未知之国・夢紀行３

３４４　　　今年の漢字が「絆」と決まったようだ。丁度、昨日仲間と今年の漢字は何になるんだろう～？と話していた。やはり今年は震災の話で一年を暮らしたようなものだから震災の二文字から、一つ出るんじゃないかな～とも話していたが、思い返せば阪神淡路大震災の時に「震」が使われたように思っていた。あの時にはオウム真理教のサリン事件なんかもあった。

今回、下娘の婚儀についての申し合わせが終了した事で、ようやく人心地着いた。新たな絆の一つが生まれた事になる。今回の大震災で日本人が日本人として被災した方々を少しでも役立てて欲しい～と多くの絆が生まれた。以前から書いているように、この小さな島国に暮らす私たちである。他者を思いやる気持ちで生きてきた単一国家国民、民族である。思いやり、支え合い、地域集合体と小さな集団を形成してきた。その小さな最小単位の社会こそが支え合う事を重要視してきたのである。セクト主義と呼べばそうかもしれないが、少なくとも犯罪のない社会であった。

それが終戦後の社会は、合理化、欧米化個人主義が押し付けられ、まるでそれが美徳とされるような教育が施された。結果、今の社会のように仲間が仲間を殺したり、平気で隣人と諍い（いさかい）の末、殺したりしている。自分さえ良ければそれでいい～という風潮が罷り通っている。

日本人は昔から他者を思いやる民族であった。他者が傷つく事を恐れ、言葉の端々すら選んで話していた。今回の「絆」で改めて思い知らされたのである。単純に震災を国民が等しく思いやりによって、作られた絆ではない。人が人として様々な境遇を認知した絆なのだ。人が人として生きている事を再認識した絆なのである。勿論、なでしこジャパンの快挙も絆の理由に挙げられているけど、国民が一丸となって応援していたものね。

毎年、漢字の日に日本漢字能力検定協会が主催しているけど、その協会の不祥事も最近の話しだ。所得隠しだったっけ？人が人として裏切る行為は断じて許すべきではない。裏切りに対しては報復の字が似合いである。人が人として信頼し合うからこそ日本人の良さと呼べるのだ。