★モイラの名画座★

< 新しい記事

新着記事一覧(全1143件)

過去の記事 >

2008.01.04

美しや、雷蔵様‥‥★「眠狂四郎殺法帖」

(6)

カテゴリ：独断と偏見に満ちた映画評

日本映画界不出世のスター市川雷蔵 ‥‥

その雷蔵の当たり役といえば、多くの人がこう答えるでしょう。
眠狂四郎!!

その当たり役、「眠狂四郎シリーズ」第１作がこれ！

市川雷蔵／眠狂四郎　殺法帖

原作は柴田練三郎の人気剣豪小説。
主人公の無頼な浪人・眠狂四郎は、はっとするほど美しいが、
人々から「異形」と呼ばれる面差し。
実は彼は、転びバテレン（神父）と武家の娘との間に生まれた混血児。
西洋人は「異人」と呼ばれ、化物扱いされていた封建時代、
暗い宿命を背負って生きる他なかった‥‥

長じて剣の達人となった狂四郎（雷蔵）。
彼が行く道筋の後ろは、彼が斬った者の屍の山。
その晩も、狂四郎は伊賀者たちに囲まれ、彼らを次々剣で倒すが、
加賀百万石・前田藩の女間者・千佐（中村玉緒）が彼に近づき、
明国の少林寺拳法の達人・陳孫（若山富三郎・この時の芸名は城健三郎）と一騎打ちする羽目になったり、
前田藩主に命を狙われたり‥‥

モイラの頭には、「眠狂四郎＝市川雷蔵」という公式が
しっかりインプットされてますね。
狂四郎の冷たくも美しい面差しから匂い立つ色気とエロティシズム‥‥
これはもう、雷蔵様にしか出せません！
はまりすぎるほどはまったキャスティングです！
'50年代後半に、鶴田浩二の「眠狂四郎」シリーズがあったそうですが（モイラはまだ観ていません）
妖艶さでは、雷蔵様にははるかに及ばなかったそうです（当たり前か）。
雷蔵様の天性の美貌と演技力、歌舞伎で鍛えた所作の美しさが、
狂四郎という際立ってユニークなキャラクターを、演じきっているのです。
男性でも言いますものね。
「雷蔵の狂四郎は、すごい色気を感じる‥‥」と。

監督は「座頭市シリーズ」の田中徳三。
脚本もこれまた「座頭市シリーズ」の星川清司。

若い映画ファンの方も必見です！

お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう