最近、米国でワールド・アセット・アロケーション・ファンド呼ばれるタイプのファンド(世界の株式や債券などに分散投資するファンド)が投資家の注目を集めている。
ワールド・アセット・アロケーションは従来からあるが、それらは株式と債券への投資比率を60:40などと固定し、株式はMSCI、債券は世界国債インデックスをベンチマークとして運用するようなファンドが多かった。
いま注目されているファンドは、世界の株式・債券・短期金融商品はもちろん、不動産、貴金属、コモディティなどあらゆる資産を対象とし、株式が有望なら100%株式に、コモディティに投資チャンスがあると見れば100%コモディティにと、投資環境に応じて自由にアセット・アロケーションを変更し、銘柄選択もアクティブに行うことによって、トータルリターンの極大化を目指すファンドである。
たとえば、アイビー・アセット・ストラテジー・ファンド(資産額約2兆円)は、世界の株式・債券・短期金融商品・貴金属・通貨などを対象に、先物やロング・ショート、オプション、スワップなどを活用し、弾力的にアロケーションを変更する。株式組入比率は現在54%だが、過去5年間では最高78%~最低マイナス12%まで変動させている。こうしたアクティブ・アロケーションによって、過去5年で年率11.4%の高リターンをあげている。
このようなアクティブ・アセット・アロケーション・ファンドが注目されている背景には、2008年の金融危機後、伝統的なアセット・アロケーションに飽き足らない投資家が増えていることがある。安定的と思われていたバランス型ファンドもリーマンショックの打撃を回避することはできなかった。そこで、ベンチマークに捉われずアクティブに絶対リターンを追求するファンドが求められてきたのだ。
日本でもこの種のファンドはないことはないが数は少ない。比較的規模の大きいファンドとして、日興アセットマネジメントの「プロフェッショナル・ステージ」(資産額52億円)、ブラックロックの「 ブラックロック・グローバル・フレキシブル・バランス・ファンド
」(資産額35億円)があるくらいだ。
昨今の日本では高利回り外債ファンドやエマージング・マーケット・ファンドなど、投資対象や投資地域を絞ったファンドが人気だが、世界中のあらゆる資産を対象に、アクティブに運用を行うファンドマネジャーの手腕に期待して資産運用を任せることも、投資信託に投資する魅力の一つと言えよう。
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(楽天マネーニュース[株・投資]第86号 2010年11月12日発行より) ==========================================================