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220064
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ミッドナイトドリーム
取引所の日々の泡風呂敷―PART4
僕は部屋でミューを待ってる。
恋人を部屋で待つ時に歌う歌ってある。
16歳の誕生日を迎えた恋人の為に
歌う歌があるように。
苦難を耐えた二人に日がさしてきた時
しみじみ歌う歌があるように。
恋人のなんとも言いようの無い仕草を
表現する為の歌があるように。
喜びの海、
胸一杯の愛、
僕を照らす君の愛の日ざし。
だから、恋人を待つ時はどんな歌を歌うのかって?
簡単だよ。
感じてるままを歌えばいい。
♪ここに座って、ラーラー
♪君を待ってる、ヤーヤー、ハッ。
♪おかしいかも知れないけど僕は
♪もしかしたら、君は来ないんじゃないかなんて、
♪感じちゃってる、ハッ。
外の通りを誰かがダッシュしてる。
そのダッシュはテラスから続いてる階段を駆け上がる。
勢い良くバスルームの窓が開く。
バスルームの窓から入り込んできた女の子は
着地体勢が整うとベッドの上に座ってる僕に振り向く。
ぱっと笑顔が弾ける。
「きたよーっ」
次の瞬間、何を思ったか、
そこからかなりの距離を、ミューは僕にジャンプした。
僕は教えて置くべきだった。
ジャンプするより、走った方が速いって。
ブツより音が後から飛んでくるのは
ミューとワルサーP38くらいのもの。
何てこった。
本能的に、僕は衝撃に耐える準備をする。
僕の下、ベッドのスプリングたちが
慌てて、身を寄せ合ったのが感じられる。
ドカーン。
次の瞬間、
僕は両腕でミューの体を固く抱きしめてる。
ミューの服の下、ミューの汗ばむ肉体。
まあね。走って、ジャンプしたからね。
♪サニー、君に会うまでの僕の人生は
♪どしゃぶりの中。
♪サニー、濡れ鼠の僕に君は笑いかけた。
♪その時からさ、
♪僕の苦痛がこの世から消え去ったのは。
ミューの体を両腕に抱きしめてると
僕の体から僕が蕩けて、ずーっと遥か下まで
落ちてってるのが感じられてる。
何もない。
今まで僕を悩ませていた
この世の不都合なものなんて、
今は、何も無い。
腕の中にミューを抱きしめれば、
世界の全てが完結してる。
足りないものなんて、何処にも無い。
「今なら、死んでもいいよ」
思わず僕は訳の分からない事を呟いてる。
「死ぬときは、一緒やからね」
ミューが情熱的に僕の唇にかじりついてる。
ミューを一目見たときから、感じてたのさ。
僕達の愛はこの手の種類の愛だって。
ミューもそれは感じてる。
『私、あんたにだけは抱かれまいって
凄く気をつけて、必死で努力してたのよ』
後になって、ミューは言った。
もっとも、
僕がその言葉の意味を理解できるようになったのは
もっとずっと立って、
僕がミューと言う女の子を顕在意識の中でも
はっきり分かるようになってからだったけど。
-52-
固く抱き合い、激しい、キス、キス、キス。
二人の唇は貪りあい、からみ合い、って・・・。
何かおかしい。
分かった。
ミューが無茶苦茶、恥ずかしがってる。
ここに来て、この前の掟破りの恥ずかしさを
ミューは思い出しちゃってる。
又、あれをやられたらたまらないってミューは焦ってる。
だから、もっと心を込めてキスするように
ミューがやたらと体をぶつけてきてうるさい。
『はい、はい、分かったから
脱ぎ、脱ぎ、しましょうね?』
僕はミューのキスを無視して
ミューを脱がすことに専念してる。
ミューは鼻を鳴らして、僕に激しくキスして
何とか僕の手を止めようとしてる。
「ううん、ううん、ねっ。あああ、
あん」
一枚、脱がされる度に、
ミューがたまらなそうに声を上げる。
この前で、ミューは僕って男が分かった。
ミューは僕なら心をさらしても大丈夫って感じてる。
ミューが幾ら心の繊細な部分をさらけ出しても
僕はそんなミューを眺めながら
ミューの後ろで舌を出してるような男じゃない。
ミューはそれが分かって安心してる。
ミューは安心しながら恥らってとち狂ってる。
僕がミュー与える恥じらいはミューには防御不能。
ミューの意識の外から波状的にミューを襲ってくる。
お陰で、ミューはすっかり、弱々しく、初々しい。
多分、ミューの人生で、
こんな初々しいミューは初めてのはず。
滅茶苦茶、恥らってるミューを見れて僕はラッキーだけど
そんな気分を味わってるミューだって、ラッキー。
ミューは僕のような男に出会うなんて
夢にも思ってなかった。
二十二年もミューをやってれば、
男ってどんな生き物か、大抵のことは分かってる。
そこそこ遊んで、そこそこ辻褄合わせて
そこそこのときめきと、そこそこの退屈
で、まあ、人生は流れるように。
んな筈が、ミューは変な視線に出会っちまった。
『もしかしたらこのドアの向こうには・・・』
僕に取ってミューはこの世の全て。
ミューはこの退屈で糞ったれな世の中を
芸術に変える妖精。
もし、ミューが居なければ、僕のこの世界は無い。
取引所さえ、ただの取引所。
僕の思いにペテンはひとかけらも無いから
それが分かってるミューは純度100パーセント。
そう、大事なのはそれ。
純度100パーセントの思い。
これがないと何も始まらない。
ぐずるミューと格闘しながら何とか上を脱がし終えて、
僕の手が無造作にミューのパンストにかかる。
ミューが悲鳴を上げる。
「それは許して、未だ、それは許して」
ミューはとち狂ってる。
うん、確かに、この前、
ミューはパンストを脱がされるとき
とんでもない目にあった。
「許して、ねっ、お願い。
お願いだから」
ミューが必死の目をしてる。
僕はちょっと首を傾げて、どうしたものか考える。
あのミューをも一度見られるのも悪くない。
『とんでもない!!』
慌てて上半身裸のミューが僕に飛びつく。
キス、キス、キス。
でも、も一度あのミューが見れるのも悪くない。
キス、キス、キス、懸命のキス。
ミューが何とか僕に思いとどまらせようと
思わず声を上げてる。
まっ、このキスも悪くない。
キスにのめりこみ始める僕。
ミューが安心して、ミューの体が柔らかくとろける。
ミューが感極まった声を上げてる。
って、この後、ミューが思いっきり
恥ずかしい目に合ったのは同じだけど。
僕にそんなつもり、全然、ない。
僕が何の気なしにすることが
ミューには勘弁してくれって位、恥ずかしいんだから
これは、もう、相性。
自分の事を、
自分の理解を超えるほど好きな男とする時って、
女の子って、こんな風だと思う。
その男は新しい世界、見た事のない世界を持ってる。
その中に、見た事もない程美しい女の子が一人。
もしかしたら、その女の子は自分かも知れない。
-53-
もう二度目だから僕は驚かない。
猫にマタタビ。
ミューには僕の指使い。
猫にマタタビあげた事ある?
