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2017.02.04
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カテゴリ: SF小説



新たなパラレルワールドに到着したヨーコと勇一は、空中に投げ出
された。下を向いた勇一が、心の準備を整えてヨーコを見る と、彼
女はすっかり勇一頼みである。何はともあれと勇一にしがみついて
くる。今は喜んでいる場合じゃない。彼はヨーコに必要最低限の指
示を与えることにした。

「下は海だ、息を吸って止めろ!」

何とか無事着水した2人は、今浮上中。温かく見守って下さいね。


ある夏の日に  パーフェクトな移動!

先を争うように海面を目指して上昇する気泡を追って足で水を蹴る
勇一。ほんとは両手も使いたいところだが、ヨーコの腰に手を廻し
てないと彼女が怖がるので仕方ない。

やがてザバッとばかり海面に頭を出し、空いてる手のひらで顔をつ
るりと撫でるのと息を吐いて吸う、これは自然にほぼ同時に行う。
ヨーコはいくらか海水を飲んだようでせき込んでいる。

素早く後ろに回り込み脇の下に両手を入れて支え、立ち泳ぎを止め
ても沈まない体制を整える。こうすれば、怯えた要救助者にしがみ
つかれ救助者が溺れてしまうという悲劇は起きない。

勇一の耳に、異常な声と音が届いた。やっと落ち着いたヨーコにも
聞こえたらしく、勇一を見る。
(案外、近いか・・・)
立ち泳ぎしながら身体を回転させる。
いた!・・溺れてる!

勇一が気付いたのとほぼ同時に、前方から複数の大きな叫び声が沸
き起こった。誰かが海に飛び込んだようだが、どう見ても勇一の方
が近い。

勇一は、待っててと言い終わらないうちにヨーコに背を向け、水を
切るように泳ぎだした。15メートルくらいだろうか、一気に泳ぎつ
ける距離だった。要救助者は白人の男の子だった。まだ小学校低学
年くらいなので余裕だと思ったが、救助訓練で習ったとおり実践し
た。

うまい具合に体勢を確保できたので、後ろ向きに背泳の要領で泳ぎ
始めると足が届く所まで来ていて、思わず溜め息が出た。

「Ethan!Ethan!are you okay?」
(Ethan ← 読みはイーサン)

どうやら彼の父親らしい、勇一からもぎ取るように両手に抱いて息
子の名前を呼び続ける。すると後から追いついた大勢の中の1人が、
ドクターらしく
(白人だな皆・・・ここは外国か?)

「大丈夫だ、心配ない。呼吸も脈も正常だよ」

(以降日本語に自動翻訳、とします)

「ありがとう、ドク!」

「礼を言うなら、そこの日本人に言うべきじゃないか」

父親は、駆けつけてきた男の子の母親らしい女性に息子を預けると
振り返りざま、勇一の手を握りしめながら何度も礼の言葉を繰り返
した。

「それにしても、君たちは一体どこからやって来たんだい?」

ただ困惑するばかりの勇一の前にヨーコが進み出ると流暢な英語で
言ったのである。

「私たち、向こうの海岸で遊んでたら波をかぶって、この際泳いじ
ゃえ!って、そしたらここまで来てしまって。そして子供が溺れそ
うになってるのを彼が見つけたんです・・・」

と、ヨーコは向こうの海岸と勇一を指差して、悪気のない作り話を
でっち上げた。
首をかしげながらも、そこは息子を助けてくれた恩人のことである
母親が助け舟を出してくれた。

「まあ、とにかくシャワーを浴びて、着てるものを乾かしてあげな
いと、そうでしょダーリン、さあ2人とも上がってちょうだい」

その直後、助かった子供と勇一とヨーコは、その場にいた全員の拍
手と賛辞に迎えられた。まるで英雄扱いである。

歓呼に応えながら歩く勇一の手を引いてヨーコが言った。

「ねえ!これってチャーリーが言ってた、『君が誰かを救ったとし
たら』ってことじゃない!?・・・順番が違うけど・・・」

勇一の目が大きく開かれた!









今日の好きな曲は、
Crosby Stills Nash & Young-Woodstock です。
高校生の頃から大好きです。
GREAT TUNES!,thanks for
up!






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最終更新日  2017.02.04 19:49:03
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