高草山は焼津と静岡の間にある標高500mちょいの山。山の名前を知らなくても日本坂トンネルのある山といえば頷かれる方がいるかもしれない。東名高速道路、東海道新幹線、東海道線が通り抜けるトンネルだらけの山である。
地元では「この山に雪が降ると春が来る」と親しまれているが、今日はこの高草山の中腹の公園で観望会が開かれた。うららかな春の日差しを浴びてハイキングを楽しもうというのが趣旨だが、おおかたの参加者のお目当てはシシ汁。
高草山でもこの数年、イノシシが急増して問題になっている。地元猟友会が時折、駆除をするのだが間に合わず、農家が悲鳴を上げているのである。今日はそのイノシシを汁にするというので、うちのと出かけてきた。
麓のお寺の庭先に車を置かせてもらい、ぶらぶら登り始めた。途中の道端にはお茶畑やミカン畑が所々にあり、のどが渇くとミカンを失敬しながらの春のハイキングである。途中、ドーン、ドーンと花火のような音がしていたが後で猟銃の音だと気がついた。のんびり2時間かけて山頂に到着し、帰り道に観望会の開かれている笛吹段公園に寄った。
観望会会場にはハイカーや車で来た人など大勢集まっていて焼きそば、餅、シシ汁がサービスされていた。おもしろかったのは働いている人が男ばかりなこと。たいていの行事は女性が活躍しているのに、今日ばかりはボランティアの男性がお客さんに食べ物を振る舞っている。
さてシシ汁だが、特大の鍋が会場の片隅に置かれ数人がかりで料理されていた。鍋にシシ肉を入れグツグツ煮込む。アクがかなり出るのでこれを掬いながらじっくり煮込んだ後、野菜、こんにゃくを投入し、最後に味噌で味を調えていた。これをまだか、まだかと待ちかねたお客さんがジーッと見つめているのである。最初はあちこちに散らばり様子を見ているのが、味噌を入れる段になると鍋の前に一列に整列し順番を待つのである。
頂いたシシ汁は臭みのないおいしいもの。シシ肉は血が多く、仕留めたらすぐ解体、血抜きをしないと臭くなってしまうのだが、ここのシシ肉は見事に処理されていた。しっかりした歯ごたえはシシ肉独特で滅多に食べられない珍味だった。
シシ汁、焼きそば、餅のフルコースを食べ、食後には高草山特産の紅茶まで頂き帰路に着いた。
帰り道では道端で菜の花摘み。ひなたの菜の花は花が開いてしまっていたが、日陰の菜の花の蕾をレジ袋一杯まで二人で集めてきた。
あすは菜の花のフルコースだぁ。
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