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2012.09.02
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カテゴリ: SF小説

(どうやら、俺の思いは伝わったようだが・・・効き目有り過ぎか・・)

了がそう感じたとき、

「ピンポーン」 (変わる必要性の無いものもある)

天の助けか!? 了は感じ、キッチンの端に早足で向かう。

彼の目はセキュリティセットのビューフレームに注がれている。

カメラは、笑顔の若い女性の姿を映し出している。

彼女の名前は、小川美季(おがわみき)

了と浩次が電話で話していたとき、了がキャッチして話しをしていた

『他の誰でもない、浩次のことだもの問題ないよ』

そう言って了を安心させた、あの女性だ。

実は彼女、了の幼馴染みであり、唯の大親友でもある。

浩次とは、唯と了を通じて知り合った 小学校に上がる以前からの、

3人目の 幼馴染みだ。

「よお、浩次が待ってるよ」

言いながら、了がオートロックを解くと美季は嬉しそうに笑みを浮かべて

開いたドアから、エレベータホールへ足早に抜けて行く。

久しぶりの再会だった。ドアを開け、もどかしそうにスニーカーを脱ぎながら

「浩次、居るのー!」

名前を呼ばれた浩次も嬉しくて

「美季かー!」

「そうだよー!」と彼女が言い終わらないうちに2人はぶつかりそうになって

それから、ごく自然にしっかりとハグする。

そのままで

「久しぶりー!」 と美季が言い

「ほんと久しぶりだねー!」 と浩次

そばで2人がハグしているのを嬉しそうに大きく口を開けて白い歯

を見せて眺めている了。

優しく、美しい言葉、光景・・・それを喜ぶ友、幼馴染みとはいえ

実に眩しいほどの光景が部屋まで明るくしてくれているようだ。

ハグを解いても両手を握り合ったままの2人・・・

了にはわかっている。

(家族を失った美季にとって、唯はこの世で一番大切な大親友だった。その唯を幸せにしてくれた浩次は、美季にしてみれば、俺を好きなこととは全く別の意味で大切な人、そしてそれは浩次にとっても同じようなこと・・・そうだよな2人とも・・・それにしても、泣かせてくれるよな、お前らって・・・)

ようやく落ち着いた2人は、イスに腰掛けながら、了の存在を一時とはいえ忘れていたこと

を思い出し、ふたり同時に

「ごめん!了ちゃん・・・」

「いいって、いいって!お前らがあんまり嬉しそうなんで、俺まで嬉しくなれたんだぜ!

気にする奴があるかよ」

美季は、さも嬉しそうに了を見つめて

「やっぱ、あんたはいい男だよ・・・」

しばらく恋人を見つめていた美季が、ようやく浩次を振り返り、口を開いた。

「で・・出たの結論は?」

浩次は了を見た。すでに浩次の口から美季に、あのことが伝わっている、

そう思っていたから・・・しかし、了は首を振って見せた。

「お前の口から直に聞きたいだろうと思ってな・・・」

そう言いながら美季の肩に手を置く・・・彼女の手がその手に重ねられた。

先に口を開いたのは美季の方だった。

「唯は・・・唯が望むこと・・・そして喜ぶことは・・・浩次が望むことなのよ。それ以外なにも要らない・・・それだけは分かってあげて・・・」

浩次の肩が震えている・・・それでも顔を上げたまま美季を見つめていた。

「それで・・・唯はそれで・・・本当に幸せになれるのかな?」

「決まってる!唯は今でも貴方のことを愛してる。心の底からよ!例え浩次が・・・いつか他の女性と結婚・・・」

「嫌だ!」 浩次は珍しく声を荒げ、立ち上がった!

「俺は何年、何百年経っても!またいつか生まれ変わっても!唯をきっと見つけて、唯だって!・・・」

「唯だって?なに?」

「思い出したよ・・・ずっと前に唯、急に言ったんだ・・・『この次生まれ変わっても、また私浩次のお嫁さんになりたい』・・・嬉しそうに・・・そう言ったんだ・・・」

美季は、浩次の手を握りしめ、崩れるようにしゃがみこみ声をあげて泣き出した。

浩次も抑えきれずに泣きだした。

そんな2人を見下ろす了もまた、涙を拭くことも忘れて立ちつくしている。

(よかったなあ唯・・・お前は、今、幸せなんだろう・・・?」

                                   

       つづく

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最終更新日  2012.09.03 11:42:56
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