渡辺真由子のメディア・リテラシー評論(旧)

渡辺真由子のメディア・リテラシー評論(旧)

2008年06月02日
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日本経済新聞5月27日付の朝刊に掲載された
全面広告を見て、非常に違和感を覚えた。

某工業会社が、いかに地球環境に貢献しているかを
PRする内容。
女性社員と男性社員を複数登場させ、
各自の仕事への夢を語らせている。

ところがこの広告、
男性社員の名前には「氏」を付け、
女性社員の名前には「さん」を付けているのだ。


「氏」には堅い響きがあり、
社会的地位の高さをイメージさせる。
一方「さん」には柔らかい響きや
親しみやすさがあり、一般人であると
印象付ける。
現に同じ日経新聞の記事をめくってみても、
「大学教授の○○氏」「ヒラリー氏とオバマ氏」など、
権威ある人には女男関係なく「氏」を使っている。

なのになぜ、この広告では「氏」を使う対象社員を
男性に限定しているのか。
同じ企業で働く社員同士であるから、

しかも、明らかに一部の男性より先輩と見られる
女性社員に対してすら、「さん」付けにしている。

おそらく広告の作り手は、
「やっぱり女性には『さん』の方が、
柔らかくて女性らしい感じがしていいだろう」

だが、敬意の度合いが異なる敬称を
性別に基いて使い分けることは、
女性の社会的地位や権威が
男性よりも一段低いと、
暗にほのめかす効果があるのだ。

この工業会社、
女性社員を広告に複数登場させることによって、
「女性も活躍する職場」だとアピールしたかったに
違いない。
しかし、せっかく数千万円をかけて全面広告を打っても、
「些細なこと」で企業イメージは揺るがされる。

もう一つ残念なのは、
この広告の企画・制作が
日経新聞広告局によって行なわれたことだ。

日経新聞は、日頃から夕刊などで
働く女性を力付ける記事を多数掲載しているため
好感を持っているのだが、広告局がこれでは・・。
ジェンダー表現に関する、社としての統一見解が
まとまっていないことを露わにしてしまった。


メディアのジェンダー表現については
ここ(ALC) でも述べている。
さらに、その特徴や背景に食い込みたいあなたは、
「オトナのメディア・リテラシー
『そもそも言葉づかいを疑おう』」

をどうぞ。




ところで、中国人の友人から連絡があった。
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最終更新日  2008年06月03日 14時21分20秒
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