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前ローマ教皇の崩御に伴って行われたコンクラーベの進行と、同時期上映となった話題絶頂の映画「教皇選挙 (原題CONCLAVE)」を観た。
素晴らしい作品で、観て数日たった今も、まだ、その余韻に浸っている。
内容は、よく目にする、聖域内での権力争い、内部暴露ドラマだけとは言えないものだった。それらが描かれていて、ストーリー展開の縦糸になっているのは確か。しかし、私は、この映画の主題は、もっと別のところにあると思った。
この映画には、教会内だけでなく、現代の我々が抱える、あるいは直面しているトピックが緻密に組み込まれている。
そうした多くの問いかけとなるトピックが、最後の瞬間に、収斂されるのである。
私はそれにほんとうに驚愕もしたのだが、納得もした。
そして、そのメッセージに希望を感じた。
この映画は、内容も非常に深く、テーマも、精緻に散りばめられた伏線をもつプロットも、構成も、背景も、音楽も、衣装も、高い象徴性も、人間の性向を代表するキャラクターたちの構成も、演技も(主人公ローレンスを演じたのは「イングリッシュ・ペイシェント」を演じたレイフ・ファインズ)、みごと!と思った。
アカデミー賞を最後まで争った作品であったことに、納得がいった。
この映画は、観た者に、いろいろな解釈を求める作品で、それが、私がいまだに余韻に浸っている理由でもある。私の場合は特に、教皇の名前に込められた意味を、いまだに考えている。
主人公ローレンスは、もし自分が教皇になったら、教皇名として「ヨハネ」を選ぶと言い、新教皇になった人は「イノケンティウス」(英語名「イノセント」)を選ぶと言った。
この二人が、なぜこの名を選んだのか、この名は何を体現するのか、この名のもとに、何を目指そうとしたのか?を、観終わった後からもずっと考えている。
この映画を観た方からの、コメントをお願いしたい。
教皇名だけでなく、多くの象徴や、象徴的シーンや、エピソードに満ちていて、私は気になってたまらない。やはり、原作を読んでみることにした。
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