僕はあるよ。
猫は抵抗不能で、取り付かれたように喜ぶ。
マタタビを無視できる猫なんていない。
ミューも一緒。
ミューの喜び方の質が、
今まで、僕が知ってる女の子の喜び方とは
とても違ってる。
人間のこんな気持ち良さそうな様子、
僕は初めて見る。
ミューは喜びに深く蕩けて、
その見事な体から
快感のオーラをあふれさせてる。
ミューが喜ぶ度に
うっとりするような甘いオーラが
ミューから泉のようにあふれ出してる。
ミューのあふれさせてるオーラの中に居ると、
とても気持ちいい。
だから、僕はミューの横に寝そべり
片肘付いて、
手のひらの上に頭を乗せて
ミューの喜ぶ顔を眺めてる。
僕の指は僕に何の負担も与えてない。
僕は指を動かしてる事すら忘れてる。
僕は美しいミューの喜びを微笑みながら眺めてる。
のんびり、ゆったり、美しく流れていく時間。
「恥ずかしい・・・」
突然、ミューが向こうを向いてしまう。
ミューの顔が目の前にないと、まるでつまらない。
今まで柔らかく蕩けて
僕を魔法のベールで包んでいた空間すら、
今は味気ない。
「こっちを向かないと、してあげないよ」
ミューはそんな事されたらたまらないと感じてる。
ミューがぐずってる。
でも、僕はすぐに指を抜いたりしない。
ミューがそのつもりでも
すぐには反応できないのは分かってるから。
この時は、未だ、僕は
ミューが感じてる恥ずかしさの質を分かってない。
本当に心の底から気持ちいい時、
そんな風に喜んでる自分の顔を人に見られるのは
どうにもならない恥ずかしさ。
人間の尊厳に関わるような、
個人のプライドにかかわるような。
それこそ
『人を散々喜ばせといて
後ろで舌をだしてるような事は
絶対、許せない種類の快感』
僕は分かってる。
ミューの感じてるこの快感の深さは
二人の精神の有り方から生まれてるって。
僕は特別な事は何もしていない。
特別なのは、僕の指使いじゃなく
僕とミューの心の結びつき方。
お互いをどんな風に好きなのかってこと。
それはいいんだけど
その効果は何もミューだけに
影響を及ぼしてたんじゃ無かった。
欲しくなって、我慢できなくなったミュー。
僕はうっとりとミューの顔を眺めてたから
全く臨戦態勢が整ってない。
でも、今回は心配要らない。
ミューの口が使えるから。
この前は、そうする事を僕が許さなかった。
だってさ、僕達二人の初めての時だったから。
親しき仲にも。礼儀あり。
違うものは違う風に扱わないと
どれもこれも同じになっちゃう。
どれもこれも同じに扱って置いて
後から差別化を計ろうったって、それは無理。
今度は二度目だから、かまわない。
で、いよいよ、その瞬間。
僕は気づくべきだった。
(あっ、これは、シーラと言う子の書き出し)
いや、寸前まで、僕は相手がミューだって忘れてた。
被さってくるミューの頭を眺めながら
僕はふと、感じる。
まてよ、相手がミューだと
こんな事されたら・・・・・。
とんでも無いことになりそう。
いや、これ、やばい。
思わず逃げようとした時は、すでに手遅れ。
「ギャーッ・・・・」
正に、ギャーッと悲鳴を上げる種類の快感。
僕は逃げようと必死。
一瞬、目が点の二人が見詰め合って
ああ、良かった、これで救われる、
と、思いきや、
次の瞬間、ミューが本格的に襲い掛かってきた。
何、考えてる。
ヤメロ、バカ。
この女、一体、何考えてる。
僕は悲鳴を上げてのた打ち回ってる。
ミューがミューでなくなっちゃってる。
相手がミューでなければ絞め殺してるとこだけど
相手がミューだから、
ミューなら、何したって、かまわないさ。
永遠とも思える長い時間が過ぎた。
(あっ、これ、トリイの口癖)
いや、きつかった。
本当に、きつかった。
僕は口じゃ行かないタイプだから
目一杯きつかった。
もしかしたら、
女の子が喜んでる時って
こんなのかも知れない。
快感なんだけど、快感が強すぎると
快感とばかりも言ってられない。
マジ、きつい。
本気で女の子に惚れるのも、考え物。
堂々と男らしくなんて、何処吹く風。
これだけ痴態さらしちゃって
この後始末どうしょうかって、僕の頭脳は悩んでる。
ミューは気づかない振り。
今、何があったかなんて、ミューは全然知らん振り。
世界一頼もしい、フーチークーチーマン。
ミューは僕をそんな風に扱ってる。
「ねっ、早く、早くう」
OK。
これは頑張らないと、立場ないぞ。
僕は決意をみなぎらせて
裸で横たわる美しい女の子の上に乗っていく。
『征服』
その二文字、あるのみ。
-54-
前にテストの時、
自然の「自」と言う字を僕は度忘れしてた。
紙に何度も「自」と書いてみるんだけど
これはどう見ても自分の「自」だし、とか
思ってしまう。
日本人は未だ漢字だからいいけど
同じ状況に陥ったアメリカ人はもっと悲惨らしい。
単語はアルファベットの羅列だから
余計、特徴を思い出しにくい。
おぼろげに頭にちらつく確からしさは
26文字の迷路の中。
ミューに乗って、ミューの美しい顔を見た途端
僕は舞い上がって、頭の中は真っ白。
細かな事なんか何も考えられない。
体の下にミューの肉体を感じながら
僕はとにかく早く結果が欲しい。
何かスムーズに運んでないって感じてるけど
やみくもに動き出す僕。
「痛い。違う。痛い」
慌ててミューが腰を引く。
「待って、動かないで。
貴方はじっとしてて。
私がする」
あああ・・・・、又、ミスった。
つくづく、立場ない。
