今日の那須は、昨日とはうってかわって冷たい雨の一日でした。
寒暖の差が大きいのが今冬の特徴ともいえますが、暖の方が主体で、雪も積もらず、寒さも零下10度の日はありませんでした。
さて、変なお話続きです。
美奈子さんと一郎君の夫婦、美奈子さんが、本人よりも家族に問題大ありの一郎君とずっと付き合っていられたのは、子供と猫のお陰でもありました。
結婚してしまったらセックスへの情熱を失った美奈子さんでしたが、子供は欲しいと思いましたから、そのために一郎君にセックスを要求したのです。
結果、結婚 1 周年、 3 周年、 5 周年の結婚記念日は、長男、長女、次女の出産で山形の実家と病院で迎えることになりました。
子供ができると、夫婦関係よりも親子関係の比重が高まります。
ですから、美奈子さんは、一郎君のサヴァン症候群の問題点や、義母の高子さんの非常識を気にしている余裕がなくなり、彼に協力してもらって子育てにまい進するしかなかったのです。
その点一郎君は、世間一般の夫と違って、子育てには大変協力的でしたし、子供たちにとっては、厳しい父親ではありましたが、よい教師にもなりましたから、美奈子さんは、理解ある夫に恵まれて幸せと感じていられたのです。
仕事の面でも、一郎君は一風変わっていましたが、とにかく要領が良く、新人の時に当時の上司が彼に自分なら1か月ぐらいかかるかなと思った仕事を命じて、何時までにできるかと聞いたのです。
すると彼、「1週間、外周りが無ければ3日です。」と答え、本当に3日で仕上げて来たのです。
京大農学部卒のキャリアの割には変わった仕事をさせても、何でも面白がって取り組み、どの部署でも、 3
年で一番古株であるかのような知識人になっていました。
当時の彼の記憶力は超人的で、まず過去3年ぐらいの事業の報告を読んで全て記憶しただけでなく、会議の事務局で議事録を作成する際や、講演録を作成する際などは、 2 時間ぐらいの長さなら、全て記憶して作成することができたので、テープレコーダーや IC レコーダーの録音は、補助的に使うだけでした。
ところが不思議なのはその記憶力、人名と顔に対しては働かなかったことです。
ですから、先方は、何を質問してもすらすらと答えることができる彼が印象に残って、名前とともにその顔も覚えるのですが、彼は全く覚えられないのです。
彼は、自分のことを知っていると思われる人が現れるたびに、困っていました。
野良猫から生まれた白でオッドアイの猫を飼うことになったからです。その猫ミントが美奈子さんの足元でニャーと鳴いている映像、それこそが彼が幻視して映像だったのです。
美奈子さんに関係するサヴァンの幻視、一つはこれで完全に実現したわけです。
続く。
画像は、我が家の出す餌にたかっているメジロ、ヒヨドリ、シジュウカラ、スズメです。



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