10koの徒然日記

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2010年05月15日
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カテゴリ: 小説
 「四郎さまが、討たれたそうだ」

 洞窟の中にいたわずかな民は動揺した。天草四郎時貞。彼をよりどころに皆で支え合って、

 デウスを信じ戦ってきた。洞窟の中にいたのは子供や女、怪我して動けない者だった。

 「殉死(マルチリ)を遂げましょう」マルタ胡蝶(こちょう)が言いだした。

 「敵の手に落ちて死するより、殉死をするのです」「マルタさま、自決は教えに反するのでは?」

 その言葉を言い終わらないうちに男は、マルタに一太刀で切り下げられ倒れた。

 「マルタさま!」「たきち爺!」「わたくしが皆をヘヴン(天国)へ送ってさしあげる。ヘ

 ル(地獄)へ行くのは、わたくしだけでいい。」

 マルタは手あたり次第に手近にいる老若男女を切りつけて殺していった。



 最後に岩壁に男の子が1人腰を抜かしてはりついていた。その子は伝令に使われていた子

 で、片目を失っている。

 「すまぬな、長吉。お前も皆と共へヘヴンへおゆき」その言葉の後、焼けつくような痛みが

 肩から脚へと走った。ぐったりと倒れ込んだ長吉を見て、マルタは洞窟で皆で真摯に拝んだ

 この国では異国の神の像を見つめた。膝まづいて、十字を切り、手を合せて拝む。

 「デウスさま。わたくしはヘルへ参ります。マルチリを遂げられず残念でございます。で

 も、皆の魂はヘヴンへ受け入れて下さいまし。」

 そういうと、マルタは刀を自らの細い首に当て、力をこめてひいた。鮮血が飛ぶ。

 焼けつく痛みに死にきれずにいると、長吉も同じらしく、うぞうぞとうめきながらうごめいている。

 声はもう出ない。ひゅーと言う音が出た。それでも長吉は気付いたのか、ゆっくりとうごめ

 いて、マルタの方へ向かってきた。マルタも手を伸ばし、長吉の方へいざよる。



 目の前が暗くなる。寒い。四郎さま・・・。戦うためとはいえ、共に過ごせて、胡蝶は幸せでした・・・。

 その死に顔は、どこか穏やかなものだった。

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最終更新日  2014年01月26日 11時04分36秒
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