Laub🍃

Laub🍃

2011.10.25
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カテゴリ: ◎2次裏漫
僕のこの生き方は、生き抜くすべだ。
親に殴られぬよう優しく賢く、姉に嫌われぬよう屑に愚かに生きてきた。
それでも結局姉はずっと僕を認めてくれなかった。

酒乱が原因で離婚に陥った父に似た姉は、母から異様に嫌われていた。
だから僕は母を落ち着かせながらも、幼い頃は姉の傷にいたいのいたいのとんでけ、と言っていた。
何故それがいつにか振り払われるようになったんだろう。

一度でいい。一度でいいからまともに見て欲しいのにそれも叶わない。

「あんたのそれはただの装い」
「わたしのことは結局見下している」

「あんたにだけは手を差し伸べられたくない」
「分かってる。わたしがおかしいんだ。あんたは何にも悪くない。あんたはただわたしのことも母さんのことも好きなだけ。母さんはあんたを好きなだけ。わかってる。わかってるの」
「わたしはおかしい父さんに似てるだけなんだ」

彼女の叫ぶ声が、ずっとジダをひりつかせて、周囲のキヨホウヘンを跳ね返す。

弟妹より優れた姉兄など居ない。
それはもしかしたら僕の家ではそうなのかもしれない。
けれど、幼い頃僕に色々と姉が教えてくれたからこそ、今の僕があると言うのに。
賞状をとりはじめてから、姉は僕にそれを教えてくれなくなった。
喜んでくれると思ったのに。
姉が教えることでうまくなる僕に喜ぶ姉が可愛くて頑張っていたのに。
そういう、一緒に楽しむ時間がなによりも大切だったのに。






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最終更新日  2017.04.13 22:22:20
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