ブラジル・ボンド・ファンドやアセアン株式ファンドなど、投資信託といえば海外の債券や株式に投資するファンドのことと思うほど、投資信託の海外投資が増加している。
投資信託協会のデータによれば、8月末の投信純資産に占める外貨建て資産の比率は45%と、ファンド財産の半分近くが外国証券に投資されている。とりわけ債券運用では、外国債券への投資が87%にも達している。
投資信託の外国投資比率を主要国で比較してみると、日本の45%に対しドイツは59%、英国は42%、米国13%程度と推察される。この数字から見ると日本の投信の外国投資運用は欧米先進国並みあるいはそれ以上に高く、国際分散投資が定着しているといえるだろう。
しかし、そうした国際分散投資の大部分は、外資系の投信会社あるいは外国のファンドを通じて行われており、日本の投信会社による運用の国際化が進展しているとは言い難い。
実際、純資産ランキング上位20の外国投資ファンドの運用についてみると、20本中12本は、外資系の投信会社によって運用されているものや、国内系の投信会社の運用ファンドであっても外国の運用会社に運用を委託したり、外国の投資顧問会社のアドバイスを受けたりして運用されているもの、または外国籍のファンドを組み入れるファンドである。
日本の投資信託が国際投資運用を外資系の運用機関に依存する傾向が強い背景には、1998年の投信法の改正によって運用の外部委託が解禁されたことと、ファンド・オブ・ファンズ制度が導入されたことが大きく影響している。これによって投信会社は、自社の国際的な投資運用力が乏しくても、外国の運用会社に運用を再委託したり外国のファンドを組み入れたりすることによって、容易に外国投資ファンドを組成し、販売することができるようになったのである。
国際投資運用に優れた専門機関を利用することは、ファンドの運用の効率化、パフォーマンス向上のために好ましいことと言えよう。しかし半面、外部委託すればその分運用コストがかさみ信託報酬を高める一因ともなる。
現在のような過度の外資依存の状況が続けば、日本の投信会社の国際投資運用業務は空洞化を免れまい。これからは、国際的な投資運用なくして日本の投資信託の運用はありえないだけに、日本の投信会社のグローバルな運用力の強化を望みたい。
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(楽天マネーニュース[株・投資]第84号 2010年10月8日発行より) ==========================================================