かみかくし日記

かみかくし日記

2012.01.17
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お手製ファブリーズ。
精製水とエタノール(よく考えたら寝室にエタノールをストックって危ないのか)を量って、
ユーカリとペパーミントのオイルをブレンドして霧吹きする。
前の晩、牛の匂いがしたような気がして、牛の夢を見てしまった。
どうやら布団の上で眠ったチーさんの匂いがどこか牛の匂いに通じていたようなのだった。

どうして晴れていないと午前中に掃除をする気にならないのか。
そして用事があるのに、晴れているからと言って掃除にかまけてしまって、慌てて家を出る。

エムズクルー事務所に寄って、契約金を受け取り、下北沢へと。

本日今年の6月公演の契約です。

そして来年も「劇」小劇場で公演を行う予定です。

ただ下北沢を歩きながら、自分の気持ちがこれまでよりだいぶ醒めてきたようにも感じていました。
下北沢で芝居を打っているというだけで、関心度の高い人たちに認知されるという希望や期待。
飛び込みのお客さんが来てくれること。
演劇をしていることが、白い目で見られない街の雰囲気とか、同業者の多さとか。

年齢のせいか、それとも埼玉に住むようになったせいか、あまりそういうことにメリットを感じなくなっている自分に気が付きました。

どうしても下北沢でやることにこだわった時期もあったし、
そこにアイデンティティを求めたことも、
そりゃロンドンほどじゃないにせよ、演劇に対して寛容な雰囲気に助けられたことも、
ここで競って認められていきたいと思ったこともあったのだけれど、
今のわたしにはどうもしっくりこない。


新劇やミュージカルや翻訳劇のように、だいたいの予測がつかない。観に行くまではわからない。
笑わされるのか、泣かされるのか、怒らなくてはいけないのかさえ。
自分の感想を持ったり、そこから次の選択を決めることがこんなに難しいとは思わなかった。
自分たちが、本当にただ発信しているだけだったと思い知らされた。

金銭面とか、世間的な体面とか、芝居をとりまく状況は厳しい。

普通に働いたり、営んだりしている人たちの手触りと、とても隔てられたところにいるんじゃないかと。
そういうことが最近心配になっている。

本当に時間をかけて、骨身を削って、いい芝居をつくる人たちがいても、
例えばその価値が伝わっていかないような、別の価値に押しのけられるような。
その通り道がつけられるだけでもずいぶん世の中への関わり方は違うと思う。
わたしの卒論のテーマみたいになってしまうけれど、やっぱり小さくても劇場にしかできないこと、消えてしまう時間芸術である演劇にたいして、蓄積という機能の持てる劇場に糸口は持っていけそうな気がする。

それとは別に、どこでも芝居はできるように思えてきたし、
下北沢の環境に甘えてしまいたくないという矜持が出てきたのかもしれません。

これまで厳しい目で見てくれた小屋番さん(支配人さん)の不在というのもあります。
数年前から下北沢の往年のスタッフの方々が、世代交代して、地方の芸術監督などの役職につかれるような一連の動きがあって、
この人に「いいね」と言ってもらえれば大丈夫みたいな目標みたいなものが今ないのですよね。

意味なく下北沢に来て、事務所にふらっと寄って、そういう先輩たちとお喋りして帰るという習慣も、わたしの中ではなくなってしまいました。

とはいえ、まだまだやり残したこともたくさんありそうな気がします。
まだ劇場のまわりにずらっと行列を作ったことありませんし。

頑張ります。
まだまだ下北沢です。






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Last updated  2012.01.18 21:30:49
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