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『日本の植物学の父』である牧野富太郎博士は、尊敬して止まない人物です。昭和32年(1958年)1月18日に94歳で亡くなったため、物理的に会うことはできませんでしたが、その研究成果と姿勢は大きな遺産として残ったと思います。----------牧野博士は小学校を中退したあと、学校で学ぶことはありませんでした。49歳で東京帝大(現:東京大学)の講師になりました。教え子達は東京帝大生です。方や講師は小学校中退です。その学歴の差を学生達は馬鹿にしていたようです。フィールドワーク(野外研究、野外調査)の際、学生が牧野博士(このときは講師)に恥をかかせようと、ある意地悪をしました。その学生は枯れた植物を牧野博士に渡したのです。(この植物の名称がわかるかい?)その植物は、今いるこの場所はおろか、関東圏にも存在しない植物でした。学生達が見守る中、牧野博士はその植物の根を口に含みました。そして、南方に繁殖しているヒルガオの名称を告げました。 「特徴として、サツマイモに似ている甘みが、そのヒルガオの根にある」----------自分はここで感動して泣いてしまいます。なので、この話を人に話したことは1回しかありません。・・・まあ、別にそんなことはいいですが。----------牧野博士は、生涯50万点の標本を作製し、600種類以上の新種を発見し、2500種以上の命名をしました。人間関係は色々とあったようですが、その研究者としての姿勢は世界一だと思っています。
2008.10.06
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鶴岡八幡宮に流鏑馬神事(やぶさめしんじ)を見学しに行きました。今回は、小笠原流の流鏑馬です。鶴岡八幡宮では、春と秋の二回、流鏑馬が行われます。4月の日曜日に行われるのが、武田流。9月16日に行われるのが、小笠原流です。自分は弓道が小笠原流なので、秋のほうがドキドキします。たまたま流派の名前が同じなだけで、お互いに関係はまったくないんですが。いつかやってみたいものです。--------- 「インヨウ! インヨウ!」裂帛(れっぱく)の気合を入れながら馬を駆ります。馬と呼吸を合わせて、3枚の的を射抜きます。失踪する馬上で、箙(えびら)という矢を入れる容器から矢を抜き出し、弓の弦につがえて、引き絞り、矢を放ちます。揺れる馬上で矢をつがえる事自体が、もうすごい技術なのです。感嘆です!3枚全てを射抜いた達人は、わずかでした。----------たまに滴が落ちてくる怪しい天気の中、YYさんが買ってきてくれた肉まんを片手に2時間前から待っていました。一般席は満員電車のごとく寿司詰めです。一般席の向かいは関係者席というのがあり、すいています。もう少し、一般席に場所を提供して欲しいものです。----------関係者席の後ろから、覗いている神主さん。役得♪----------馬蹄(ばてい)の跡。馬は人間で言うと、足の指先で歩いています。赤いラインを下から人間に例えると、 指先、足の指の関節、くるぶし、かかとに対応しています。最初にその骨格を知ったとき、驚愕しました。きっと、馬も人間の骨格を知ったなら、驚愕するでしょう。
2008.09.16
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日本刀は、鉄板と鉄板がサンドイッチ状に何層も重なってできています。その作り方を 『真っ赤に焼けた鉄板同士を重ねて、叩いてくっ付ける』 と勝手に思っていました。日本刀の製作工程といえば、刀工さんが金槌でガンガン叩いているイメージがあった所為です。しかしそんな知識は、現在の日常生活では磨き上げる機会がないため、研ぎなおされることなく、そのまま錆(さ)び付いていきました。----------しかし去年の夏、その勝手な思い込みに疑問の影がさしました。忘れていたことを、何の脈絡もなく思い出したりするのは不思議で面白いのですが、日本刀とは関係ないので割愛です。鉄板をいくら真っ赤に加熱しても、くっ付ける瞬間は炉から出すため、表面が空気に触れ、表面が瞬間的に酸化されるため、接着力不足になるのではないか疑問を持つことは誰でもできますが、その疑問から真相にたどり着くのは簡単ではありません。その疑問自体が間違えている場合もあるからです。間違えた地図では、インディ・ジョーンズでも宝物には遭遇できません。----------日本刀が実際に存在しているということは、鉄板の空気酸化が接着力不足とはならない証明にほかなりません。しかし、鉄板がいくら赤熱していようが溶けているわけではないので、鉄板同士がくっつく感覚がつかめませんでした。----------思考だけで結論を出すことは危険です。「思考する」ことは、自分自身の知識の並べ替えをすることです。思考とは、持っている知識のジグソーパズルで、絵を再現するようなものです。苦労してひとつの絵をつなぎ合わせると、人はその知識に愛着がわきます。そのため、実際の絵と違う点を指摘すると、激しい反発を食らいます。それが、明らかに間違えた絵であっても。知識と心を分離した、冷静な姿勢を保つことができれば、思考の達人です。----------百聞は一見に如かず。独りよがりの考えほど危険なものはないため、どうしたらいいものか悩みました。そしてついに我慢できなくなり、仕事をさぼって、鍛冶場を訪ねました。----------結論から言うと、・炉の中で、真っ赤に焼けた鉄板に灰をまぶす。・すると、パンケーキのバターのように、鉄板の上で灰が液状に溶ける。・そのまま炉から出すと、鉄板の表面が液状の灰でコーティングされていて空気に触れていない。つまり、酸化が起きない。 ・そのまま鉄板同士を重ねると、間に液体状の灰が挟まる。・そこで、金槌で鉄板を叩くと鉄板間の液体状の灰が押し出され、同時に鉄板同士が一瞬でくっつき、酸素が鉄板と結合することができない。・鉄板は一度も空気に触れることなくくっつく。----------その匠の技に激しく感動しました。当時は、おそらく酸化・還元などの知識は知らなかったはずです。感覚と直感で、最高の手段を獲得したことに、感涙しました。現代ならば、真空中で張り合わせるなどするでしょう。知識があるがあるため、その知識に縛られてしまうはずです。毒と薬は紙一重です。どちらかというと、毒なのですが。想像と直感は、知識に対抗しうる武器だと、感じました。---------という話を、仲良しの板前さんに話したら、 「いやあ、自分も職業柄、刃物には興味がありまして。 日本刀を借りてきて、専門の機関に頼んで電子顕微鏡で刃を見たんですよ」ううん。何とも素敵な話です。電子顕微鏡でしか見えない世界を、直感と想像で描き、それが正しかった生物学者がいましたが、それはまたの機会にします。
2008.09.10
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水温は4℃だが、風呂より熱い熱水が吹き出す深海。そんな熱水噴出域に生息しているエビを新江ノ島水族館で見ることができます。----------生き物を展示するからには「その生物が暮らしている環境を再現したい!」と考えるのは普通ですが、低温と高温が入り交ざる環境を水槽で再現する。なんてことは、無理だと考えるのも普通です。吹雪の中で焚き火をするような感覚ではないでしょうか。しかし、新江ノ島水族館はやってくれました。水槽に熱水噴出域を再現したのです。----------水温は4℃なので、水槽のそばによるだけでひんやりとします。しかし、水槽の中の火山からは、60℃近い熱水が噴出しています。その火口周りにエビが群がっていました。彼らが水槽を熱水噴出域として認めたことに、激しく感動しました。この光景を見た研究者さん達はもっと感動したことでしょう。----------研究者の熱い思いによって夢が実現したとき、いつも感動します。----------百聞は一見に如かずです。新江ノ島水族館に行ってみてはいかがでしょうか。
2008.08.18
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