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二人の間に流れるただならない空気に
サチとトモミは、しばらく息をすることさえ忘れて立ち尽くしていた
が、しかし
「ちょっと用事を思い出しました!今日はこれで失礼します」
とっさに有りもしない用をつくり伝えてサチはマキに頭を下げた。
なんのことか分からずにサチを見上げるトモミの腕を引っ張り
「いいから行くよ、早く」
そんな彼女の後ろ姿に声がかかる
「すまないな、サチ」
マキにはサチの嘘が有り難かったのだ
ドアの閉まる音がしたのとほぼ同時に佑は
「とにかく座ろうや」
いつになく決め付けた言い回しでそう言った。
ふん、ここはあたしんちだよ そう言いながらも
佑の座るソファに微妙な距離をおいてマキは腰をおろした。
「さっき言ったとおりだ音楽を捨てるつもりはない、けどな
のめり込めないないんだ、今はよ、ちょっとな・・・」
「どうしたって言うんだよ!仕事も決まってない、音もやらないって・・・」
「仕事は直ぐに始める、あては有る、音だってまだ捨てたわけじゃないんだ」
「ああ!わかんねえ!!」
煙草を一本取り出そうとした佑をマキが制止した
「悪いけど、今日は帰ってよ。あたし今、冷静になれない」
佑は煙草を元に戻しポケットにしまい込み立ち上がった
「ああ、そうだな・・・そうするよ」
そう言ってドアへ足を向けマキから離れてゆく、すると
「まさか、あたしまで捨てようってんじゃないだろうね」
さっきまでの勢いを失ったマキの声が背中に弱々しく届き、
佑が振り返る。マキの目は鋭く見えるが
すがるような色も浮かべていた。
「それは、無い」
そんなわけないだろう、と佑は重ねてそう言った。
マキは立ち上がると、ドアに手をかけた佑に追いつき
彼を背中から抱きしめた。
「ビール、切れちゃった」
「へえ、それで俺に買って来いってか?」
「買ってきてくれたら、今夜泊めてあげても・・・いい・・・」
佑はマキの手を解きながら頭を軽く振る
「まったく敵わねぇな、お前には・・・」
ドアを閉める前に苦笑いを浮かべて佑はそう言った。
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Dear昭和 二人だけの国で 2014.07.10 コメント(1)
Dear 昭和 的中以上の展開 2014.06.25 コメント(27)
Dear昭和 話の中身は・・・ 2014.06.19 コメント(14)