でも、ミューにそう言われてしまった以上、
ミューに任すしかない。
僕は上からミューの表情を眺めてる。
体の下に延ばした手を動かして仕事してる
ミューの表情は何か考え深げ。
ミューって、なんて美しいんだろ。
僕はこんな風にミューの上に居るのが信じられない。
ミューがそれを許してるのが信じられない。
これは、現実には違いないけど
まだ半分は夢みたいなもの。
身に過ぎた光栄。
僕はそんな風に感じてる。
突然、僕の物が暖かく柔らかな中深く入り込んだ感触。
「ああーっ!!」
ミューの上半身が激しく反り返り
ミューの口が大きく開いてる。
おおっ!!
僕は感動してミューの姿を眺めてる。
「ああ!!気持ちいい!!
動いて、貴方、動いて」
ああ、そうだ。動くんだ。
・・・・・・・って、マジかよ。
耐えられない。
ミューのそこには魔物が住んでる。
僕はホッケンハイムの森の中に迷い込んだのかも。
立場ない、が連続してるけど
言わないともっと立場ない。
「だめだ、ミュー、耐えられない」
ミューは一瞬、訳が分かってない。
ちょっと間をおいて、ミューの意識がピントを結ぶ。
「あっ、いいのよ。
来て」
何て甘い声。
ミューの体から母性のオーラがあふれてる。
状況に抵抗しようとしてもがく僕を
ミューの両腕が固く抱きしめる。
「貴方、大好き。
いいの。
さあ、来て」
ミューは柔らかな母性そのもの。
ミューのオーラが優しく穏やかで、しっとりしたものに
変化してる。
立場ない、立場ない、立場ない。
穴がないなら、掘って、入りたい。
「馬鹿ね。
何、深刻になってるの?
たまたまでしょ?
良くある事じゃない?」
ミューが僕の頭を優しく撫でてる。
ミューが優しく僕の頬にキスしてる。
「ほら、出来るよ。
今度は大丈夫」
僕の知らない間に二人の体の下側で
ミューの手がずっと、仕事をしてた。
「一杯、愛して。
一杯、気持ちよくしてね」
ミューのその言葉は要求じゃなくて僕へのエール。
でも、僕は本能的に分かってる。
多分、今度も、大丈夫じゃない。
だって僕は、未だ、
そこに住む魔物をやっつけるポーションを
手に入れてない。
-55-
ミューの目が点になってる。
僕はシービスケットに負けた時の
ウオー・アドミラルの目。
見つめ合ったまま、二人とも、言葉が無い。
今度は、入った瞬間。
突然、ミューのキスの嵐。
こら、やめろ。
感激してキスするような事かい?
ミューは熱い。
情熱の塊。
僕はくじけた心で、抵抗してる。
ミューは執拗で諦めない。
僕ともみ合うセクシーなミューの裸。
脱がないでも物凄いミューが全裸なんだから。
あっ、ミューのキス、素敵かも。
これ、なんか、悪くないかも。
くれるなら、もっと欲しいかも。
僕がのめり込みそうになった瞬間
ミューが顔を引く。
まともに僕の視線がミューにつかまってる。
この詐欺師。
流石、取引所のモスコミュール。
「あんた、私に突っ込んだんだから責任取ってよね。
お願いだから、後で、でも、
ちょっとしか入ってなかったなんて、
訳の分からない事、言わないでね」
僕は参って、小さく笑いながら答える。
「そりゃ、責任は取るけど・・・」
「あっ、そう。
なら、私はかまわないわ」
ミューが僕を引き寄せて、抱きしめる。
「ねえ、ねえ。
あんたが私の中に入って来たよ。
私、凄く、うれしかった。
あんたは?」
おい、おい、おい、おい。
一瞬で、姉御からベイビィになってる。
ミューと付き合っていく上で
気をつけなければならないのがこれ。
ミューの中には色んなオーラのミューが住んでる。
あるオーラのミューが下した判断が
それ等を統一する核心のミューの判断とは限らない。
時として、核心のミューが出てこないうちに
彼女達の手で物事が処理されてしまうことがある。
だから何にしろ、二人に取って重要な事は
ミュー本体とコンタクトを取った上で
処理しなくちゃならない。
もし、本体とコンタクトが取れないほど、
ミューがハイになってたら、
暫く、勝手にやらせて置くしかない。
ハイになってる時のミューは
無茶苦茶、可愛いから、いいんだけどね。
抱かれた後、快感のオーラを溢れさせて
人懐こいベイビイなミューと
春の光のようなオーラに包まれて
シックな女の子で居る時のミューとは、反発しあってる。
僕はミューに首っ丈。
ミューは僕の全て。
だから、どんな危機的状況でも
ミューと別れようなんて思ったこと無い。
お陰で、ずっと後になって
そんなミューの姿に気づくことが出来たんだけど。
例えば、今のこの状態。
普通に考えると、僕は危機のど真ん中。
男として、最低。
当然、僕はそう考えて焦りまくってる。
でも、ミューは最高って考えてる。
これならやってけるって。
ミューが一番恐れてたのは
僕に抱かれたら、
僕の肉体に支配されちゃうんじゃないかって事。
ミューは僕が大好きだからね。
でも、それはミューの杞憂って分かった。
ミューの一番の悩みの種が消えうせた。
ミューは僕の支配下に居たい。
それがミューの愛し方。
支配下に居たいけど、未だ、完全な支配下は怖い。
ミューにとって悩ましいのは
大丈夫かどうかの確認作業が終わる遥か以前に
その状態が始まってしまうこと。
でも、僕を思いのままに
のたうち回らせることが出来るなら
ミューは調子に乗った僕に
ミューの力を思う存分、思い知らせる事が出来る。
そこまでは分かったけど、
ミューは性的に満足してないじゃないかって?
