かえりみち

かえりみち

二日目


流氷
北出羽の国から 2005・厳冬
~流氷の街、オホーツクを訪ねた二日目~

北出羽の国から・初日 に戻る。

★いざ、北の大地へ
隣の乗客は酒をかっくらっていた。
まったく。人の迷惑も考えろっていうーの。
そのおかげで全然寝付けなかった。
津軽半島の北端、蟹田のあたりで目がさめた。
隣の奴は、起きていてなんか作業をしていた。
夜行の車窓から眺める陸奥湾は真っ暗だった。
何本かのトンネルを通過して青白い光が等間隔で眼に入ってきた。

「青函トンネルだ・・・・・」

世界一の海底トンネル、本州と北海道を繋ぐこのトンネル。
なぜかしら、私は眠りについた。

次に目覚めたのは木古内駅についたときだ。
これが北海道か。全然、実感が涌かない。
うつろな状態で七飯浜駅あたりについたとき、アナウンスが流れた。

「次は函館です・・・」

深夜だというのに容赦なく流れるアナウンス。
B寝台だけは放送を止めているらしいが。
指定席車にはほんと流れてくる。
乗客が一斉におきだした。まだ日付が変わっていない。
しかも、ここには数十分の停車。機関車交換とかである。
となりの酔っ払いは爆睡している。
いい迷惑だ。異様な酒の臭いを放ち。

★札幌
踏んだり、けったり、寝たり、起きたりしながら、
車両は6時30分、北海道最大の都市「札幌」に到着した。
この日の気温は氷点下9度。
ホームに下りると、体験したことのない世界が広がっていた。
言葉では言い表せない寒さ。北海道独特というのか。

テレビ塔
↑テレビ塔(北海道札幌市)

とりあえず、早朝の街に繰り出してみた。
広い道路が碁盤の目状に存在している。
大きいな。都会だな。さすが人口180万・・・。
なんてことを考えながらセブンイレブンに入った。
セブンイレブンでミネラルウォーターと歯ブラシを購入。

★石北本線にて
早速、駅に帰ってきて、歯を磨いた。
朝飯の駅弁「さくらます押し寿司」を購入して、
次に乗る列車、
7時24分発、網走行き特別急行「オホーツク1号」に乗車した。
私の切符は「北海道フリー切符グリーン車用」なので、
グリーン車乗り放題である。w

「おおっ、これが北海道のグリーン車か・・・」
快適だのぉ。年寄りくさいな・・・。w

隣には、男性が座った。
函館本線を下り、何処までも真っ直ぐな轍を走る。
さくらます押し寿司は富山のますのすしに似ていた。
味はよかったが、値段が微妙。w

列車は旭川を過ぎて、上川盆地に入った。右手に大雪の山々。

石北路
↑一面の銀世界(北海道上川町)

まさに「石北本線」だ。(石狩と北見国境)
上川、白滝を過ぎて遠軽に到着。
ここではスイチバックである。私は席を変える気はなかったが、
周りがそのような雰囲気だったので、変えました。

ここで初めて、隣の男性が、
「読むか?」
といってスポーツ新聞をくれました。
ありがたや。ありがたや。

その男性は北見で降りていきました。
北見到着11時55分。

北見市街
↑北見です・・・(北海道北見市)

さすが北網地域最大の都市といったところか・・・。
女満別の駅を過ぎると、車窓左手に「網走湖」が見えてきた。
ワカサギ釣りの客で満員だ。

★網走からオホーツクへ
網走に到着したの12時45分。
人が山のようにいた。ワカサギ釣りからの帰りの客。
流氷を観にいく観光客。
頭が痛くなるような人、人、人である。

とりあえず、ズワイガニを自宅に送り、食事に入った。
駅のうどんを食したが、非常につゆがしょっぱい。
でも、寒さが影響して全然問題なかった。

釧網本線で北浜駅に。
「なんだここ。網走よりも人が多い・・・・」
列車の客だけでなくバスの観光客。
山のよう。ほんと不快だ。

オホーツク海
↑北浜駅から能取岬を眺めて(北海道網走市)

その後、観光列車、ノロッコ号で知床斜里へ。

知床斜里駅
↑知床斜里駅(北海道斜里町)

ここで「流氷飴」を買った。
観光客の大半はウトロ、羅臼の方に向かっていたようだ。
私は緑行きの普通列車で緑へ。

斜里岳
↑車窓から斜里岳(北海道清里町)

乗客はほとんどいない。その客も清里町で降りて、
緑で降りたのは私を含め二人であった。
私は「緑の湯」という温泉に向かって歩いた。

250円の入浴料を支払って、男湯に入ったところで重大なことに気付いた。

「ボストンバックがない!!!!」

列車に置き忘れてしまっていた。
頭の中が真っ白になりながら急いで、駅に戻った。
幸運にも列車はまだ止まっていた。

いざ、列車に入ると
運転手さんが、
「乗るんじゃないの?」と。
「すみません荷物置き忘れていました。」
「あ、そーなの。乗るんだと思っていた」と苦笑い。
私が荷物を持って列車を降りると、すぐに網走に回送されていった。

どうやら、運転手さんは私が荷物を置き忘れたのではなく、
また戻ってくると思い込み、
私が戻ってくるのを待っててくれたのでした。
列車のダイヤを遅らして・・・・・。

荷物置き忘れた・・・
↑荷物を置き忘れた網走発緑。(緑駅内にて)

「すみませんでした。ほんとにありがとうございました。」

この場を借りて謝罪します。
このようなことは北海道でないとできませんよ。w
3時間に一本くらいしか列車がこないというから。
ほんとに申しわけなかったです。

気を取り直して、温泉に浸かる。
いい風呂だと実感。少なくとも人生の中でもベスト5に入る名湯だろう。
休憩室で無駄に1時間30分も休憩。(列車がきませんから)

外に出ると真っ暗だった。星が美しい。
なんて綺麗なんだろうか。一生忘れないぜよ。この清里町緑。

緑駅の周囲は名前の通り、深い緑に包まれている。
ホームを降り、列車のこない線路に立つと、
素晴らしくいい気持ちになれる。何処までも何処までも轍が続く。

緑駅
↑何処までも続く釧網本線(北海道清里町緑駅)

列車が到着。乗車。
釧網本線の沿線。
川湯温泉。摩周。標茶。各駅停車を繰り返し道東の轍を走る。
夜行性の鹿が飛び出し、徐行を繰り返す。

釧路川を渡って、釧路に到着。
緑を出発してから2時間以上かかっていた。

釧路駅
↑やっと到着(釧路駅内にて)

「さいはての駅に降り立ち・・・・」(石川啄木の句)
釧路。町としては秋田に似ている。
路面に雪はない。沢山の魚介類。ろばた焼き。釧路ラーメン。
なんといい町なのだ。でも21時を周っていたから・・・
街には繰り出さず、駅で23時までいることにした。

釧路駅前
↑動輪(釧路駅前)

まず、釧路駅のミスドで軽食を済ませた。

ガンバレ
↑自分にぴったりのフレーズ。(釧路駅内にて)

23時30分発、札幌行き夜行、まりもに乗車。
一路、根室本線を上ることにした・・・・。

北出羽の国から・三日目 に続く。










© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: