★モイラの名画座★

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2024.02.02

ブラック・コメディの最高傑作！★「チャップリンの殺人狂時代」（1947年　米国）

カテゴリ：独断と偏見に満ちた映画評

こんばんは、映画狂のモイラでございます。

今宵お届けする名画は、天才喜劇役者にして天才監督のチャールズ・チャップリンの問題作

「殺人狂時代」

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フランスのあちこちで、富豪の婦人が多額の預金を引き出した直後に
行方不明になるという事件が起こっていた。
調べにあたった警察は、犯人をアンリ・ヴェルドゥ（チャールズ・チャップリン）という
リストラされた元銀行員だと睨んだ。
ヴェルドゥは富豪の中高年婦人たちに近づき、「取付け騒ぎが起こる」などと言って
多額の預金を解約させたのちに、毒などで殺害し、
奪った金を株に投資して、車椅子の妻と幼い男の子を養っていた。
ある晩、そぼ降る雨の中、ヴェルドゥは刑務所から出たばかりの身寄りのない若い娘と出会い、
新しく手に入れた毒薬の効果を試すために、ワインにその毒を入れて彼女に飲ませようとするが……

チャップリンは言わずと知れた喜劇王ですが、
この作品は喜劇色が少なく、彼は喜劇とはほど遠い結婚詐欺師＆殺人鬼を演じています。
モイラがこの作品を初めて観たのが小６の時、映画人だった亡父に連れられて観たのですが、
（この時、「この映画は世界の映画史に残る名作だから、絶対観て損はないよ」と、父は繰り返していました）
それまで抱いていたチャップリンのイメージ
いわゆるシルクハットにステッキにドタ靴姿の浮浪者（モイラはこのイメージのチャップリンが大好きでした！）とはまるで違うので、
ちょっとがっかりしたものです。

だけど、大学生になってから名画座で再度この作品を観て、大きな感銘を受けましたね。
特に感銘を受けたのが、かの有名なチャップリンのこの台詞です。

"Wars,conflict-it's all business.One murder makes a
villain;milllions a hero.Numbers sanctify."

「戦争や紛争、これはすべてビジネスだ。1人殺せば犯罪者だが、100万人を殺せば英雄だ。数が（殺人を）神聖化する」

「うむむ……すごい台詞だ。チャップリンはやっぱり大天才だ……」と、
モイラ、名画座で思わず唸ってしまいましたよ。
戦争を「正義のため」と正当化する、時には美化する為政者どもに対する痛烈な皮肉です。
ブラック・コメディの最高傑作と言えるでしょうね！
だけど、この作品がきっかけとなって、チャップリンはのちに赤狩りによってアメリカから追放されるんですよね。

では、今宵はこのあたりで……おやすみなさい。

★もっとチャップリン！★