ほら、猫にマタタビもあるし、
ミューは口でも同じ位に感じることが出来る。
口で行かないタイプの僕は、ミューには最高。
んな、訳で、ミューの今の関心事は
なんとかこの状況を打破しなくてはと、もがいてる僕に
この状態を受け入れさせること。
僕が、この状態に満足して、楽しめるようにする事。
そうすれば、僕達は案外簡単に
安定したペアになれる。
もし僕がこの状況を打破してしまうと
物事はもっと複雑になって
安定化のめどは、ちょっとや、そっとじゃ立たなくなる。
でもさ、ミューのこんな性格を考えると
これまでにミューを抱いた男達、
心安らかじゃないと思う。
この女は俺のやりたい放題、の筈だったのが
ある日、ころっと豹変する。
ミューならマウスのクリック一つで
彼等の人生を破滅させる事が出来る。
ミューが博愛主義者だからいいようなものの、
もし、ミューのその部分が
ブラッディ・マリーのようだったら?
でも、多分、居るよね。
そんな女の子。
-56-
僕の指定席が少しリッチになってる。
指定席の周りが美しい葉の観葉植物で縁取られてる。
その向こうに美しい別荘の写真が飾られていて
まるで本当に葉の向こうにそれが存在してるよう。
『貴方が欲しかった別荘、買ってあげた』
下着は冗談で、別荘は本気かよ?
いや、前に、どっちが気に入ったかって聞かれたから
こっちって僕は答えた。
僕は買ってくれなんて一言も言ってない。
『新婚旅行はここに行こうね』
初々しい恋人のミュー。
ミューがまとう幸せのオーラ。芸術の香。
『何処でもいいよ。
君と一緒なら』
僕は心からこみ上げる柔らかな喜びに包まれながら
うっとりとミューを見つめる。
『本当に!!
あんたみたいな女ったらし、よう知らんわ。
危ない、危ない』
ミューは本気で怒ってた。
今、カウンターにブラッディ・マリーが来てる。
彼女と彼女の秘蔵っ子の「バトルつぶしのロイ」
若く、スマート、貴公子のようなロイは
ポロなんかが得意そうな面構え。
無茶苦茶、いい男。
ロイは一瞬でミューに魅せられて
ミューもロイにもじもじしてる。
「速射砲」の僕としては、ちよっと感じるものがある。
いい雰囲気の二人。
ミューは次第に、「私、フリーなの」状態。
未だ何処かに初々しさを残してるロイは
運命の出会いに心を染めてる。
遠慮がちに笑うロイの顔に
「何とかこの子を抱きたい」って書いてある。
まあね、どんな男もこうなっちゃう。
ミューに出くわすと。
ちょっと前の僕を見せられてるよう。
「で、どう?」
ブラッディ・マリーの仕事師の声。
「その値段なら、いいよ」
ミューの声にも、したたかさが感じられる。
「じゃ、決まりね」
これにて、ちょいとした一件落着。
ブラッディ・マリーが話をしめる。
ロイの顔に見ほれながらミューが頷く。
ブラッディ・マリーは下がりに下がってる値段を
一瞬、強引に持ち上げる話を持って来て
ミューと交渉してた。
交渉は成立。
なら、値段はこの後、一瞬で駆け上がる。
僕はチャートに目をやり、マウスを握りなおす。
「あんた、未だ、そんな事してんの?」
クリスタルで出来た鈴が発したような声。
もしかしたら、ダイヤモンドで作られた鈴かも。
僕の横にブラッディ・マリーが立ってる。
ミューはこの出来事に全く、気づいてない。
「あんたはトレーダーとしたらランク外だけど
ヒモとしたら、たいしたもんだよ。
獲得賞金から見たら、世界一なんだから
それで、いいんじゃない?」
「世界一?
僕が?」
「違うの?」
ブラッディ・マリーの気持ち良さそうな声。
「何かでのして行こうって思ってるんだけど
その世界じゃない気がする」
「それはあんたの考え違い。
向いてるよ。才能、ありそう。
トレーダーには向いてない。
必死に頑張った所で、
二三年で精神はボロボロ。
続けたくても続けられなくなる」
この世の真理を述べてるという顔つきで
ブラッディ・マリーはニヤリとする。
「今度あの子に、目の前で打ってみせてごらん。
才能の違いを見せ付けられるから。
私も凄いけど、あの子も半端じゃない。
しかも、あの子の頭の中にあるのは
現実の値段だけじゃない。
普通の人間が何万回生まれ変わろうと
あの子のようにはなれない」
ミューの美しさは普通じゃないって思ってたけど
やはり、ミューは普通じゃない。
僕達二人に、ミューが気づく。
でも、ロイの前で笑顔を消せずに居る。
ロイは真剣。
甘いオーラに包まれてるミューは
半分くらい別の意味で心がそわそわ。
ブラッディ・マリーの背中が
そんなミューをしっかり見てる。
ブラッディ・マリーはちょっと噴出しそう。
僕も溜飲を下げてる。
「あの子、オロオロしてる?」
「思考が混乱してる」
「ブリンカーした競馬馬みたいでしょ?
