Laub🍃

Laub🍃

2011.12.24
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カテゴリ: 🌾7種2次裏
その人は、自分達の為に闘っていると言っていた。
けれどその人の言葉は借り物で、実際はそれを植え付けた誰かの為に闘わせられているだけだった。

だから、そこから解放してあげたかった。

俺の言葉は、以前出会った人たちには届かなかった。

「一緒に逃げませんか」と言ったのに、届かなかった。
だから、その人には言いたかった。

「逃げてよかったんです」と。
もうとっくに体の鎖も心の鎖も解けているから、一緒に逃げましょうと。

だから、その人を助けだせたと思った時、俺も同時に救われたような気がしていたんだ。





けれど、敢えて殴られたその人…そいつの顔は、未だに囚われていて、俺の言葉が届いていなかった。愕然とした。

幼い頃から理不尽に殴られることがあったからなのか。
何か悪い事をしたら殴られることで相手の気が済むという体験をしたのか。
暴力しか知らない人に、言葉が通じるのに想いが通じない人に、どうやって伝えればいいのか。
難しいな。俺の尊敬する彼女なら、どうするだろう。
想像の中の彼女は答えない。

俺は全ての裏側を知らない。

それなら、知ろう。
何があろうとも、今度は最後まで、聴こう。

そいつの為にも、彼女の為にも、はらはらしているあのこの為にも。





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最終更新日  2017.04.06 04:59:17
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