『日本沈没(上)』
『日本沈没(下)』
著:小松左京
来夏に、剛主演で映画が公開されるので、
その原作を読んでみました。
日本が、沈没する。
アジア大陸と太平洋海底と、両側からの異常な力を受け、
日本は腰を折るように真っ二つに裂け、そしてゆっくりと、
しかし確実に、日本海溝に向かい、滑り落ちていく。
一億一千万の日本国民は国土を失い、永遠に流浪の民と化する。
しかしそれも、運良く日本が沈む前に国外に逃げおおせた、
一握りの日本人だけが。。。
日本が沈没する?
アトランティス
や ムー大陸
みたいに?
まさかぁ。
そんなの起こるわけないじゃん。
と、 あの地震
を体験して、大地は揺れるんだと実感してからは、
とても絵空事だとは、思えないかも。
地面が割れてしまうのではないか、
このまま何もかも崩れ去ってしまうのではないか…
というあの恐怖感が、読んでいてリアルによみがえり、
何度もみぞおちの辺りがキューっとなるような感覚が、襲ってきた。
この作品では、あの地震とは比べ物にならない、
震度7や8クラスの地震が、日本各地で頻発。
それによる死者や被害額は、膨大な数に上る。
そして火山群や諸島も火を噴き始め、ついに富士山も噴火。
しかしそれは、まだ序章にすぎなかった…。
日本が沈没していくという事象だけでも、十分恐ろしいのだが、
天災を目の前にして露にされる、人間模様や政府の思惑、
日本という国の世界的立場の描写も、空恐ろしいものがある。
この出来事の事実を観察し警告を発する科学者と、
早急に結論と経済的損失を問う官僚との、意識の違い。
戦中戦後と辛酸を舐めてきた世代と、戦後の、どこか排他的で、
クールな世代との、災害に対する意識の隔たり。
敗戦の荒廃の中から雑草のごとく現れ、その勢いは、
世界中を席巻するほどの怪物に成長してしまった日本が今、
文字通り崩れ去ろうとしていることに対して、
「自業自得だ」「それ見たことか」と、あからさまではないにしろ、
どこか冷ややかな、諸外国の視線。
難民となる日本国民の受け入れを、諸外国へ要請に奔走する中で、
「一番近いソ連、中国、北朝鮮に、送り出せないなんて。
なぜもっと友好的外交をしてこなかったんだ!」との官僚の言葉は、
もし30年後の今起こっても、同じようにつぶやかれるかも。
山々が火を噴き、地は裂け形を変え、海は沿岸の町を襲い、
高層ビル、高速道路、新幹線、地下鉄、工業地帯、住宅地、
戦後目覚しい復興を遂げてきた日本の象徴であるものたちが、
塵と化し灰と散る。
その様が、まるで本当に見てきたかのように、
言葉を尽くして、生々しくリアルに描かれている。
それらが、最新のCG技術によってどのような迫力ある映像になるのか、
とても楽しみ。
今まで、当たり前のように生活していたものが、
言葉どおり「崩れ去る」。
過去に数々の災害や、戦禍をくぐり抜けてきた日本国民だが、
今回は、帰すべき「国土」が、失われてしまうのだ。
過去に祖国を失くした国々を参考にしようとするが、
それらとは根本的に違うのだ。
「土地そのもの」が、海中に沈んで、無くなってしまうのだから…。
運良く生き残ったとしても、その後に何が待ち受けているのか。
TVのニュースで見たような、難民キャンプでの暮らしを、
強いられるのか。
想像できない…。
しかし現在、日本国内はもとより、世界各地で地震は群発しているし、
各地で頻発する異常気象も、もしかしたら何か地球規模の、
「大変動」の前触れかもしれない…と思った一冊でした。
★ 32年ぶり再浮上!草なぎで映画「日本沈没」来夏公開
★ 草なぎ&柴咲で映画「日本沈没」
映画では、エキストラも募集しているようです。
日本沈没 エキストラ大募集
【参考】
『日本沈没』
◆その他、小松左京の著書は→
メイキング・オブ・マッドマックス 怒り… 2015.07.24
『家族の言い訳』 著:森浩美 2015.02.07
『あなたに褒められたくて』 著:高倉健 2015.02.05
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