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2007.01.25

女の嫉妬はこわい！★「サムソンとデリラ」

(1)

カテゴリ：独断と偏見に満ちた映画評

セシル・Ｂ・デミル監督
1949年に製作され、オスカー３部門を受賞した「サムソンとデリラ」も、忘れられない名作です！

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この作品は、旧約聖書士師記のエピソードをもとにしたものです。
時は紀元前1000年、唯一神ヤハウエを信仰し、偶像崇拝を忌み嫌うイスラエルのダン族は、偶像を拝むペリシテ人の支配下にあった。
迫害されているダン族の人々から、希望の星とあがめられていたのが、サムソン（ビクター・マチュア）という若者。
彼は神から、ライオンを素手で絞め殺すほどのすごい力を授けられ、
正義感にあふれ、信仰心も深く、そのうえ美男子！
そんなサムソンは、異教徒ペリシテ人の娘・セマダル（アンジェラ・ランズベリー）に恋し、結婚までこぎつける。
ところが、セマダルの妹・デリラ（へディ･ラマール）が、たくましく美しいサムソンに猛烈な恋心を抱いてしまう！
嫉妬に狂うデリラは奸計を練り、サムソンとセマダルの結婚式で、彼に恥をかかせることに成功するが、
サムソンの怒りが発端となって、乱闘騒ぎの果てにセマダルは殺され、屋敷は全焼‥‥！
デリラはサムソンを愛しながらも激しい憎悪を抱き、彼女のすさまじい復讐が始まる‥‥！

モイラはこの作品を観て、まず思ったのは、「嫉妬と独占欲に狂った女はこわい‥‥！」ということです。
だって、目的を果たすためには、一片の愛情もないペリシテ国王（ジョージ・サンダース）をたらしこんで、サムソンの行方を探させ、
彼の立ち寄り先をつきとめるや、そこに天幕を張って、国王からせしめた金銀財宝や妖気漂う美しい調度品で飾り立て、
真鍮のベッドに、ボディライン丸出しのコスチュームで横たわって、彼を待ち受けているんですから‥‥
デリラがさまざまな色仕掛けを試みても、なかなか自分の弱点を教えないサムソンですが、
ある日、とうとう彼女の魅力にくず折れ、告白してしまいます。
「私の力の源は、この一度も剃刀を入れていない長い髪だ‥‥」　
デリラは心中高笑いし、サムソンを眠り薬の入った酒で眠らせ、
彼の髪を刀で切り落とし、ただの男にしてしまいます。
ペリシテの軍隊に捕らえられたサムソンは、両眼までつぶされて、さらし者に‥‥！　

盲目となったサムソンが牢の中で重い臼をひかされ、ペリシテ人たちの見世物にされ、ひどい屈辱を受けてもまだ、神様から心が離れないのには、正直びっくりしました。
否、むしろサムソンは顔を輝かせて言います。「主よ、あなたを今こそ、心の目で見ることができます！」
ヤハウエは目には見えない、手で触ることもできない神。
でも見えないからこそ、心の目で見ることができるんだなあ‥‥モイラはサムソンのこの台詞に、感動してボロボロ泣きましたよ。
偶像は目に見えるし、触れることもできるし、多くの場合、両眼もある。
だけど、その両眼は所詮造りもので、人間を見ることはできません。
この映画の隠れたテーマは、「偶像（カリスマ性のある人間や、お金、名誉も含む）崇拝の愚かさ」なのかもしれないと、モイラは勝手に思っています。

そして、その偶像であるペリシテの神殿は、
ラスト、見世物として引っ張られたサムソンによって、見事に崩されます。
神殿の柱にひびが徐々に入り、柱が折れ、神殿がガラガラと音をたてて崩れる阿鼻叫喚は、それはもう見ものです。
「よくもまあ、ここまで絢爛豪華で大掛かりなセットを作ったものだ‥‥！」
この作品をごらんになった方は、みんなそう感じるでしょうね。

最後に、デリラ役のヘディ･ラマールは、映画史上、初めてカメラの前でオールヌードを披露した女優です。
ナイスバディとは、彼女のような人のことを言うんでしょうね。
モイラは心底うらやましいです‥‥

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