Laub🍃

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2011.05.12
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カテゴリ: .1次メモ
とつ然だが俺は、迷子になろうと思う。





てくてくてくてくてくてくてくてく、歩いていく。右に曲がりその次は左、こうしておけば本当に道が分からなくなるということもない。

そう、俺は迷子になりたいというより、心配されたいのだ。

だれに?

父さんは出張中、遊ぶ友達も居ない、そう、母さんに俺は心配してもらいたい。

妹に付きっきりな母さんに。


だんだんと日はくれてくる。

みちばたの草なんかを見ながら歩いていると、けっこう楽しかったりもする。




けれど。

「母さん、心配してるかなぁ」

多分してないな。

冒けんにでも行ってると思ってるんだろうな。

野宿しないとだ目かな。


でも野宿は怖いな。


そうして、帰って行った家には灯りがともっていて、ご飯の匂いなんかもしちゃっていて、
俺は抗えずにまた帰るのだ。


母さんは俺の家出計画なんて露知らず、早くご飯食べて宿題やりなさい、なんていう。


ああ、あほだな自分。


まあ、いいか。心配はされなくても、こうやって、温かいご飯を貰えるのなら。





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最終更新日  2015.06.29 03:06:05
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