Laub🍃

Laub🍃

2012.03.07
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カテゴリ: 🌾7種2次裏
この二人でキス唾を見たい気持ちがないといえば嘘になる。

以下やや捏造過去の涼→安居。





*********************

施設でどんなに理不尽なことを言われても
どんなにひどい事をされても
まっすぐに前を見ていて
どんな時も強く輝いてて
そんな安居はいつもまぶしくて
小さい頃から、他の大人よりも誰よりもとても大きく見えた。








安居は多分覚えてなんかない。
俺が教師たちに反抗し始める前のことなんて。

思い出すのは、がんがんと痛む頭に添えられる優しい手。

小さい手だった。
教師の殴った手よりもずっと。
俺を撫でる手は温かくてつい泣いてしまった。

安居は気にしないふりをしていた。

「茂はもっと泣くからな。お前は強いよ」
「……」

嬉しいはずなのに、ちょっともやっとした。


その小さな手がだんだん大きくなって、机を叩いて、襟を掴んで、俺を殴るようになってー


それは茂には振るわれない手だ。
卯浪にも振るわれない。
俺専用の。

俺に勝って俺に負けて一喜一憂するその顔は、あいつらじゃ見られねえだろ。
互いに挑発しあうのだって。








今日も俺は大きくなった手で、安居をこの世に引き留める。





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最終更新日  2017.05.12 15:27:58
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