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2007.07.26

「ジュラシック・パーク」もびっくり!?★「怪獣総進撃」

(7)

カテゴリ：独断と偏見に満ちた映画評

国際的大スター・ゴジラをはじめとした怪獣たちが
富士山麓に集合し、地球征服を企む異星人たちとの大バトルを繰り広げる超大作‥‥
と書けば、賢明なる特撮ファンの方々はもうおわかりですね。
'68年、東宝の「怪獣総進撃」です！

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20世紀末、人類は月に宇宙ステーションを建設し、宇宙船で月へ飛び、
小笠原諸島近くの島には、ゴジラをはじめとした怪獣たちが住む怪獣ランドが出来、
かつて人類を脅かした怪獣たちは、人の住む区域に立ち入ることなく、
楽園のような島で静かに暮らしていた。
ところが、怪獣ランドのコントロール･センターに、突然黄色い毒ガスが発生！
野放しになった怪獣たちは、ニューヨーク、パリ、ロンドンなどの世界の主要都市に現れ、暴れだすのだった‥‥！

出だしのニュース映画のようなナレーションに、「あ、これはハズしたかな‥‥」と思いましたが、
謎の毒ガス、世界各地で暴れる怪獣たち、それが地球征服を企むキラアク星人（女、それも美女ばかり）のコントロールによるものだとわかるくだりの構成が面白く、
また、地球を救うために、決死の覚悟をする宇宙パイロットたちの奮闘ぶりが、
かなりシリアスに描かれた力作です。
何より、ゴジラ、ラドン、モスラ（幼虫）、マンダ、バラン、バラゴン、
ゴロザウルス、アンギラス、クモンガ、ミニラ、そして悪の帝王キングギドラと、
日本が世界に誇る特撮大スター総出演というのが、実にオイシイ！
東京モノレールの駅ビルをぶち破ってレールにおどり出るモスラ‥‥
レールを巨大な長い身体でへし折るマンダ‥‥
東京湾岸のビルを次々破壊するゴジラ‥‥見ものでした。
でも一番の見ものは、富士山麓に怪獣たちが結集し、キラアク星人が操るキングギドラを一致団結して撃退し、
キラアク星人の地下要塞を破壊するシーン！
「さて、一番乗りは誰でしょう‥‥あッ、ミニラです！」というTVの実況中継が
ちょっとマヌケでしたがね‥‥
あと、怪獣ランドってネーミングもちょっとねえ‥‥動物園じゃないんだから‥‥
しかし、ゴジラ、ラドン、モスラなどが、互いに争うことなく同居しているあの島は、
まさに怪獣版エデンの園でしたね。

でも不満もあります。
主役の久保明が、小林夕岐子がつけているピアスに、
キラアク星人のリモコンが仕込まれていると察して、ピアスを耳から乱暴にむしりとるシーン。
あれはちょっとやりすぎだし、残酷です。耳から血まで流して、かわいそうに夕岐子さん‥‥
モイラも飼っている鶏に、いきなりピアスを嘴で引っ張られたことありますが、
痛いなんてもんじゃなかったですよ‥‥
それと、大谷博士役の土屋嘉男が、毒ガス攻撃を受ける前と後の顔の表情、
夕岐子さんはかなり表情が変わっていましたが、土屋氏はほとんど変わりなし。
「ガス人間やってたんでしょ？あの水野みたいにイッテる顔になったら?!」と、
言いたくなりましたね。ホテルの窓から飛び降り自殺するのも、あっけなさすぎるし。
それとバランの扱い。もうちょっと活躍させてほしかったです。
彼は仮にも主役を張ったことあるんですよ。キングコングのつけたしみたいなゴロザウルスのほうが、主役級のバランよりも目立っているなんて、どう考えてもおかしい。
他にも欲を言えば、モスラを成虫に変身させてほしかったですね。富士山麓のバトルの前あたりで‥‥

製作・田中友幸、監督・本多猪四郎、特撮監修・円谷英二。
書き忘れましたが、宇宙船ムーンライトSY３のデザイン、かっこいいです。
沢村いき雄、佐田豊などの黒澤映画の脇役も、渋い演技をしています。
ゴジラ映画に欠かせない伊福部昭の音楽も勇壮果敢！

★GO,GO,ゴジラ！★