Laub🍃

Laub🍃

2010.01.29
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カテゴリ: 🌾7種2次裏
涼→安居独白。
他者に依り過ぎてる安居と、そんな安居のモンペな涼。
自分以外の言葉を聴き過ぎる安居と、他人の言葉には毒や含みや嘘があること前提で生きてきた涼。

※人によっては微腐に見えるかも。
若干病んでます。




*****
助けるのが当たり前。
一度仲間だと認めたら見捨てられても助けに行く。
自分を恨んでいるであろう相手に命を預け、ともに協力して助かろうとする。



安居のその痛々しいまでの人を疑う事を知らない性質は、幼少期主に茂から受けていた絶大な信頼と要先輩からの認められた経験に依っている。

だからこそ、嫌われ憎まれ、逆恨みされ、疑われるという状況に弱い。

卯浪に虐げられる理由も分からない。
茂の薄暗い感情も分からない。
鵜飼に恨まれる理由も分からない。
貴士先生に八つ当たりされる理由も分からない。
花が怯える理由も分からない。
夏のA…特に小瑠璃に責められる理由も分からない。
ナツが戸惑う理由も分からない。

罪悪感を抱きはしても、その立場でものを見る事ができない。

そのくせ、やつはあらゆる必要だと思ったものを素直すぎる形で取り入れる。



ーこの世に神様が居るのなら、安居を作った神様はなんて残酷で、なんて夢見がちなのか。

一人で生きていけない癖に、複数人の中では削れていく奴の横顔が映す世界はなんて残酷でなんて美しいのか。



だからほっとけなかった。


俺のエゴだろうと、安居が望むものが分からない限りにおいては、その意志が迷っている限りは、俺がどんな手を使ってでも安居を生かすと決めた。


……だけど、要先輩の「教える」系譜が安居に受け継がれているのならー…貴士先生の「疑いを覚える」系譜は、確実に俺に受け継がれていた。



その責が守りたかった相手に全て行ってしまう所まで、一緒だった。



同じだ。



”僕は憎いのかもしれない”



”娘は君たちの年までしか生きられないのに君たちは”

”花を生意気だと言う奴は後ろめたい”


俺とあの人の共通する思考。


”安居が構って結果自分自身をおろそかにするから邪魔だ”

”安居を居るだけで傷付けるから殺す”



ーーーーーーー自分の大事なものを、愛せない世界が間違っている。








俺がまつりに振り回されるようになってから、安居は俺には浮かべたことのないような笑みを浮かべるようになった。
小瑠璃に浮かべるような、ナツに浮かべるようなそれはむずがゆい。

だが、その目が信じる幸せの世界の一角を俺が造っていることはーーどこか、誇らしかった。


疑ってばかりの俺の人生は、この世界を造る為にあったのかもしれない、と思うくらいには。




俺はあいつの忌むもの、あいつを忌むものを殺すべきじゃなかった。
あいつが大事に想うものを増やして、満たせばよかったんだと。

そんな当たり前のことにやっと気付くことが出来た。






*************************

あとがき



マチネとソワレで人に好かれる故の傲慢キャラが幼い頃の安居に見えてならない。
そしてだからこそその傲慢さに卯浪あたりは虐めずには居られず、かといって受かると言う事を無条件に信じないではいられず、
涼はちょっかいをかけて色々な表情を見ずにはいられず、かといって自分と同様のある種の残酷さがあるようにも信じずにはいられず、
茂は絶対に自分を高みから助けてくれると信じながらも、安居が弱っていて自分しか頼れない時こそ若干生き生きしていたんじゃないかな。





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最終更新日  2017.06.12 02:25:44
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