冷戦時代、日本の仮想敵は旧ソ連だった。ソ連脅威論が叫ばれ、自衛隊も北海道に重点配備された。
いま、自衛隊は西方重視の体制をとり、中国や北朝鮮をにらむ。
ある国を脅威とみなすには、戦争や侵略行為をする意図と能力を持っていること、少なくともそう推定されることが前提条件となる。
二○○五年版の防衛白書は、中国の国防予算の高い伸びや不透明性を指摘している。しかし、それをもって 中国に日本を攻める意図があるとはいえない。北朝鮮も同様だろう 。
脅威論が生み出すのは、対抗するための軍事力の肥大化だ。かつて、米ソ間の核兵器競争を招いた「核抑止論」がそれを証明している。
日本の防衛力増強、日米の軍事一体化を脅威とみて、よろいを固める国だって出てくるだろう。
ここは踏みとどまって考えてみたい。戦火やまぬ世界にあって、対話による外交こそ、平和憲法を掲げる日本のとるべき道であるはずだ。


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