何時だって、目の前の男しか見えない」
ブラッディ・マリーは後ろを見ずに言う。
「ロイ。
後、五分で始めるから先に帰ってて」
はい、ご主人様。
そんな返事が聞こえてきそうな様子で
ロイは椅子から立ち上がる。
でも、ロイは如何にも未練。
糸を引いてる二人の思い。
ロイが消えると、ミューが慌ててやってくる。
ミューは僕達の間に入って
ブラッディ・マリーから僕を隠す。
ブラッディ・マリーはミューの体の横から
覗き込むように僕に話しかける。
僕の顔がミューのお尻に押し付けられてる。
勿論、押し付けてるのはミュー。
うーん、何か、いいかも。
僕は抵抗しない。
変な格好の二人に、ブラッディ・マリーの知的な笑い声。
無茶苦茶、聡明そうな残響。
「じゃね、小鳥ちゃん」
去って行くブラッディ・マリーのとても高そうな靴音。
でも、僕の顔は未だ開放されない。
僕はミューの柔らかな肉を感じてる。
やっと開放されたと思ったら
ミューが唇を噛んでる。
「ずるい。
私の事知ってて、
こんな事するなんて、ずるい」
おい、おい、おい、おい。
「今晩、行きますからね」
本当は明日の晩来る事になってたから
僕はとても幸せな気分を感じてる。
-57-
白い壁が日に輝いてる。
道路では香と恭子が太極拳を舞ってる。
ゆったりと、ゆったりと。
香の新しいダンスの振り付けに
恭子がつき合わさせられてる。
その内、この動きが
目にも止まらない速さまで加速される事を
恭子は知らない。
知らぬが花。
その内、香と向き合って
香の微細な筋肉の動きに合わせて
体を突っ込んだり、
ねじれさせたりさせられる。
何で知ってるのかって?
まあね。
「恋人が出来ると、男ってつまらなくなる」
壁に寄りかかりながら、琴美がぼんやりと言う。
「一時の幻想から覚めて戻ってきても
もう、昔の親友達とは微妙な距離感が・・・・」
先生のサングラスに太陽の反射。
「でも、誰にもそれを止められない。
その体に思春期の兆候が現れると
この世を芸術の香りで満たしていた
ニンフェットは春雨にむせぶ煙のように
気づかれもせずに何処かに消えうせていて
変わりにそこにいるのは
ただの退屈な日常そのものの少女であり・・・」
「結婚も同じじゃないでしょうか?
だから、私は、貴方の結婚にそれ程、
はしゃげないんです」
先生の懐疑的な意見を
琴美がどうでも良さそうに否定する。
「でも、ないよ。
結婚したからって、男好きはなおらないから。
それにあの美貌。
あと三十年は、ドリちゃんは、気が休まらない」
「ミューさんの気持ち
分からなくもありません。
本気の女ほどやるせないものはないですから。
一緒に居て退屈だし、どん臭いし、
その癖、喜びを台無しにする術にだけは
何時の間にか、すっかり、たけてる」
先生がしみじみと言う。
「同じ分野の方?」 僕は聞いてみる。
「ええ、
私より頭のいい人間に初めて出会ったんです」
しんとした空気の中に
恭子の荒い息遣いだけが聞こえてる。
この時を惜しみ、愛しんだ所で
その思いは何になるって言うんだろう?
--
ミューは着々と思い通りに事を運んでる。
抵抗したくても、僕にはなすすべが無い。
本当になすすべの無い無力そのものの僕。
僕は男としての能力を全く発揮出来てない。
ミューは男に対して
恨みのようなものがあるのかもしれない。
ミューのこうありたいと言う思いに反して
やたらと男を好いてしまうミューの心と
やたらと激しく喜んでしまうミューの体。
僕はその恨みを
目一杯晴らされたような気がする。
でも、ある日、ミューは気づく。
ミューのする事なら、僕は何だって受け入れるって。
それは相手がミューだからだって。
それに気づいた瞬間、
ミューは僕が愛しくてたまらない。
劇的な、感情の質の変化。
ミューの感じた思いは
ミューの心の奥まで染みてそこに広がる。
ミューの攻撃的で暴力的な口使いが変わる。
ミューが代わりに始めたやり方は、
ミューが何時の間にか僕の指使いから学んでたもの。
幾ら金を積んだ所で、こんな口使いは味わえない。
でも、それは、僕のミューに対する想いが
ミューから反射して僕に返って来てるんだから、
僕の純度100パーセントの想いがなせる技って
言えなくも無い。
こう言うのを『女を調教する』って言う。
お馬鹿にゃ絶対分からない話。
『あんたの抱き方は独特で、他の男達とは全然違うわ』
でも、暴力的で攻撃的な奴も悪いばかりじゃない。
そのお陰で、何時しか僕は
ミューの内側に入り込んでる。
他の男たちはミューの外に居て
ミューと対峙している存在だけど
僕だけはミューの内側に居る。
二人に子供が出来て
僕がそこから追い出されるまで
そこは僕以外入り込めないミューの特等席。
お陰で僕は圧倒的なミューの母性に包まれてる。
ミューは何時も、僕がやりたいようにやれてるか、
母親が子供を気遣うように観察してる。
言葉を使わずに会話する事の出来る僕達だから
僕の考えた事は、その瞬間、ミューに伝わる。
僕がミューを右に動かしたいと思うと、
ミューは自然に右に動く。全ては流れるよう。
でも、それは、
ミューが特に意識してやってる事でもある。
理由?
