父とアゲハ蝶 南風一
小学校低学年の
まだアゲハ蝶が珍しい年頃だった
父と田んぼに出ていると
ふらふらとアゲハ蝶が飛んできた
父の周りをアゲハ蝶が舞っていても
父は全く頓着しない
なぜ父は珍しいアゲハを捕まえないのだろう?
私は不思議に思ったものだった
私がアゲハ蝶を追っかけ始めると
アゲハ蝶はジグザグに飛んで
逃げてしまった
私が大人になって
庭で車を拭いていると
アゲハ蝶がふらふら飛んでくることがある
アゲハ蝶は逃げることなく私の眼前を舞っている
私は父がアゲハ蝶に無頓着だった理由がようやく分かった
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