★モイラの名画座★

< 新しい記事

新着記事一覧(全1143件)

過去の記事 >

2007.04.26

若きギャバンが超魅力的！★「望郷」

(2)

カテゴリ：独断と偏見に満ちた映画評

世の中には、「う～む、これぞ名作中の名作！」と、誰もが頷く名画があります。
ちょっと古いですが、1937年のフランス映画「望郷」も、その「名作中の名作」に挙げられるのではないでしょうか。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

【送料無料・営業日15時までのご注文で当日出荷】(新品DVD)望郷名作洋画主演：ジャン・ギャバンミレーユ・バラン監督：ジュリアン・デュヴィヴィエ FRT-171
価格：500円（税込、送料無料) (2022/7/21時点)

楽天で購入

当時フランスの植民地だったアルジェリアの首都アルジェにある、カスバという街。
小高い丘陵に位置したカスバの中は、迷路のように入り組んだ、ある種の要塞。
アラブ人だけでなく、異邦人も多く、東洋と西洋の文明の交差点のような、一種独特の雰囲気をかもし出している。
そのカスバのボスとして君臨しているのが、生まれ故郷のパリでさんざん強盗などの悪事を働いたフランス人のペペ・ル・モコ（ジャン・ギャバン）。
ペペは２年前、パリ警察の手から逃げ、カスバに住みついたのだが、そのきっぷのよさとリーダーシップで、カスバの住民からは英雄のようにあがめられ、
アルジェの警察官がペペを捕らえにカスバに入り込んでも、皆ペペを慕う連中に殺されてしまう有様。
ペペは一歩カスバを出れば、逮捕されることを知っているので、カスバから出るに出られず、アラブ人の情婦イネスのもとで、悶々と暮らしていた。
ペペの心にいつもよぎるのは、生まれ故郷の花の都・パリ。
パリに帰りたい‥‥ペペはいつもそんなかなわぬ願いを胸に抱いていた。
そんな時、偶然カスバに迷い込んだパリの女・ギャビと出会った。
ギャビは金持ちの囲われ者の女で、最新流行のドレスに身を包み、きらびやかな宝石を身につけ、イネスとは大違い。何より、なつかしい故郷パリのかぐわしい匂いが、全身から漂っていた。
恋に落ちたペペはギャビに囁く。「君はメトロ（地下鉄）の匂いがする‥‥」
しかし、ギャビはパトロンとともに、パリに帰らなければならない時がきた。
ペペはギャビ、否、それよりも望郷の想いから、彼女を追ってとうとう出たら刑事が待ち受けているカスバを出てしまう‥‥!!

映画ファンを自称する方々なら、一度はごらんになられた名作中の名作でしょう。
カスバのロケ、素晴らしかったですね。
モイラは中学生の時、父に連れられてこの映画を名画座で観ましたが、
カスバって街の雰囲気に、それはもうあこがれてあこがれて‥‥
「いつか絶対カスバに行くんだ！」と思いましたもの。（残念ながら、まだその夢は実現していません）
でも一番素晴らしい、というか、泣かせるのが、あの超有名なラスト･シーン！
船の汽笛をたくみに使ったうまい演出だなあと、舌を巻きました。
かなり音が悪かった上に、スクリーンにも時々雨が降り、おまけに字幕は旧かな使いでしたが、
素晴らしい映画を見せてくれた父に感謝したものです。
それまでモイラは、まだ当時存命中だった老ギャバンしか知らず、「渋くてかっこいいおじいさん」としか思っていませんでしたが、
若い頃は二枚目でこそないけれど、「すごい演技派俳優だなあ。だから年をとってもいい役者なんだなあ」と、痛感しました。
「望郷」という邦題も、実に的を得ていますね！（原題「ペペ・ル・モコ」）
ひどい邦題が多い中、この「望郷」というのは、「良い邦題ベスト10」に入るでしょうね。

ところで３年前、モイラは病気でひと月ほど入院するはめになったのですが、
その時、入院患者の談話室のテレビで、たまたま「望郷」が放映されたのです。
60代のおじさん、おばさんの患者さんは、みんなテレビに釘付け。
テレビを見ていた患者さんの中に、２０歳そこそこの今風の女の子がいて、
最初は「白黒の映画～？古～い！」なんてバカにしていたけど、
その子、ずーっと映画を見ていて、ラストでは、「ペペ、かわいそう‥‥」と、涙を流してました。
名作映画は世代を選ばないものだと
この「望郷」、ジュリアン・デュヴィヴィエ監督の最高傑作、ギャバン主演映画でも最高傑作だと、モイラは思っております。

★もっとジャン･ギャバン！★