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2007.08.20

数奇な運命★「フォレスト・ガンプ　一期一会」

(4)

カテゴリ：独断と偏見に満ちた映画評

いろんなエピソードが次々出てきて、先が全く読めない映画というのがありますが、
この作品などは、その典型のような気がします。

フォレスト・ガンプ一期一会【PHNB-103519】=＞22%OFF!フォレスト・ガンプ一期一会

「バック・トゥ・ザ・フューチャー」「キャスト・アウェイ」のロバート・ゼメキス監督、'94年の作品。

フォレスト・ガンプ（トム・ハンクス）は、知能が人並みよりやや劣る少年だったが、
母（サリー・フィールド）には健常児として扱われ、あふれるばかりの愛情を注がれ、
唯一の幼な友だちジェニー（ロビン・ライト）を、心の底から慕った。
そんなフォレストは高校生の時、駿足を買われてフットボール選手として大学に進学。
のちに軍隊に誘われ、べトナムの激戦地で死線を越え、米大統領から勲章を授かったり、
ホワイト・ハウスの近くで開かれていた反戦集会で、いつのまにかスピーチさせられたり、
戦争の怪我の治療中、病院で卓球を覚え、中国で開かれた卓球世界選手権大会に出場したり、
死んだ戦友ババ（ミケル・Ｔ・ウイリアムソン）の遺志を継いでエビで大儲けをし、大金持ちになったり‥‥
しかしフォレストにとって、勲章や栄誉、富など二の次。彼の心の中には、いつも幼なじみのジェニーの姿が‥‥

本当に先の読めない映画でした。良い意味でね。
上映時間が140分あまりと、少々長いのが気になりましたが、
「フォレストが次にどうなるんだろう、何をするんだろう‥‥？」と、
スクリーンから一時たりとも目を離せませんでしたね。
合成による、故ケネディ大統領やジョン・レノンとフォレストの「夢の共演」も
ほほえましいものでした。
ベトナム戦争、反戦運動、ヒッピー、麻薬と、70年代初頭のアメリカの風俗が丹念に描かれ、
エルビス・プレスリー、ボブ・ディラン、ドアーズなどの名曲が次々流れるのが、また良かった‥‥

知能の低い人間が、ふとしたことで有名人になり、社会的成功をおさめるけれども、
それよりもっと賞賛に値するのは、彼の無垢な心‥‥
というストーリー展開は、ハル・アシュビー監督、ピーター・セラーズ主演の「チャンス」に少し似ていますが、
こちらはあまり社会風刺的なところはなく、フォレストという男の人生を
どちらかというと淡々と描いています。
「見ろ、障害者っていうのはこんなにも純粋無垢なんだぞ！」と、うるさく主張するわけでもなく、
お涙ちょうだい的なクサい演出もまったくなく、淡々と‥‥でもそれがいいのです。
性的虐待犠牲者で転落の女ジェニーは、少々ステレオタイプで、モイラはあまり買いませんが、
ダン小隊長、ババといった脇役が光っていました。
母親役で、２度オスカーを受賞したサリー･フィールドは、もう言わずもがな。
非常に円熟した名演技を見せてくれましたね。

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