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2007年10月16日
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テーマ: Jazz(2004)
カテゴリ: JAZZ(Born In The U.S.A. )


来週は、既にブルーノートライブですぅ。。
欧州耽美的ピアノトリオとかお好きな方にはお勧めいたしませんが、コンテポラリーな方面お好きな方々、クリポタだけでも、お得なききものだとおもいます。

さて、クリポタの新譜…、これまた、何処から手をつけて良いのか、、、わけわからん、アルバムよん♪(超嬉しい!)
まずね、編成からして、清く正しいジャズファンは、悩むんでしょうね?
「あらまぁ。ストリングス入りね」、「へぇ、バズーンに、クラリネットに、フルートぉ?」等と、、ひけ腰になりそうな編成でござる。
しかーーーし、ここで、清く正しい「クリポタ」ファンは熟考しようでは、、ないかぁ。。
彼がどんな場所でも自分の世界を主張する事ができる強い個性をお持ちな事は重々承知なはず…。
以前、私はACTレーベルのグエンリーのアルバム 『Bakida』
やっぱ、ただもんじゃ、ないっす。
彼の創り出す世界なら、ストリングスや木管楽器の持つ美味しく美しいハーモニーをうまく取り入れながらも、スリリングでエキサイティングで手がつけられない暴れん坊でも時々おセンチ(笑な)彼のサックスも堪能できる秀作になると踏んだのですが…。
ま、早く言えば、、、今回もえげつないまでに吹きまくるかなぁ、、って。v(*^_^*)v(きっぱり)

Chris Potter 10の「テン」がダブルポイント(奥様って、ダブルポイントって弱いのよね)になってまして、10人、そして、10曲なのでありました。
ついでなんだから、10/10にリリースすればよかったのにぃ。
ストリングスのトリオ?は、少し前に紹介した、 『Under Rousseau's Moon Live at Blue Note』 に参加メンバーで、な・・なんとぉ、、、ヴァイオリンがMark Feldmanになってます。
ぐぇ~~、嬉しい!!ジャズバイオリンって、アグレッシヴな演奏になると「のこぎりみたいな音」を連想させる事が多いけど、彼は違うのだな。音はあくまでクラシックの優雅さをたもったまま、演奏はアグレッシヴ☆
あ!!!ギターも結構好きだぞぉ。この人結構ベテランでニューヨーク界隈ではたぶん有名なんだけど、リーダ作では日本ではイマイチ人気でないっすけど、あ、最近だとモチアンのエデンの東にいたよね。

ストリングスの響き、ハーモニーを効果的に木管楽器が重なってクラシカルな雰囲気たっぷりな幕開け。
一呼吸置いて、ベースのリズムに誘われるようにゆったりとクリスポッターのテナーが歌い始めます。場面はポッターのサックスを中心に一気に展開していく感じ。フルートの音色も浮遊感を生み、続くポッターのソロねぇ、、優雅だけどアグレッシヴ。あぁ、、もう、ホント良い男にお育ちになったと、うっとり。

しかし、かっこいいよねぇ。この思いっきりのよい、ふきまくりはブルーノートでも聴けるのかしら?!(行きてぇ!!)

前半のストリングス、そして、木管楽器の優雅な音の響きの中次第に曲に誘われて、自然に私たちの心は「何か」を待つ。その期待が高まって、万を侍して、クリポタのスピリチュアルに荘厳な雰囲気でのお出まし。
おーまいご~っと、、こりゃ大好きなクレッセントのコルトレーン。
東洋的な精神世界に傾倒していったコルトレーンがそこの舞い降りたような用意周到な登場。ここまで、コルトレーンをはっきり出来ちゃうのは、この編成によるところが大きいかもしれませーん。普通のジャズの編成でこれやったら、ただの物まね、って言われかねませんから…。
前後、クラシックな雰囲気。我々は意表をついてジャズの濃くて熱い部分に触れちゃうのでした。う~ん、ケニーギャレットよ、君の天敵はここにいたんだねぇ…。。♪


綿密なアレンジと計算された効果、そして、ソロによる計算外のエナジー。
静と動、光と影、狂気と理性、、ハッキリとしたコントラストを違和感まとめあげ、聴き手の心の動揺、不安を煽って独自の世界に引きずり込んでます。

