南風一の世界

南風一の世界

2019/03/17
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カテゴリ:

    恐怖感    南風一

仕事帰りの夜
少し坂道になった交差点がある
自転車のスピードを上げて
その交差点を過ぎるとき
後は 勢いに任せて自転車が走るに任せる

そんなときに決まって頭の中を過ぎる光景
小学生のとき今から思えばそれほど急な坂ではなかったと思うが
とにかく山の斜面の道を姉の漕ぐ自転車の後ろに乗ったのが
いけなかった

私は荷台にただ乗っているだけに過ぎないのに
スピードだけはやたらに出ているように感じる
私は怖くて「止めて」と叫んで
荷台から飛び降りようとした

自転車はバランスを崩して
横転した
姉も私も勢い余って
吹っ飛んだ

二人は顔や膝や手を嫌というほど地面に擦りつけられて
血だらけになった
それから後は家路の遠かったことと
自宅に帰って母からしかられたことを憶えている

姉の自転車の荷台に乗ったまま
横着に山道を下ろうとした私の考えが浅はかだった
荷台に乗っているときに感じるスピード感にまで考えが及ばなかった

スピードを出して
交差点を駆け抜けるとき
今でも決まって「もしここで転んだら痛いだろうな」という恐怖感に襲われる

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Last updated  2019/03/17 04:20:22 PM
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