Laub🍃

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2012.03.22
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カテゴリ: 🌾7種2次裏
※百舌さんと牡丹さんと螢ちゃんが初めから亡くなっていてその後も一人ずつ死んでいくIFです

※死亡順
ちまき→まつり→嵐→蝉丸
→ナツ



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嵐君が死んでしまった。

蝉丸君も死んでしまった。


一番どんくさいあたしが生き残るなんて、なんの冗談だろうか。





他のチームと出会えていたら、何か変わっていたんだろうか。

あの人達を救えていたんだろうか。

性格が悪くても悪人でも犯罪者でも何でもいいから、とにかく人に会いたくて会いたくて会いたくてそして15年が過ぎた。






あたし達のチームは、3人が初めから亡くなっていた。

背の高い男性と、頼もしそうな女性と、幼い女の子だった。


けれど、そのことに衝撃を受けている暇はなかった。

とにかくあたし達の乗っている船ともつかない、けれど海上を漂っていたらしい何かから脱出しなければ、海の藻屑となるところだった。

同い年くらいのパーマの女の子、同じくパーマの男の子、人の好さそうな男の子、柄の悪そうな男の子、そしてあたしはなんとかそれを脱出した。




柄の悪そうな蝉丸と名乗る男性が、沈んでいく船からその人達の遺品を拝借していたと知るのは丸一日経って気分が落ち着いてから。


手癖が悪いと思ったけれど、正直お蔭で助かったとも思っていた。






その1。あたし達に向けたメッセージ。
 もし、冷凍保存・解凍失敗している対象が居て、なおかつその対象が、『牡丹』という『ガイド』だった場合に読んで欲しい、使命を果たせず、不安ばかり与えて申し訳ない、誓ってそれは嘘ではないと、それには書いてあった。

その2。あたし達が今居る場所についての説明。
 あたし達は文明が滅んだ後の地球に居ること。目の前に広がる世界は幻覚や夢じゃなくて、凶暴な生物に食べられたり危険な植物を食べたりしたら即座に死んでしまうってこと。

その3。あたし達の立場についての説明。


その4。あたし達が向かうべき場所についての説明。
 日本各地に、あたし達生き残りの為のシェルターがあり、そこは鍵がかかっていないからバルブさえ開けば入れること。そこには保存食品、サバイバル読本などが置いてあるから、生き延びる為に参考にしてほしいこと。
 前世代の遺物の中にも『シェルター』と呼ばれる存在があるけれど、その中には隕石衝突前に内部に入っていた生き残りが居るかもしれないこと、……死体が居るかもしれないこと。


「……仕方ねえ、まずは食べ物捜しか」

初めに辿り着いた、猫のような形の島。
見渡す限り一面の緑。
静か過ぎて不安になる場所、事情を知っている人が一人も居ない世界。


そこであたし達の新生活が否応なく始まった。





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最終更新日  2018.03.02 15:56:44
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