マルスの遺言

マルスの遺言

トルシエの通訳ダバディが日本の若者を切る



そのコラムの内容は「世界一の”温室”にいる日本の若者たち」というものだった。

直接読んだわけではないが、彼によると日本の若者は政治的思想、哲学がなさ過ぎるそうだ。それは昔から言われてきたことで今更言うことではないくらい良く分かる。日本にいる外国人は全員それを口をそろえて言っていた。

そして、「個性」も「自立心」(?だったか)もないまま大人社会に出て、彼らが抵抗力もあるわけがなく、自分の考えもないまま情報の海に呑まれてしまうのは必然だという。

そしてそのまま自らのアイデンテティも持つこともなく世間に流されてしまうのだ。結果、どうなるかはご存知だと思う。

まだ日本全体が温室化している以上、大人社会という荒波に呑まれてしまっても今のうちはまだどうにかなるかもしれない。しかし、これ以上貧富の格差や、経済的行き詰まりが悪化した場合、彼らがもっと更に精神的に最悪の状況に陥ってしまうのは時間の問題であるように思う。
「私はそうは思わない。日本の若者を信じている」と安気に構えているあなた、実はあなたの方が若者を理解していない。それは日本の若者を信じていることにはならない。若者を教育した日本の今の大人を信じているということになるのだ。自画自賛でしかない。そこには悩める現代の若者の心を本気で理解する魂はない。

日本の若者が政治的に童貞であるということは昔から言われていたが。ダバディの言うことはもっともで、外国人が長年かかって日本を見た結果の意見であるからこそ、日本人を納得させるに十分な説得力がある。

そこで、日本の若者に欠けているものとは何かというと、「温室」であるからこそ見えない”他人の痛み””他国民の苦しみ””グローバルな視点”なのだ。

自分さえ好ければ良いという時代は、もう終わっているのだ。




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