Laub🍃

Laub🍃

2012.01.24
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カテゴリ: 🌾7種2次裏
一番初めに走っていったあいつは、一番初めに黒く染まった。
 修羅に走るあいつを抑え込むのは俺の役目だった。
 俺が壊したようなものだから。
 『彼』が壊したようなものだから。
 あの人たちが壊したようなものだから。
 『彼』の代わりにはなれないけれど、俺がせめて補おうと支えようと思った。
 『彼』のように片割れになることはできないけれど、せめて『彼』と俺が知るあいつの姿を少しでも保ちたいと思った。
 手始めに、あいつが憎む奴等を殺すことから始めた。
 奴等自体は別に嫌いじゃない。それに、あいつほど憎んでもいない。

 あいつを闇に引きずり込むなら、追い詰めるのなら、その前に俺が闇に葬ってやる。
 あいつは知らないままでいい。
 知らないまま、人であってくれ。獣は俺一人で十分だろう。
 俺はあいつの為に人の道を外す。
 あいつが人として生きられない世界を構成するものを、死神として殺しに行こう。

 ……奴の父親にもらったものにお礼を、返さないといけないしな。





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最終更新日  2017.03.15 08:28:21
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