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2007.07.23

大阪城の決闘！★「ゴジラの逆襲」

(8)

カテゴリ：独断と偏見に満ちた映画評

昭和２９年、東京に上陸し、悪行の限りをつくした怪獣ゴジラが、
翌年は大阪、北海道に現れ、再び大暴れ！
読んで字のごとく‥‥ 「ゴジラの逆襲」('55年　東宝）です！

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大阪湾沖。漁業会社の飛行艇のパイロット月岡（小泉博）は、
エンジントラブルで遭難した同僚の小林（千秋実）の救援のため、彼が漂着した無人島へ急行。
すると、突然不気味な咆哮が‥‥振り向くと、
なんと１年前、東京湾で抹殺されたはずのゴジラが！
否、ゴジラだけではない。もう1頭、身体中に針を逆立てた恐ろしい怪獣アンギラスもいて、
２頭は互いに牙をむいて戦っていたのだ‥‥！

50～60年代のゴジラシリーズと言えば、
製作・田中友幸、監督・本多猪四郎、特撮・円谷英二、音楽・伊福部昭、
この四人組が主要メンバーなのですが、
このゴジラ二作目の監督は「透明人間」の小田基義。
音楽はのちに黒澤映画で大活躍の佐藤勝と、
少々趣が異なります。
役者も小泉博、千秋実と、第一作に比べるとやや地味な印象。
クライマックスのゴジラ抹殺も、前作に比べてかなり地味な方法をとっています。
それゆえか、この二作目を「駄作」と言い切る特撮ファンも少なくないようですが、
モイラは、見せるところはしっかり見せている佳作だと信じています。
照明弾でのゴジラ大阪湾沖誘導作戦に成功したかと思ったら、
予期せぬ護送中の囚人の集団脱走による事故で、アウトになるくだり、
そしてなんといっても、ゴジラとアンギラスが、
大阪城で乱闘を繰り広げるシーンは、ダイナミックです！
準主役の千秋実はその抜群の演技力で、主役の小泉博を完全に食っていましたね。

惜しむらくは、せっかく大阪を舞台にしたのだから、
もう少し大阪らしさを出しても良かったのではと思うこと。
大阪弁を（それも少しだけ）話しているのが、通信士の若山セツ子と木匠マユリだけというのは、やっぱりどこか不自然です。
もっとも、ゴジラとアンギラスを目撃した小泉博と千秋実の会話が、
「なんやあれ？ゴジラやないか?!」「ほんまや！なんか別の怪獣もいてるわ！」
「かなわんわ、はよ逃げよ。せやけどゴジラは東京で死んだんちゃうか？」
「アホ！死んでへんからこの大阪に出てきたんやないけ！ごちゃごちゃ言わんと、はよ逃げえや！」
‥‥これじゃなんか吉本喜劇みたいで、迫力ないですね。

★陸の王者ゴジラ！★