かりん御殿

かりん御殿

February 8, 2004
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テーマ: コトバの話(9)
【はじめに】

飽きずに続けられる自分にあった学習方法を自分で見つけ出す事です。
特に英語圏に現在お住みで英語ができないと
悩んでいらっしゃる方にお伝えしたい事があります。
「英語が出来ない=頭が悪い」のでは決してありません。
英語ができないのは、集中して英語を聴く時間が足りなかったり
選んだ学習方法が自分に適していなかったり
英語圏に住んでいても英語を使う必要が無かったり


とにかく、集中して「聴く」時間・口を慣らす時間(音読など)を
短時間でも良いから毎日設けられる様な生活を意識的に過ごし、
実際に英語で話す時は、人に笑われる事をおそれず、
むしろ、笑われたらネタ獲得くらいの広い心とサービス精神を持つ事、
堂々とした態度・大きくハッキリした声と発音で
一つ一つの単語よりも文全体のリズム感・
イントネーションに留意しながら話す事、
自分で英語表現を考えて作るのではなく
聞き手が慣れている常套句(常用表現)を暗記し活用する事...
..等を常に心がけていれば必ず英語は上達します。


☆☆☆



「聴ける→話せる→読める→書ける」の順に習得される。

よく、英語は読めるが話せない、という人がいるが
日本人で英語会話ができない人の言う「読める」は
おそらく、機械的な「読解・暗号解読」にとどまると思う。
文学作品を「読む=理解する=堪能する」為には

文学作品でなくとも、例えば、電子メールの文章でさえ
会話(=口語)ができなければ正確な理解は難しいだろう。


よって「聴ける」事は言語習得の基礎となる。
聴けなければ喋れないし読めないし書けない。

それなのに、この「聴く力」は、意外に軽視されている。
それは、「聴く」のが、難しいからなのではないだろうか。

私は、小さい頃から短波ラジオが趣味だったので
自分の理解できない言葉を長時間聞くのが苦痛にならない。
しかし、理解のできない言葉を長時間どころか
ちょっと聞くだけでも我慢できない人もいるだろう。
そんな人が、「聴く」訓練を続けるのは至難の技かもしれない。

このタイプの人は、ダラダラと外国語のラジオを聴いたりせず
まず、日本語と外国語の短文・単語が代り代り入っている
フレーズ集の様なCD等を集中して聴くべきだ。
(↑単語だけのCDは、語感がつかめないので駄目。)
集中できる時間には個人差があるから、
自分が集中できる「限度」まで、やればいいと思う。
毎日、何分・何時間ではなく、
その日、その日の「自己限度」までやる。

これは、外国語を聴くのが苦にならない人も同じである。
同じ内容を示す短文をわかる言葉とわからない言葉で聴き
細かい発音の習得の為に単語を両方の言葉で聴く、
この繰り返しを自己限度までやる。
そして、同時に、息抜き的に、ラジオを聴いたり映画やテレビを見たりすればいい。
英語に関しては、
Nursery Rhymes(マザーグースの様な韻をふんだ詩・詞)や
詩の朗読を聴き英語の音を楽しめる事ができたら
もっと効果的だと思う。


とにかく、この繰り返しを限度まで続ける。
一週間だろうが一ヶ月だろうが文字無しで聞けるところまで続ける。

この文字無しの状態に、どうしても耐えられなくなったら
そこで、あきらめては、全ておじゃんになるので
文字を導入するしかないが、文字の段階に入っても
聴く訓練は必ず続ける必要がある。


文字の導入は、自分がCDで聴き続けたフレーズ本を読む。
その読み方には方法がある。
まず、一通り、わかってもわからなくても
ざざぁ~っと早い速度で目を通す。
これも、自己限度が来るまで、何度も、早い速度で繰り返して読む。
この繰り返しは多ければ多いほど効果的だが
もう飽きてどうしようもなくなったら、
日本語の意味を読んでから、ゆっくり読む。

このまま読み続けてはいけない。
1ページなり、1章なり、自分で把握できる「まとまり」で切って
同じ部分を、また、聴く。
読んだら聴くを繰り返す。
その後、CDについて真似して発音する。
これを繰り返したら、今度は
日本語の意味を見てから、学習している言語で答える(発音する)。
そして答えを聴き、また、繰り返す。

