★モイラの名画座★

< 新しい記事

新着記事一覧(全1143件)

過去の記事 >

2007.12.28

恐るべし、石井輝男！!★「江戸川乱歩全集　恐怖奇形人間」

(7)

カテゴリ：愛すべき（？）トンデモ映画

こんばんは、映画狂のモイラでございます。
カルト映画ファンの皆さま、お待たせしました！
今夜の映画は、正統派映画ファンからは蛇蝎のごとく嫌われ、
良識派と呼ばれる評論家からは、エロ・グロ・ナンセンス・ゲテモノ映画呼ばわりされている（まあ実際そうだけど）
「江戸川乱歩全集　恐怖奇形人間」（'69年　東映）でございます！

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

江戸川乱歩全集恐怖奇形人間【DVD】
価格：4,170円（税込、送料無料) (2023/7/29時点)

楽天で購入

この映画のキ○○イ度、アブノーマル度は、もうハンパじゃありません！
当時の日本映画界の二枚目役者（吉田輝雄、近藤正臣）、名優（小池朝雄）、怪優（高英男、由利徹、大泉滉、大木実）、
加えてお色気女優（片山由美子、三笠れい子、賀川雪絵、葵三津子）が一同に会して、
とてつもないグロテスクなメイクをほどこして、キ○○イ演技ぶりを披露し、
怪奇小説の第一人者・江戸川乱歩の「人間椅子」「パノラマ島奇談」「屋根裏の散歩者」のエピソードを無理やり詰め込み、
カルトの帝王石井輝男監督が、
「これでもか！」といったグロさ満点のアブノーマル、キ○○イ演出を繰り広げているのです。

ファースト･シーンからして狂気の匂いプンプン。
精神病院で始まるのですが、女性患者たちはほとんど全裸で狂乱、絶叫（フンドシ姿の女の人もいましたね）。
そこから、我等が主人公・狂人と間違えられて入院中の吉田輝雄くんが脱走し、
死んだばかりの地方の資産家の若主人と顔がそっくりだという理由だけで、
そいつになりかわって、邸に侵入。
そこにいるのが、色っぽい妻・小畑通子、親戚の女・賀川雪絵、下男の大木実、執事の小池朝雄（実は女装趣味あり）たち‥‥
おまけに邸内では、グロいメイクをした男（沢彰謙）が、無意味に走り回っているというシュールさ‥‥

手に水かきのある資産家当主（若主人の父）、それを嫌って間男する当主の妻（葵三津子）。
それが当主にバレて、二人は無人島に幽閉されるのですが、
死んだ間男の腐った死体に群がる蟹を、生きるためとはいえ、手づかみでむさぼり食う葵三津子の姿は、
身震いするほど不気味でした。しばらく蟹が食べられなくなったもん。
近藤正臣もかわいそうでしたね。
当時は天下のアイドル俳優だったのに、
醜悪なメイクをほどこされた上に、美少女とつながったシャム双生児にされて。

モイラもカルト映画と呼ばれる作品は、いろいろ観てきたつもりですが、
ここまでキ○○イ度の高い映画は、初めてでした。
しかし、シナリオの構成はきちんとしているので、
映画的完成度は結構高いほうだと思います。

ただ、問題は好みですねえ‥‥
ま～ず一般ウケしない内容ですから‥‥
カルト映画といっても、「殺しの烙印」みたいな、いわゆる「正統派カルト映画」とは違いますからね。
自他ともに映画ファンと呼ばれる方々でも、この作品観ている人そのものが、
かなり少数派だと思いますよ。
（このモイラも大学の映画学科に進むまでは、題名すら知りませんでした。）

江戸川乱歩の世界