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2007.07.27

絶好調丹波節★「ノストラダムスの大予言」('74年　東宝）

(17)

カテゴリ：愛すべき（？）トンデモ映画

こんばんは、映画狂のモイラでございます。
きょうはちょっと趣向を変えて、莫大な製作費をかけたけどコケまくったり、
ありえないほど稚拙、もしくはめちゃくちゃなストーリー展開などで、
「ありえない」ことに慣れているカルト映画マニアからもそっぽを向かれていたり、
さまざまな事情で上映禁止をくらった、もしくはカットされた、
映画史の裏街道のゴミと化した映画を紹介させていただきます。
題して「愛すべき（？）トンデモ映画」！

その第１回を飾る作品は‥‥ 「ノストラダムスの大予言」！

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原作は五島勉のベストセラー。
自然環境破壊が遠からず地球の死滅、人類の滅亡をもたらすという警告を、
ノストラダムスの大予言に絡めて訴えた作品なのですが‥‥
いやもう、やりたい放題の超キワモノ映画でしたね。
突然海を襲い、魚をことごとく死滅させる赤潮。
東京湾に現れる巨大ナメクジ。
猛烈に足が速かったり、跳躍力、計算能力が卓越した子どもの出現。その一方で増える異常児出生率。
地下鉄の構内にびっしりはえた不気味な巨大植物。
世界各地で起こる超異常気象、旱魃、津波、噴火‥‥
そしてついに地球は‥‥！

完全版には、核戦争で壊滅した地球に、放射能に冒された見るも無惨な畸形人間（演じているのは子ども！）が現れたり、
ニューギニアで人喰い人種が暴れたりするシーンがあるのですが、
被爆者の団体などから猛烈な抗議を受け、一般上映ではカット。
忘れられないのは、由美かおるが黒沢年男の子を身ごもったうれしさのあまり、
丘の上（？）で妙ちくりんなダンスをするシーン、
環境汚染で頭がイカれた大臣が木に登って、「どんぐりころころ」を歌うシーン、
暴走族と思しき若者たちが、バイクごと崖から飛び降り自殺をしたり、
毒々しい化粧の人たちが、「南無八幡大菩薩」の幟の筏（？）に乗り、死出の旅を行くシーン。
文語体のノストラダムスの予言を読む岸田今日子のナレーションが、また怖い！
冨田勲のシンセの音楽は、なかなかのものです。

監督・舛田利雄、脚色・八住利雄と書くと、なんかとてつもなく偉そうですが、
主演の丹波哲郎節ばかりが前面に出ている、「稚拙にぶっとんだ」映画でした。
前年の「日本沈没」の大ヒットにあやかろうとしたパニック映画第２弾のつもりだったんでしょうが、
「これはないでしょ～～！」と、苦笑しました。
東宝特撮の秀作に数多く出演している平田昭彦、小泉博の両雄が、学者役で出演しているのがまた、いかにも東宝らしいけど‥‥

モイラは十代の頃、ノストラダムスの予言通り、地球は1999年の７月に死滅すると
なかば本気で信じていました。
「ああ、私は○○歳で死ぬんだなあ‥短い人生だなあ‥」と悲嘆にくれたことも。
今思えば、ばかばかしい限りですが‥‥

「ノストラダムスの大予言」は、残念ながらまだ（永久に？）DVD化されていません。

★トンデモ映画を読む！★