うん、他の女を抱いたら、
僕がやりにくくて、たまらなくなるように。
ミューの流れるような動きは
ある種の浮気防止策を兼ねてるのも僕は気づいてる。
やがて、僕はミューを征服する野望を捨てる。
とても、無理だって分かったから。
何時ものように、あっと言う間に果てた僕。
僕が傷ついてると不味いなって、
心配そうに僕を盗み見たミュー。
そこに楽しそうに微笑んでる僕をみつけて
ミューは不思議そのもの。
「ねっ、僕、我慢しない事にした。
もっと、君に慣れて、
君に我慢できるようになったら、
君の事、何度でも行かすから
それまでは、このままで我慢して。
折角、我慢できないほど君に感じてるのに
それを楽しまないなんて、損だよ」
僕の言葉にミューが喜んで弾ける。
「うれしい・・・。
やっと、貴方、分かってくれた。
うれしい。
ねっ、しましょ、しましょ。
早速、しましょ」
「今、終わったばかりで立つかな」
「それはミューのお仕事でしょ?」
-58-
ミューは僕達の関係に満足しきってる。
二人はこの世のスウーイテスト。
何も桜月夜じゃなくても、今宵じゃなくても、
僕の目にするもの全てが美しい。
僕の目にするもの全てが柔らかい。
中でも、ミューの美しさったらない。
ミューのオーラは芸術のベール。
まあね。
ミューは生きてる芸術品だから。
ミューがふわふわやって来て
カウンターの僕の隣に座る。
「コーヒー下さい」
突然のリクエスト。
僕は笑いながらカウンターの中に入る。
ミューが上に向けた両方の手のひらの上に
顎を乗せてコーヒーを入れてる僕をずっと見てる。
僕はその視線がかなり恥ずかしい。
「やめろよ」
「あら、お返しよ」
僕にはミューに見ほれる癖がある。
ふと、気づくと、
僕はぼんやりと、ミューの顔を眺めてる。
最初の頃、ミューはとても参ってた。
僕もそうしないように注意してたんだけど
何ものもミューの美しさには勝てない。
僕の見つめてるとても美しい女の子に
ミューは次第に魅せられてった。
自分が本当に僕が見てるような女の子だったら
どんなに素晴らしいだろう?
ミューの性的魅力を無視して
ミューを見れる男なんて居ない。
ミューの持ってる膨大な資産の事を全く考えずに
ミューを見れる男なんていない。
でも僕は真夜中の夢だから。
僕は二人分のコーヒーを入れる。
勿論、ミューと並んで飲むつもり。
僕のたて方は一本立て。
「貴方なら、きっと、
そんな風にたてるだろうって思ってたわ」
僕は微笑む。
売り買いを管理するのが仕事のミューが
どうしてカウンターの中に居て
コーヒーをたててたりするかと言うと
カウンターに寄って来た男と話すのが目的で
いて!
じゃなくて、仕事がきついから、
気分転換してないと精神が持たない。
vipのフロアがこんな雰囲気なのも同じ理由。
これからのしてく組織なら
無駄を省いてピリピリした雰囲気なんだろうけど
爺さんが対立する組織を全て潰した後だから。
出来上がった組織を維持してくのは
組織を作り上げるよりもずっと難しい。
主役は武官から文官へ。
そんな訳で、このビルの後ろ半分は取引所じゃなく
超高級娯楽施設になってる。
その気になれば稼いだ金を
次の瞬間にはそっくり浪費出来るように。
爺さんのアイデアなんだけど
これには二つ目的があって
一つはアホな政治家達と彼等の権力を
腑抜けにしてしまう事。
豊富な金と、おいしいお酒、
そして、上等な女の子があれば
その国の権力なんてすぐに握れてしまう。
も一つはアホな大衆のくだらない好みにそわず
世間から阻害されてる
本当の芸術って奴を保護すること。
例えばコットンクラブ2では
エリちゃん2号がピアノを弾いてる。
曲目は当然『B列車で行こう』
まっ、そんな風。
は、いいんだけど
カウンターに『いじけちゃん』が来てる。
折角コーヒーたてたのに。
僕は仕方なしに二人の女の子の前に
二人分しかないコーヒーを出す。
なんで『いじけちゃん』と言うかと言うと
勝負が終わる度にいじけてるから。
彼女はどんなに大きく稼いでもいじける。
それでミューがいじけちゃんと命名した。
は、いいんだけど
何処からとも無く、トンガり帽子のメグが現れてる。
仕方ない、もう、二人分、立てないと。
最近、カウンターに女の子が多い。
ミューの考え出した防御策。
男と触れ合う機会を減らせば
運命の出会いに遭遇する確率も減るだろうって。
僕の小説に男の出現率が低いのも同じ理由。
あっ、恭子がにこにこしてカウンターに腰掛けてる。
まっ、いいか。
-59-
13番カウンターのアイスが美味しいらしい。
「13番カウンターって、どの辺り?」
ミューが聞く。
「えーとね・・・、
込み入ってて、ちょっと説明しずらいな」
「あそこあるでしょ、あそこ。
あそこの右を通り抜けて
少し行くと、あれに出くわすから
そしたらそれを左に折れて・・・」
な、訳で、皆が一斉に椅子を降りて歩き出す。
皆は新種のアイスを食べに行くらしい。
僕はカウンターに残されたカップを流しに入れて
水道の蛇口を捻る。
「何してるの?