う~ん、はじまりはちょっと、カントリーつうか、ビルフリ風世界。
今度はバズーンにソロをとらせて、自然や大気を感じる空間。
5曲目、シアトルのボス?これも、この一曲だけでもすずっく的には失神、ってヤツ。
実にクリポタらしい長々と燃え上がるブローイング(^_^)vの後は、テンポ、曲調がかわって踊るバイオリンの登場でっす。きゃぁ~~~~~!!誰か、この面白さを説明してくださ~い。
ドラミング(マーチングバンドのドラム風っす)が効果的な6曲目も1曲の中にいろんな場面展開が用意されていている。

その激しいサックスの演奏の中に潜んでいる彼の英知。
「語り」によって創り出す、物語的な世界が次々と広がって行く。

7曲目タイトル曲は、クラリネットをフィチャーしながら、躍動感あるリズムの中10人が一体となったサウンド。
8曲目は、ドラムと対峙する感じでの混沌とした一見フリーな世界が広げられている。
そのまま流れ込むように穏やかで美しいストリングスの音色に誘われたEstrellas del Surはラテン風な異国情緒のある曲。カーディナンスのナイロン弦の甘い音。エキゾチックな雰囲気のソロが素敵。でも、ちょっと、フリーキーな音が目立つけど、クリポタのエモーショナルなソロももちろん素敵。
・・・・。
最後はコリーのえらく、木訥としたピチカート演奏ではじまります。
「遠く、彼方に夕陽がおちてぇ~♪」ってふんいきですねーー。
スコットコリーの普段のちょっとダークなベースラインから想像できないソロ。
当然、つづくポッターのソロも、哀愁をたっぷり。
1日の仕事を終えて、遠く山の彼方に落ちる夕陽。
疲れているけどね、気持ちは充実。
お家でゆっくり休んで、また、明日、、明日も頑張ろう…。
あ…、夕陽が落ちた。。。

終演でしたぁ。
あれだけ、緊張感溢れる演奏、複雑なアレンジ、ハーモニーが続いて…
最後はホントゆったりリラックスムード。
サックス一本あれば、人生を歌える、って、人間賛歌的な演奏でございました。
最後まで意表をついてくださいましたわ☆
クリスポッターのテナーは艶っぽく、男らしく、激しく、でも、大らか。
ソプラノは、やっぱ、ショターの遺伝子濃いかなぁ。
兎に角、とても満足でごさいました。


文武両道な一枚(きっぱり)
伝統を芯の部分にしっかり持ちつつ、その英知で新しい世界を繰り広げている。
未知の世界を体験したい欲望は誰にでもあるでしょ?
創るほうにも、聴く方にも…。
詩人クリスポッターの一大叙情詩でございまっす。

1. Absence
2. Against the Wind
3. Closer to the Sun
4. Family Tree
5. Chief Seattle
6. Cupid and Psyche
7. Song for Anyone
8. Arc of a Day
9. Estrellas del Sur
10. All by All

Chris Potter(ts,ss)

Von Kleist(flt)
Gregory Tardy(cl)
Michael Rabinowitz(bassoon)
Mark Feldman(vl)
Lois Martin(vla)
David Eggar(vc)

Steve Cardenas(g)
Scott Colley(b)
Adam Cruz(ds)

Sunnyside (SSC3074) 2006

どうでしょ、興味を持った人、はよ、、聴きなさいませ。お勧め。

ええとね、マイケルブレッカーが 『Wide Angles』 を、ラージアンサブル(ストリングス入り)だしてます。
ふきまくりは一緒ですけど、こっちはギルゴのアレンジで、一聴にギルエヴァンスオーケストラのハーモニーっす。あの独特な不協和音寸前の美味しさなのですが、(ほら、腐るまえの果物がとっても美味しいみたいな?)ま、駄目な人には駄目みたいなのですけど…。クリポタのアルバムは、もっと、「普通に」綺麗な?ハーモニー♪
編成も小さいけど、きっちりと構成されてる部分での音の厚みは驚くほど高いと思うのです。で、、小さい分、クリポタだけでなくて各自の自由度が高い感じがします。
ま、こっちの方が、普通のジャズファン的には、えらく、聴きやすいともうのですけど。
しかーーし、クリポタのお耳の能力は素晴らしい!

最後に、、おまけね。
このアルバムの中開の部分に書かれている文章。



all by all and deep by deep
and more by more they dream their sleep
noone and anyone earth by april
wish by spirit and if by yes.

From "anyone lived in a pretty how town" by e.e. cummings



クリスポッターはカミングズの"anyone lived in a pretty how town"と言う詩にインスパイヤーされているようです。
この部分は、詩の全体の中では、人の尊厳、生き死にかんする、、
ちょっとキーポイントの部分らしいです…。
あなたなら、どんな風に解釈いたしますか?





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最終更新日  2007年11月10日 12時00分49秒
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