『月の街 山の街』
韓国には「月の街」「山の街」と呼ばれる、貧しい人々が住む街があります。
舗装されていない丘の斜面に密集する住宅地。
急な階段を上って人々はそこへ帰っていきます。
高い場所に位置し、月や山に近いことから、そう呼ばれるようになりました。
何も持っていなくても心に愛を持つ人々が織りなす、ささやかだけれども、
幸せを運ぶ実話集です。
時代や国境を越えた感動を呼ぶ物語が凝縮されています。
剛が翻訳した本、ということを抜きにしても、とてもいい一冊。
清貧のお話は、日本にもたくさんあるけれど、韓国ならではで、
え、そんなことがあるの?と思うお話もあれば、うん、分かる、
と涙するお話もあり。
そして日本語訳の言葉の音が、とてもいい。
剛が言ってたように、韓国独特の表現を日本の表現とする難しさもある中で、
降り積もる雪の音や、風にそよぐ草などの、なんてことない情景までもが、
はっきりと目に浮かぶよう。
私たちが想像するよりも、もっともっと、貧しい人たち。
そんな彼らが必死に懸命に毎日を生きていく中での、ほっこりとする一瞬。
剛の優しさも、ふと垣間見えるような一冊でした。
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