しんの株式投資日記
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について粗あらですがコメントを。大体バリュー系の目に引っかからないような会社なので知らない人も多いかと思いますがあおみ建設は20年4月に佐伯建設工業と国土総合建設という上場会社同士の合併によって誕生しました。(存続会社は佐伯建設)ですから合併して一年も経たない内での破綻でした。破綻の直接の原因となったのはニチモというマンデベが破綻したため純資産にほぼ等しいニチモへの債券が回収不能になったためです。このニチモへの債券は旧佐伯建設が保有していたため国土総合建設は合併していなかったならば財務もかなり健全であったため特に問題なく存続しえたであろうと思われます。しかしこの合併はかなりひどかったですね。『週刊東洋経済』に取り上げられていましたが大体当時判明していた純資産ベースで1:16程度が妥当なところが1:8.5という佐伯建設が相当優位な合併比率で合併することになりました。もちろん収益ベースでみればどうよ?という声もあるでしょう。実際DCFをメインに使って合併比率を算出したとなっていましたが過去十年の損益を通算すると赤字になるような会社のDCFなんていったいどうやって算出するのと突っ込みをいれたくなります。さらにひどいのは20年4月1日の合併が成ったあと旧佐伯建設は実はそんなに資産はありませんでしたーという声明を出し本当は大体1:60くらいが純資産の比率としては妥当になるということになったのです。まあほとんど結婚詐欺的な合併だったといえると思います。佐伯建設は劣悪な資産が多かったのですがなぜあれほど不公正な合併比率で国土総合建設を取り込まねば成らなかったのか?それはすでに佐伯建設が2期連続で赤字を出していたからなんですね。これが3期続くと継続企業の前提に疑義がつきます。ところが合併相手の資産を割り負けた形で取り込めば(簡単にいうとこちらの資産をPBR1としたらそれよりも低い比率での株式交換となれば)会計上「負ののれん」が発生して当面その分だけなにもしなくても会計上の利益が発生します。つまり負ののれんを発生させ3期連続の赤字を回避したいためというのが合併の一つの目的だったのだろうと思います。まあそれでも旧佐伯の資産内容が悪すぎてどうしょうもなかったという結果でしたが。こうした「負ののれん」狙いの悪質な合併は最近では保安工業と千歳電気工業の間でもみられました。また法的に「株式買取請求」という公正な価格で株主は株を買い取ってもらうえるという手段がありますが司法村の判断では「上場企業ならばついてる株価は全て正しい」 1:8.5という比率になったのだから資産内容がどうあれその比率でついた株価が正しいに決まってるだろ。ということだそうですから全く株主は保護されません。まあこういった現実を変えたいとは思っていますが。
2009.02.23
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