Laub🍃

Laub🍃

2011.12.19
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カテゴリ: ◎2次表
*sideR>

 殺すことへの躊躇は殺した。
 だけど俺の手は未だに誰も殺していない。
 いつだって綺麗なあいつだけが汚れていく。
 俺が汚れなければいけないと分かっている。
 だからこそ今度は追いつかなくちゃいけない。
 追いついて、あいつよりも先に殺さなくちゃいけない。

 そうすれば綺麗なあいつが、いつかまた俺の馬鹿な行動を怒ってくれる日が来るだろうか。

 怒られないままは、裁かれないままは、俺の所まで堕ちたようなあいつは、嫌いじゃないけど、調子が狂う。


 あいつの暴走を止めることもできる。
 だけどあいつの大事な奴のような存在にはなれない。

 あいつの「殺すな」は俺には届かないし、
 俺の「綺麗なままで居てくれ」もあいつには届かないのかもしれない。


 あいつがずっと俺の目の中に居た。
 小さい頃からずっと見てきた。
 あいつの目に映る為に馬鹿なことを色々とした。思えば昔は構ってちゃんだった。

 泣きたいなら泣けばいい。
 だけど、お前がまた笑えたのを見ると、また見られたら、なんて思った。
 相手は俺じゃなくていいんだけどな。


*sideA>



 いくら裏切られようと

 あいつはこっちに来てからずっと離さないでいた

 あまり無様なようなら見放すと言った
 その信頼を守って行けるだろうか
 なくさないでいられるだろうか


 やっぱりこんなのは違うんだ

 あいつがかつて見た俺のようなヒーローに
 俺がかつて夢見たヒーローになれるだろうか、
 ならなくちゃいけない。

 そう思っている限り俺は俺だから。
 やめられないんだ。

 もう少しだけ背中に居てくれないだろうか。

 泣き止むのは難しいなら、いっそ一緒に歌ってみようか。

*sideR>

 あいつはあいつを守れるだろうか、
 「自分」のためにあの人と決別する勇気を出せるだろうか
 あいつには出来ないかもしれない、俺が手伝えるのは何だろうか

*sideA>

 ずっとあいつは俺を見てて、なんだかんだで助けてくれていたんだなと気付いた。
 ずっと知らなかった。




 あの世界での最後の時も、あの人と会って、会えると思ってなかった親友に会えた時も、そうして他の人を助けようと降りようとした今も、あいつはいつも泣きそうな声をしていた。


 ーーー俺は、どうすればいいんだろう。
 泣いていた友達を泣き止ませようとしたことはあったけど、泣かせる奴をぶん殴ったりもしてきたものだけど、あいつを泣き止ませる方法は知らない。





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最終更新日  2016.11.16 04:45:13
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