早くおいで」
ミューが戻ってきて、母親のような口調で僕に言う。
僕はきょとんとして、自分の鼻を指差す。
ミューが柔らかく微笑みながら頷く。
僕はカウンターを出ると
春の風のようなミューと並んで歩く。
これからの人生、僕の眺める全ての景色の中に
ミューの姿が有って欲しい。
そんな事を僕は考えてる。
途中で二三人合流したから
僕達はかなりの勢力。
行く先々で、フロアの人たちの目を引いてる。
フロアのミュールが子分引き連れて
こんな所まで出ばって来てる。
何かあるのかも。
僕達に注がれる怪訝そうな視線。
僕はちょっといたたまれない。
女の中に男が一人。
恥ずかしいったらない。
それに僕はミューの付属品で
だれも僕を男だって感じてない。
だから会話の意味が僕にはとても不鮮明だったりしてる。
でも、他の男なら、例えそれが恋人でも、
ミューはそいつをこの集団の中には誘わない。
僕はそう感じてる。
僕は集団から少しずつ遅れてく。
出来れば前の集団と僕とは無関係に見えて欲しい。
丁度いい位の距離が出来て僕がほっとしてると
皆を先に行かせてミューが僕を待ってる。
ミューの顔一杯の優しい微笑。
僕はミューの微笑に出くわすと
何時も、それがまるで何世紀も前から
僕だけを待っていたように感じる。
優しさはミューの特徴。
時々、烈火の如く怒ったり無茶苦茶するけど
ミューは母性と優しさが際立ってる、と僕は思う。
ミューがおいでおいでをしてる。
完全に小さなわが子を呼んでる母親の姿。
僕はミューの手で、集団の中に連れ戻される。
アイスは不味いわけがない。
ミューは僕と違う種類のを頼んで僕と半分こする。
ミューは女の子の中で、
恋人とこんな事をしたいと思ってたらしい。
いや、男と二人切りでなら、
しょっちゅうしてるだろうけど。
ミューにとって僕は全天候型戦闘機。
未だ出来立てで、戦闘能力はこれからミューが鍛えて、
成長させる必要があるけれど。
ミューはそのつもり。
自分の夫にする男なら
しっかり一から鍛えなおさなければ
ものの役に立たないのはこの世の常識。
あっち方面に関しても
僕はミューに全て任せてる。
美しい女教師と彼女の秘蔵っ子との
甘く蕩ける官能の世界。
事、それに関してなら、教師として
ミュー程の適任者はいない。
ミューが皆に何か説明する。
女の子達が一斉に弾けたように笑う。
笑い声のの下で
ミューがそっと僕に耳打ちする。
「分かった?」
僕はきょとんとした顔で首を振る。
「後で、二人だけになったら
説明してあげるね」
-60-
トリイが言ってる。
彼女の馴染んだ特殊学級から普通学級に移ると
そこのクラスの空気は退屈でよどんでるって。
精神に障害を持っている子供たちの美しさについても
トリイは述べてる。まるで天使の様だって。
うん、並外れて美しい人間は普通じゃない。
ミューも例外じゃない。
普通に生活してると分かり難いけど
ミューの本体はその分身たちを統括し切れてない。
ミュー本人は全く気づいてないけど
ミューは多重人格ぎみ。
ミューは一瞬で真実を掴み取る能力に優れてるけど
ミューに冷静な論理は通用しない。
ミューが値動きに対して並外れた能力を持ってるのも
ミューが普通じゃないからだと思う。
この世の中、大抵、
大事な場面では、常識的な理論は通用しない。
頭の中に幾ら知識を詰め込んだところで
現実の役には立たない。
だからさ、本気で好きじゃない限り
二人の人間の間に真実なんて存在しない。
言葉も論理も過去のデータも役に立たないから。
僕の部屋。僕達は身を寄せ合ってる。
ミューは僕に問われるまま、
過去のミューについて話してる。
ミューが話し出すと、
そのシーンが僕の頭の中に広がって来る。
ミューの言葉は僕に語る為のものじゃなくて
ミューにその時の事を思い出させる為に使われてる。
ミューの頭の中にイメージが浮かぶと
それが直接僕に伝わって来る。
言葉では表現できないその場の空気、
登場人物の雰囲気、その時ミューの感じている何かまで
僕にはっきり伝わって来る。
ミューは一心に話す。
ミューの一生懸命さが僕に気持ちいい。
ミューがエピソードを一つ話し終えて
可笑しそうに笑う。
「あんた、本当に変な人やわ。
普通、頭に来るもんでしょ?
自分の女が他の男にやられてる話なんて。
でも、あんた、本当に楽しそうに
聞いてるんやから」
「うん、楽しい。
僕の知らないミューが生き生きと暮らしてる。
僕もミューと一緒にその時を生きてるみたい」
僕は続きを要求する。ミューが再び語り始める。
真実を伝えようとするミューの一心不乱さが
あふれるような思いが、本当に気持ちいい。
僕はミューが愛しくてたまらない。
ミューの存在の根源のようなものに触れたく思う。
僕の手が恐る恐る、
一心に話してるミューのスカートの中に入り込んでく。
瞬間、ミューがとても変な顔をする。
ミューが理解できない行動が
ミューの目の前で展開してる。
それでもミューは僕の手の為に膝を開く。
僕の手は目当ての場所にたどり着く。
ミューが話してる。
僕の手は優しくミューのそこを撫でてる。
とうとう、ミューが聞く。
「あんた、さっきから、何してるの?
したいの?
