Laub🍃

Laub🍃

2011.11.02
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カテゴリ: ◎2次裏漫
僕は、俺になった。

彼の遺志を継ぐ為に。


彼は未来に来るべきだった。
それなのに来られなかった。
こんな世界は間違っている。

だから、来る筈のない奴を皆で撃ち殺して、来ている筈の彼を皆で少しずつ装った。

こんな世界に来たかったのか。
でも、彼は来たかったかもしれない。

ゆずれない想いを目に胸に秘めていた彼ならば。



ここに来る意味があったはずなんだ。

勉強をがんばったのも、あの先生達の腕を掻い潜ったのも、きっと彼がこの世界で一般人を助ける為だった。

だけど僕が頑張らんとしても、結局それは偽物だ。

それに彼なら、僕の事を最後に自分が汚れてでも送り出してくれた彼なら、こんなこと考えない筈なんだ。

こう考えている僕を、どうか叱ってくれないだろうか。


不幸に酔って。哀しみに溺れて。過去に漂って。


抑えきれずに君に告白する。


「僕は君と一緒なら死んでても構わなかったのに」


行きたくないと、生きたくないと彼女は言った。
親友の居ない世界なんて要らないと。


でも僕は言えなかった。

そうしたら彼がもしかしたら生き返るかもしれないと思った。



こんなバカげたことを言っている僕を、君は気にも留めず、地獄だか天国だか知らないけどそういう場所で過ごすんだろう。


どうか時が戻るのならば、喧嘩をする原因が出来る前の傷付く前の君に、いや、傷付いた後でもいい、あのことをあいつに告白する前の君に、当たり前のように純粋で居た君に会いたい。


そうしたら僕は、俺は今度こそ「ここに居たくない」「一緒に逃げよう」と言えるのに。







・・。最終更新日 2011.12.31 02:13:11





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最終更新日  2017.04.11 05:24:14
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