この繰り返しを毎日(たまに休んでもいいが....)
自己限度まで繰り返していると
ある日突然、ラジオや映画・テレビの言葉が、
すんなり理解できる様になる。

その段階に到達したら、今度は、フレーズ本を卒業して
自分が興味を持っている分野の本(CD付き)を探す。
探すといっても分野によっては不可能だったりと、なかなか難しい。
なんとか付き合えそうな内容のもので妥協するしかないだろう。

そして、まず、その本を自己限度まで聴く。
長さにもよるが、始めから最後まで通して聴いてもいいし
同じ所を繰り返して聴いてもいい。
とにかく、何日、何週間でもいいから、文字無しで聴ける所まで聴く。

その後、文字を導入する。
その時も、フレーズ本と同じ要領で、1段落ごと、あるいは
1ページごとに切り、最初は、意味を考えずに、すばやく読む。
これを何回も繰り返した後、我慢できなくなったら
今度は、意味を考えながら、ゆっくり、辞書をひかず、通して読む。
これを、また、何回か繰り返す。
そして、それも我慢できなくなったら、はじめて全体の意味を調べる。
辞書をひくのが嫌いな人も少なくないので
最初から対訳がついたものを選んだ方が便利だと思う。

そして意味が把握できたら、また、同じ部分(きりの良いまとまり)を聴く。
読んだら聴くを繰り返す。
その次に、発音にうつる。
まず、まとまった短い文章を聴いて真似して発音する。
それを繰り返したら、今度は、自分で発音した後に
当該文章を聴いて、どこが違うか比べてたら、
もっと効果的なのだが、この練習は、この段階では
しなくても良いと思う。

場合によっては(必要に応じて)、ここで書く練習を導入しても良い。
書く練習は、まとまった文章を音読した(或いは聴いた)直後
文章を見ないで書き、照合訂正を繰り返す。
(書くかわりにコンピューターに入力しても良い。)


ところで、以上に書いたやり方で、一番の問題は、
かなり退屈になりがちな事だ。
だから、毎日、少しずつ長期間とは考えず
習い始めで興味がある時に「短期集中」した方がいい。

また、日本人の英語の様に
文法知識や単語の基礎が十分にある言語については、
「フレーズ本の次の段階」から始めても良いと思う。


以上の訓練の後、聴く力に少し自信がついて来たら
ラジオを集中して聴く、映画・TVを楽しむ等
日常生活で楽しみながら聴く練習の開始だ。
これも、短時間徹底的に集中して聴く時間と
「ながら聞き」の時間と、単に楽しむ時間とを
交互に取り入れて、とにかく、長時間聴く。
聴けば聴くほど良い。
(徹底的に集中して聴く時間が多くなればなるほど効果がある。)


聴く力がかなりついたら、今度は口を慣らす練習だ。
私が実際に行なった練習は
ドラマ等見ながら役者の真似をしてセリフを言ったり
(↑DVDが普及した現在では非常にやりやすい練習だと思う。)
新聞の短いコラムや占いや相談のコーナーの音読だった。
(↑最初は、一通り素早く目を通した後、熟読してから音読する。)
(↑意味が一目瞭然で理解出来る様になったら音読のみで可。)

余談だが、音読については、私は今でも毎日短時間だが練習している。
英語を日常的に使う様になって20年になるが、それでも
この音読を欠かすと、口がうまくまわらない気がする。

☆☆☆

最後になるが、言葉の上達には「使う」事が重要だという意見を
時々耳にする事があるのだが、これには若干の疑問を感じる。
「使う」必然性から、言語学習への動機が高まったり、
真剣になったり、場慣れする、という利点は、確かにあるし、
英語圏に住み、英語の基礎が十分あるのに喋れない、と感じる人は
「使う」事によって進歩すると思う。

だが「使う」で注意したいのは、「使う」事の必然性だ。
「練習」の為に、相手の意向も考えず外国人に話しかけたり
「練習」の為に外国人を含むサークル等に参加する...
これでは、主客転倒ではないだろうか。

外国人に話し掛けたり、サークルへ参加する事は
外国語を話す為という練習目的ではなく、
意見交換をしたり、
日本・地域の情報や文化を紹介したり
不慣れな状況で困っている人を助けたり....等
言語を超える内容があってこそ行われるべきで
同時に相手への尊重が欠かせないと思う。
そして、この相手を尊重する事こそ、
コミュニケーションの基礎なのだ。

(続き)





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Last updated  August 16, 2004 06:27:41 PM
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