 更新です 2011.02.06 コメント(4)
小説 「SRY遺伝子」 消えゆくY染色体 2011.01.29
更新のお知らせです。 2011.01.08 コメント(2)