死神博士は元二枚目俳優★天本英世

2007.12.27

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「この人は昔、二枚目俳優だったのよ」
子どものころ、「仮面ライダー」の放映中、傍らの今はなき母がそう呟いた時、
モイラは絶対嘘だと思い、鼻で笑いました。
「こんな白髪の不気味な死神博士が、二枚目俳優だったわけないじゃん‥‥」
ところが、それから十年後、高峰秀子主演の「二十四の瞳」を名画座で観た時、
高峰秀子扮する女先生のだんなさん役を見て、あっと驚きました。
なんと、あの死神博士‥‥ 天本英世氏だったからです！
「うわ‥‥ママの言った通りだ。ほんとに二枚目だ！」

「仮面ライダー」（２号）が大当たりし、
「天本英世＝死神博士」
今の40代の人々の頭にはあるようですね。
なるほど、確かにあの扮装、あのしわがれ声、あの長身（180cm）、そして、あの贅肉を全く欠いたような容貌は、
地獄からの使者・悪の帝王・死神博士にぴったりでした。
しかし、天本さん、東宝特撮映画でもずいぶんと活躍されてるんですよねえ。
出番は少ないけど、「三大怪獣　史上最大の決戦」では、
サルノ王女（若林映子）のじいや役、
「妖星ゴラス」では、キャバレーの酔っ払いの客役（妙に不気味でした）、
そしてかなり印象に残っているのは、「海底軍艦」のムウ帝国長老役！
天本さん、この頃まだ長老を演じるほどの年でもなかったはずなのに、
みょーに老け役が上手です。

きわめつけは、「マタンゴ」のキノコ怪獣役！
もう見ていて、ガクブルものでした。
でも大人になってから観ると、この怪獣よりも、登場する人間たちのほうが、
エゴと欲望丸出しで、はるかにこわいです。

旧制七高から東大法科へ進んだ大インテリ。
テレビバラエティ「平成教育委員会」では、そのインテリぶりを十二分に発揮していましたね。（算数の出来は今ひとつだったけど）
スペインが大好きで、スペインの詩の朗読もやっていました。
クリーニング店の二階に間借りしてて、77歳でなくなるまで、電話も持たなかったそうですね。

ちなみに、このモイラもあまり電話は好きではありません。
ネットショップを始めてから、悪戯電話が毎日かかってくるし、
（悪戯メールも毎日３０通以上）
携帯電話も本当は持ちたくないのですが、商売をしている以上、しょうがなく持っています。