したいなら、するよ」
僕は微笑みながら首を振る。
「ミューのここはその為だけにあるんじゃないよ。
僕に取って大事な場所。
ここに触ってると、ミューの心に触れてる気がする」
ミューが安心して、にっこりする。
ミューが膝を崩したので
僕の手はずっと撫でやすくなる。
一生懸命話してるミューの声の中に
思わず出た「あっ」と言う声が一つ混じる。
如何にも唐突で、話の邪魔。
二人、見詰め合って可笑しそうに笑う。
その内、出現頻度が高まって
ミューは笑いながら話し続けるのを諦める。
「もうだめ。話せない」
続きを聞きたい僕。
ミューはそんな僕に呆れてる。
「こんなになっちゃってるのに」
ミューは僕の手を
すっかり濡れてるその部分に押し付ける。
それでも続きを聞きたい僕。
「もう、あんたって人は」
説得してもらちが開かないとミューが実力を行使する。
僕とミューの体が布団の上に転がる。
僕は小さな声を上げてるミューの唇に
被さってく。
-61-
ミューのような女の子と一緒に暮らして
二人の人生って奴を上手に乗り切って行くには
やはりセックスが一番のポイント。
豊かに溢れて、蕩けるようなセックス。
なんせミューは恋するために、
セックスする為にこの世に生まれてきた子なんだから。
所が僕は相変わらずの不甲斐なさ。
でも、僕達二人はあふれて、蕩けてる。
『まるで一晩中続く
ながーーーいセックスをしてるみたいで
とっても気持ちいいの』
それはミューの言う通り。
ミューの体はすっかり僕達のリズムになれて
最近では何時でも準備完了状態。
『あなたは一回ごとは短いけど
何度でも出来て、凄い』
うん、それもミューの言うとおり。
僕達に取って一度導入部分に入ると
つまり、最初の短い一発目が終わり、
すぐに始まる二度目が終わると
その後こそ、本当の官能の流れが
ゆったりと大きなリズムに乗って
眠りに落ちるまで流れ続ける
柔らかな会話を繋いでいても、
それはその行為の最中の出来事の一つで
ミューの体はテンションを下げることなく持続してる。
大抵、ミューが欲しくなって
話しながら下の方でこっそり仕事を始めるか
甘えてキスして来るか。
何時でも準備完了状態のミューに取って
僕は何時でもとても好もしくて必要な存在。
だから、それで十分なんだけど、
僕は心の何処かで、未だ
ミューを行かせられない自分にだわってる。
『他の男に一杯されるより
あんたのちょこっとの方がずっと美味しいの。
あんたの本当に美味しいの。
こんな美味しいの、今まで、私、
食べたこと無い。
こんな美味しいの一杯食べさせられたら
私、味わえなくなるから、やだ』
うーーん。そう言われてもね。
何時かミューと何か話してて
僕はミューの説明をにこにこしながら聞いてた。
説明し終えた後、ミューが急に僕の体ににじり寄って
僕の目を見つめながら言った。
『あんた、馬鹿ね。
女って、とんでもない嘘つきなの。
女の言う事をそんな嬉しそうな顔で
信じきって聞いてちゃだめ。
分かった?』
僕は微笑みながら頷く。
『本当に分かったの?
分かってくれないと、
わたし、やだからね』
僕は微笑んだまま、ミューの見事の裸を抱き寄せる。
僕はミューの目を覗き込む。
そして、僕は思ったままを口に出す。
『君は世界で一番、可愛い』
何時でも準備完了状態のミューは
それだけでスイッチ・オン。
幾ら僕が『夢ミュー病患者』とは言え
それでも少しずつ、何とかなりそうにはなって来てる。
僕は少し光を見出して希望なんか持ってる。
そんな僕をミューがからかう。
ミューの上で、
今回は少しは何とかなりそうなんて、僕は感じてる。
ミューは僕のそんな気持ちを察して
突然、想いっきりの痴態を僕に見せ付ける。
ミューがわざとしてるのは分かってるんだけど
僕はたまらずレツド・ゾーンを振り切っちゃう。
も一度だ。も一度。
今のは予備知識無しで遅れを取った。
前もって知ってれば、いちころなんかにゃならない。
意気込んでる僕の気持ちを見抜いてるミューは
何か楽しそう。
うーん。前もって分かってれば少しは何とかなる筈が、
全く同じだった。
いや、今のは本当じゃない。
そうとも。
冷静になれば、絶対、大丈夫なはず。
ミューは僕の準備をしながら
楽しくてたまらなそう。
この小悪魔、思い知らせてやるから。
今回は最初から、ミューは僕の思い通り。
僕の攻めに、弱々しく鳴いて逃れようとするミュー。
猛々しい僕。
ほら、僕だって捨てたもんじゃない。
相手がミューじゃなきゃ、僕だって相当なもの。
なんだけど、下からミューの激しい突きを食らった。
可愛い顔してこいつ・・・。
もう一発来た。
前振り二発の後で
ミューが獲物をしとめにかかった。
「あーん、可愛い」
可愛いのはお前だ。
「ほーら、気持ちいい、気持ちいい」
うわっ、気持ちいい。
「気持ちいい、気持ちいい、っていっちゃいなさい」
僕は快感から逃れようと慌てて腰を引く。
「だめ、いくの」
下でびしっと決められた。
後は目一杯可愛がられてしまった。
僕は女の子じゃないとか思ってもこれじゃ仕方ない。
終わった後も
ミューは自分の可愛くてたまらない女の子を
抱きしめてるナイスガイのよう。
僕はミューのオーラに包まれて、
とても安全な場所に居る。
これまでミューの前に
散々みっともなさを晒らして来た僕だから
今更、女の子のような気分させられたからって
なんだって言うんだい。
僕が生意気な事を考えたから
ミューが僕に思い知らせてる。
ミューは未だ
自分の能力の十分の一も出してないって僕は感じてる。
ミューを征服するなんてとても不可能。
ミューがその気にならない限り。
やがて僕は女の子のような男のような
自分自身のようなミューのような気持ちになってる。
自分の肉体が男のものなのか女のものなのかさえ
自分では決めかねてる。
何故って僕に触れてるミューの肉体が
僕の外に有るって感じられなくて
まるで僕の内側に有るみたいだからさ。
僕はミューが僕を
ミューにぴったりとフイットするように
教育してるって気づいてる。
でも、それは合理的な考え方だって僕は感じてる。
どんなスポーツ選手でも
市販品をそのまま使ったりはしない。
人はそれぞれ個性もあり癖もある。
僕の不甲斐なさは治りそうにないけど
僕は何時の日か
ミューを僕の思いのままに出来るって感じてる。
ミューがそれを許した時に。
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